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ほんとうの日本神話..?4

2017年01月23日 | 歴史関連

天之道立の神のご活躍にも関わらず、紫微圏界には濁り、汚れが生じて来ます。そこで素の神は太元顕津男(おほもとあきつを)の神を遣わし、八十比女神を御樋代(神を産む女神?)として遣わして、国を治めるために国魂神を産ませることを指図されます。この国といいますのは、今の概念でいう国家のようなものではなく、住むところというような意味ではないでしょうか。

(以下引用)

(途中略)

天之道立の神は諸神を従へて、紫微圏界に於ける数千億万里の霊界を非常の速力をもつて経繞り、神業(みわざ)に活躍し給へり。至美、至明、至尊、至厳の霊国も、燃ゆる火の焔の末より出る黒煙の如く、鈍濁の気凝り固まりて、美醜善悪の次第に区別を生じ、最初の神の意志の如く永久に至善、至美、至尊、至厳なる事、全体に於いて能はざるに至れるも、霊的自然の結果にして、如何に造化の神徳と雖ども、此の醜悪を絶滅する余地なかりしなり。

(中略)

天の道立の神は、紫微の大宮の清庭に立ちて布留辺由良(ふるべゆら)、布留辺由良と大幣(おほぬさ)を振り給へば、紫微天界の西南の空を焦がして入り来たる神あり。其の御姿は百有余旬の大鰻(おほうなぎ)の姿にして、肌滑らけく青水晶の如く、長大身ながらも拝しまつりて権威の心を起こさず、寧ろ敬慕の念に満たされつつ、天之道立の神は紫微の大宮に鰭伏して、
『来たります神は何神なりや』
と神慮を伺ひまつりけるに、
『天之峯火夫の神言(みこと)もちて、今より来たる神は太元顕津男(おほもとあきつを)の神』
と宣らせ給ひぬ。
太元顕津男の神は紫微圏界の成出でし最初にあたり、大虚空の西南に位置を定め、百(もも)の神業を司り給ひしが、やうやく大神業を仕へ終へ給ひし折もあれ、天之道立の神の生言霊の祓ひの神業に感じ給ひて、此処に寄り来ませるなりき。

太元顕津男の神は横目立鼻の神人と化し給ひ、大宮の御前に額づきて宣り給はく、
『我は主(ス)の神の神言もちて、西南の空を修理固成し終れり。我れこの後は如何にして神業に仕へまつらむや、外字怜(うまら)に委曲(つばら)に事依さし給へ』
と、天津誠の言霊をもて祈らせ給へば、紫微の宮居の扉は再び静かに開かれて、茲に高鉾の神、神鉾の神、四辺を紫金色に照らさせながら、儼然として宣りたまはく、
『宜べなり宜べなり太元顕津男の神よ。我主(ス)の神の神言もちて汝に宣り聞かす事あり、慎しみ畏み神業に仕へまつれよ。是れより東北万里の国土に於いて天界経綸の聖場あり、称して高地秀(たかちほ)の峯といふ。この高地秀の峯こそ我が主(ス)の神の出でませし清所(すがど)なれば、汝は一時も早く高地秀の峯に下りて紫天界の経綸に仕へまつれ。八百万(やほよろづ)の神を汝に従へて其の神業を助けしめむ』
と、右手に大幣を打ちふり、左手に百成の鈴を打ちふり給ひつつ、殿内深く隠れ給ひぬ。
茲に太元顕津男の神は天之道立の神に深く感謝の意をのべながら、時遅れじと再び長大身に還元しつつ、光線の速さよりも速く、見る見る姿を隠させ給へり。

太元顕津男の神は、天の高地秀の山に下り給ひつつ、茲に造化の三神を斎ひ祭り、朝な夕なに誠心の極を尽し、言霊の限りを竭して、天界の平和幸福を祈らせ給ふ。紫微圏界に坐す主(ス)の大神の御神稜によりて、平らけく安らけく清く明けく治まりたれども、百万里東方の国土は未だ神徳に潤はず、漸く妖薜の気群り起り、神々は水火(すゐくわ)の呼吸の凝結より漸く愛情の心を起こし、神生の業は日々に盛んになりたれども、善悪相混じ美醜互ひに交はる惟神の摂理によりて、遂に混濁の気国内に満ち、万の禍群おきむとせしを甚く嘆かせ給ひ、高地秀の大宮に百日百夜間断なく祈り給へば、主(ス)の神はここにも再び現はれまして神言厳かにのたまはく、
『汝是より国生み、神生みの神業に仕へまつれ。其の御樋代として八十の比女神を汝に従はしめむ』
と宣り給へば、太元顕津男の神は主(ス)の神の神宣のあまりの畏さに、応へまつる言葉もなく、宮の清庭に鰭伏して直だひたすらに驚き打ち慄ひ給ひける。

主(ス)の神より太元顕津男の神に対し八十比女神を授け給ひしは、神界経綸につきて深き広き大御心のおはしますことなりけり。天界に於いても漸く茲に横目立鼻の神人現はれ、愛欲に心乱されて至善至美至愛の天界も濁り曇らひければ、其の汚れを払はむとして至善、至美、至粋、至純、至仁、至愛、至厳、至重の神霊を宿し給ふ太元顕津男の神に対して、国魂の神を生ましめむとの御心なりける。

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