2006年10月15日(日)03:03
福岡県筑前町の中学2年の男子生徒(13)がいじめを受けていたという遺書を残して自殺した問題で、自殺当日の11日、生徒が繰り返し「死にたい」と漏らしたのに対し、同級生らが「本気なら下腹部を見せろ」などといい、ズボンを脱がせようとしていたことが分かった。校長が14日、記者会見で明らかにし、暴力にあたるかもしれないという認識を示した。一方、生徒の父親(40)は学校側の説明に不信感を示し、「真実を知らせてほしい」と訴えた。
生徒が通っていた町立三輪中学の合谷智校長の説明によると、生徒は11日の1、3、5時間目の授業中や休み時間に「自分は死ぬんだ」「死にたい」などと友人らに話した。6時間目の美術の時間には、スケッチブックに「いじめが原因です。いたって本気です」と記すとともに、「遺言」として「お金はすべて学校に寄付します」などと書いた。この文面も近くにいた生徒と話し合いながら書き込んだらしい、という。
6時間目の直後、生徒はトイレの中で、同級生7人に「死にたい」などと話したが、同級生らは「うそだろう」「本気なら下腹部を見せろ」などと言いながら、ズボンを脱がせようとし、少しおろしたという。
同校や生徒の親類によると、生徒は長い期間、いじめを受けていた可能性があり、1年生のころから友人に「死にたい」とこぼすことがあったらしい。
合谷校長は13日夜の会見で、暴力や金銭の要求はなかったが、生徒の発言に周囲が反応しないといったことがあったのではないかと説明していた。14日の会見では、トイレ内の行為について「暴力といわれればそれに当たるかも知れない」と釈明した。
一方、父親は14日、記者団に対し、遺書は四つあったことを明らかにした。このうち理科のノートには「さようなら 僕が死んだら 僕の貯金は学級にあげます」と記されており、父親は「金銭的な要求があったのかとも思う」と話した。
自殺当日、生徒が死にたいと漏らしたのに対して、「同級生から『じゃあ死ねば』と言われたらしい」と話した。
また父親は、生徒の祖父から「自転車をパンクさせられたり、ねじをゆるめられたりすることがあったようだ」と聞いたことを明らかにした。
父親は14日の葬儀で「友達のみなさん、今回の(息子の)死を無駄にしないで下さい。少しでも変わったことがあったら見逃さないで下さい。何かのサインかも知れません」と呼びかけた。
またしてもいじめの被害者か...
やりきれない気持ちが募りますね。親御さんの気持ちを考えるとなんて慰めてあげたらいいのか言葉がありません。いじめの実態はなかなか表に出てくるようなものではないらしい。大人が発見できるのは、明らかにその子および周辺から何らかのサインが発せられたときでしょう。でも、大人は往々にして、そのサインを認識できないか、認識しても見過ごしてしまいがちなのではないか...
大人が気づくためには、子供の『視点』が必要な気がします。ここで大人は先生であり、被害者、加害者の親であり、近所のおじさん、おばさんです。今は昔に比べて近所の子供のみならず、自分の子供に対しても関心がなさ過ぎるような気がします。
