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地味ながらも有用な機能向上、ソニー「BDZ-RX105」を試す(後編)

2010年04月30日 | 日記
 ソニーの新しいBlu-ray Discレコーダー「BDZ-RX105」を検証していこう。今回は、新たに設けられた10倍録画モードの画質評価をにくわえ、録画予約に関する基本的な部分に着目して試用する。

【画像比較:10倍録画モードの実力は?】

 まずは、ソニーの2010年春モデル全機種に追加されたフルハイビジョン解像度の10倍録画モードだ。従来の「ER」モードがSD解像度からハイビジョン解像度に変更された形で、これにより全ての録画モードがフルハイビジョンとなった。録画モードは、放送波をそのまま記録するDRモードを含めて7段階用意されていて、画質の変化が大きくなる低ビットレートの録画モードになるほど、各モード間のビットレート差が小さくなる。合理的で分かりやすい構成だ。

 ERモードのビットレートは、従来通り約2Mbpsとされているが、実際はもう少し高めに設定されているようだ。従来機「BDZ-RX100」のERモードで1層BD-Rに録画できる時間は24時間25分だったが、本機では21時間40分となっている。これは、パナソニック“DIGA”シリーズが2010年春モデルで採用した「HBモード」と同じ。つまりERモードのビットレートも、パナソニックのHBモードと同程度の2.4Mbps前後と推測できる。

 ソニーでは、エンコードアルゴリズムの改良により、今回の10倍モード(ERモード)は、2009年冬モデルの8倍モード(LRモード)より画質が向上したとしている。残念ながら該当モデルの実機に触れていないので直接比較はできないのだが、確かにERモードの画質は悪くない印象だ。

 画質比較は、放送波をそのまま記録するDRモードのほか、MPEG-4/AVC記録から、破たんが発生しにくという点でリファレンス的な位置づけになっているSRモード(約8Mbps)、8倍録画のLRモード(約3Mbps)、10倍録画のERモード(約2Mbps)で行った。

 写真の左上からDR/SR、LR/ERの各録画モード。画面下部には川の流れがあるが、固定カメラで静止画に近いシーンだ。手前の草の部分はやはり情報量はビットレートが反映されているが、ERモードでもエッジの乱れはほとんどない。もともとMPEG-4/AVCが得意なシーンといえるが、ERモードのビットレートが約2.4Mbpsという点を考慮すると、かなり良好な画質といえる。

 左上からDR/SR、LR/ERの各録画モード。画面全体が横スクロールしているシーンだ。ERモードでは、花の中央の明るい部分でブロックノイズが発生するなど情報が欠落している様子も見受けられるが、エッジはおおむね保たれている。DR/SRモードと比較すると背景のディテールも相応に失われているものの、ハイビジョン動画としての解像感は十分にある。

 今度は、画面全体が横スクロールしているシーン。ERモードはDRモードと比較すると背景に細かい情報がなくなり、グラデーションとしての表現になってしまっているが、はっきりとしたエッジはしっかり保っている。SRモードでも同様の傾向が既に見られ、ビットレートの違いを考えるとERモードは決して悪くない。

 ERモードに関しては、もちろん画質の劣化は見られるものの、LRモードとの画質差も小さく、番組を選べば十分実用域の画質といえる。画面全体に動きが多いシーンでは前回レビューしたDIGA「DMR-BW880」同様にブロックノイズだらけの描画になることもあるが、アクションシーンなどがない番組であれば破たんを感じることはまれだ。BDへの保存用として使うには正直おすすめしないが、例えば自動録画機能の「x-おまかせ・まる録」を使って気になる番組をどんどん録画するといった用途なら十分に使えるレベルといえる。

●強力な予約録画機能とキビキビしたユーザーインタフェース

 ユーザーインタフェースは、従来製品からとくに変化はない。独自のXMB(クロスメディアバー)は機敏に動作し、画面あたりの情報量は欲張っていないものの、ストレスなくさまざまな操作が行える。ただ電子番組表は7/5/3列表示と一覧性では競合製品に見劣りするまま。より一覧性の高い表示を追加するのはアリだと思う。デジタル放送の番組表に関しては、広告表示も入らないタイプであり、大型テレビと組み合わせる場合にはもっと文字サイズを小さくしても十分に実用的だと思うのだ。

 予約録画関連の機能では、キーワード、ジャンル指定で自動録画してくれる「x-おまかせ・まる録」、再生中の番組の出演者が他に出演している番組の検索と録画予約もできる「気になる検索」、話題の番組の紹介をしてくれる「x-みどころマガジン」などが極めて秀逸。また通常録画予約でも「番組名」での繰り返し録画が可能であり、放送日、時間の不確定な再放送番組などでも撮り逃さないあたりは便利だ。予約録画関係ではとくに新機能の追加などはなかったものの、現状でもっとも多機能、かつ練り込まれた製品であることに間違いはない。

 クロスメディアバーは良くも悪くも独創的であり、必ずしも万人向けとはいえない。この点は2009年冬モデルで「らくらくスタートメニュー」が追加され、リモコンにも独立したボタンが設けられるなど、改善が進められてきた。らくらくスタートメニューは、クロスメディアバーを完全に置き換えるわけではないものの、初心者層にはぐっと分かりやすくなっている。機械は苦手という家族と共用する場合でも、以前のソニー製レコーダーと比べればハードルはかなり低いといえそうだ。

●実用的な進化を遂げたかしこい録画マシン

 前編の冒頭でも触れたが、本機は競合となるパナソニック、シャープの2010年モデルに採用されたMPEG-4/AVCによる2番組録画機能は採用されていない。むしろ、2009年冬モデルのマイナーアップデートに近い位置付けだ。

 個人的にはMPEG-4/AVCの2番組録画が必須とは思っていないし、「画質にこだわるからTS録画しか使わない」という人も珍しくないはず。それでも、2番組同時AVC録画が可能になれば、「おまかせチャプター」や「おでかけ転送」用の並行エンコードが両方の録画ユニットで有効になるはずなので、メリットは大きい。もちろん、この点はソニーも重々承知しているはずだ。

 一方、前編で触れたように大手テレビメーカー7社の製品を便利に操作できる「おまかせリモコン」は、実用性という点で意味の大きなものだ。同じく「おまかせ転送」の強化や10倍録画モードの採用も実用的な進化といえるだろう。ラインアップ全体に目を向ければ、スカパー!HD録画対応製品の拡充も同様のことがいえる。

 中でも「おまかせリモコン」のアプローチは、テレビとレコーダーはセットという風潮に一石を投じるものだ。とくに「ソニー製品の自動録画機能に魅力は感じるが、手持ちのテレビが他社製品だから……」という理由で購入をためらっていた人にとっては魅力的。ソニーのBDレコーダーは、もともと独創的な魅力の強い製品だけに、こういう進化もアリだと思う。【坪山博貴】

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