中田人材経営サロン

元ソニー人事部長であり、青山学院大学客員教授の中田研一郎より、企業の視点と個人の視点で「キャリア」「生き方」を語ります。

人を見て決めつけは禁物

2007-03-08 18:18:48 | セミナー
今日は、最後の3つ目について。

3つ目は、人を見て決めつけは禁物ということです。
悩みに負けそうになって「どうせ自分は」と思い込むと
さらに悩みが深くなるのと同様、「どうせあの人は」と決めつけるのも、
人間関係の悩みを深めるのではないでしょうか。

会社に勤務すると自分とあわない人が大勢いるように見えます。 

「ああいうタイプの人は自分には合わない。話しても無駄だ。付き合うのは意味がない」

このような決めつけを無意識のうちにしていないでしょうか。
部下は上司を、上司は部下を一定のキャラクターに決めつけて、
この会社には優秀な人はいないと、いとも簡単に決めつける傾向があります。

しかし、人間は性格によってタイプに分かれて見えるとしても、
不変的に「こういう人だ」と固定されているわけではありません。
むしろ周囲との「関係性」によって、周囲の縁に触れて、
その人のいい面、悪い面が表に出ているのではないでしょうか?

逆に言えば、その人のどういう面を出すのかという点では、
自分自身がその人の縁になっているわけです。

したがって、相手を決めつければ決めつけるほど、
そのような固定的なメッセージを相手に送り、
それが縁となってその通りの人間に相手が近づいていく、
そんな傾向があるように思います。

相手を決めつける代わりに、相手の行動に対し、
「私はどう思う」という気持ちを素直に伝えた場合は、
相手はそれを受容して判断をします。
決めつければ反発しますが、相手に判断を委ねれば、
相手の人格に対して敬意を表していることになります。

職場でも家庭でも同じです。夫婦喧嘩は決め付けの最たるものです。
虚心坦懐に話せば何かが変わります。
相手を変えるためには、まず自分の「決めつける姿勢」を
変えなければならないと思います。

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