風景写真春秋

残日録代わりの風景写真です。
もちろん「日残りて、昏るるに未だ遠し」という意味合いです。

車山 ニッコウキスゲ

2015-07-22 | 信州
 長野県諏訪市、車山のニッコウキスゲ(ゼンテイカ)です。
 車山のニッコウキスゲは異常に数を増やしたシカの食害により壊滅状態になり、かろうじて電気柵で囲まれた一角だけで見ることができます。
 電気柵の外側には安全確保のロープが張ってあり、その外側からの撮影となります。
 ロープと柵の狭い限られた隙間から望遠系のレンズで同じような方向を写すため、構図や画面も窮屈で似たような写真ばかりになり、せっかくの霧ヶ峰の大自然なのにのびのびとしたワイドな写真となりません。
 また、極力避けたつもりですが、電気柵や電線、見物客が入っている写真もあります。
 そのようなことをご了承のうえでご覧ください。

①~⑥












⑦これまでで、終わってしまうと、車山のニッコウキスゲ、きれいきれいで、めでたしめでたしとなるのだが、現実は残念ながらこのようになっている。
 電気柵だ。
 これによりこの中だけが、かろうじてニッコウキスゲがシカの食害から守られている。


⑧⑨電気柵の外側は、ニッコウキスゲなど一本も見当たらない寒々とした風景が広がっている。
 シシウドが咲いているのがかえってわびしい。
 背後に見える肩の小屋は、かってはニッコウキスゲに埋もれていた。
 ⑨の正面奥は八島湿原。




⑩⑪これで終わっては後味が悪いので、似たような場面だが、ニッコウキスゲいっぱいの写真を掲載します(^^)。




 電気柵など余計なものを見ず、ニッコウキスゲだけを見ていれば、これはこれで見事で美麗な景色です。
 しかし、カメラは余計なものまで写ってしまうのです(^^;)。
 いつの日か、この電気柵が不要になったという情報が入った時に、また訪れたいと思っています。

 次回は、海の表情です。

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6 コメント

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ニッコウキスゲ (teruko)
2015-07-22 23:30:19
いせえびさま
ニッコウキスゲ初めてお目にかかりました。シカ除け柵、人の波を避けてご苦労の傑作映像なのですね。
そんなご苦労を感じないほどの素敵なニッコウキスゲの群生映像(^O^)/ 
ユリのような形をした黄色いニッコウキスゲ花が緑の地に絨毯のように咲き誇る姿にしばし佇んでしまいました(*^。^*)
その後電気柵や侘びしそうなシシドウに我に帰りました(苦笑!)
お疲れ様でした!ありがとうございます♪ 
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terukoさま (いせえび)
2015-07-23 07:57:34
おはようございます。いつも楽しいコメントをいただきありがとうございます。
ニッコウキスゲに陶酔していただいたあと電気柵でしびれ、現実に帰っていただき、申し訳ないことをしました(^^)。
このブログは美しい風景写真を見て、楽しんでいただくのが主旨です。
いつもはまわりの360°の風景の中からいい部分だけ切り取り、場合によってはレンズワークなどでそれを強調します。
またそれに、テキヤの口上のようところもある、私の調子のいい説明文がオーバーにそれを伝えるということもあります(^^;)。
もし実物を見に行かれて期待外れであっても、それは写真というものの暗黙の了承、許容範囲であってお許しいただけるものと思っています。
ところがこの車山のニッコウキスゲの状況はその許容範囲を越えてしまったようです。
また、私のブログが2~3枚の写真であれば「車山のニッコウキスゲ」と題していい写真ばかりいれたでしょうが、幸か不幸か(^^)10枚以上で構成するようになってしまいました。
というわけで今回は、いいとこ写真ばかりではあまりにもダマシになってしまうので、電気柵やその後ろのわびしい風景までご紹介しました(^^;)。
しかし、ニッコウキスゲの咲き競う広々とした風景だけを見ていただければ、腐っても車山です(^^;)。壮大で見事で、この一隅を守ってきた方々の努力に頭が下がる思いです。
多くのみなさんは一番見頃な時期のニッコウキスゲを楽しんで帰られたことと思います。
長くなりましたが、前記お含みおきのうえ、来年はぜひ、ニッコウキスゲ初体験を済まされますよう、おすすめいたします(^^)。
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鹿! (こだる)
2015-07-23 09:27:17
いせえびさま
電気柵、ロープの存在など微塵も感じさせない見事なお花の写真、
いつもながら素晴らしいお写真に感動です!
背景の丘や車山もオレンジ色に染まったあのころ、
かっての霧ケ峰に戻れるでしょうか・・
南アルプスの高山植物の自然の花畑も壊滅状態だとか、
今度はこれまで生息していなかった北アルプスにも侵入かと
北アルプスの高山植物が危惧されています。
 静岡や愛知方面からシカに食いつき移動し、南信州にも生息域を
広げてきた吸血鬼ヤマビルもシカノせいです。
沢や林道歩きの多い私には吸血され血まみれになった恐怖があります。


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こだるさま (いせえび)
2015-07-23 10:06:05
ありがとうございます。
シカの被害は、シカを見るのがめずらしく、かわいいと思っている都市部の人はわれ関せずでしょうが、山間部やその周辺の農業を行っている人や自然の生態系への影響は甚大です。
今や、シカの皮を被ったオオカミといったところでしょうね。
ヤマビルがシカに付いて生息域を広げていることは知りませんでした。
私も、銚子川水系で昔、ヤマビルに血を吸われたことがありました。
私は座っていて足を、友人は木の上から落ちてきたやつに、首筋をやられて血が止まらなかったことがあります。
あれは恐怖です。それ以来あのへんはヤマビル怖さに行けません(^^;)。
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はじめまして♪ (ミイ)
2015-07-24 00:42:07
いせえびさま、初めまして♪
こだるさまのところから飛んでまいりました、
風景写真と野の花を撮っているミイと申します。
どうぞよろしくお仲間入りさせてくださいませ。
霧ヶ峰のニッコウキスゲ、今年は二重の電気柵で花が広がっているようですね。
一昨年に行ったときはあまりにみじめな有様で残念でした。
諏訪の友人からも鹿の被害が酷いと聞いてますし、撮影がえりの夕暮れ、
山道などで鹿の群れに何度も遭遇してその多さを感じています。
シカとイノシシ、自然が大事だと言っておれない現状ですね。
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ミイさま (いせえび)
2015-07-24 07:48:34
はじめまして。
車山、あのような状況で残念ですね。
シカの群れと遭遇されましたか。今や、美ケ原などもシカ牧場と化しているようです。
電気柵の風景はガックリですが、もちろん悪いのは頼もしいガードマンの電気柵ではなく、それを作らせたシカですね(^^)。
抜本的な解決策は、異常に増えすぎたシカを、適正な数にまで減らす個体調整(駆除)しかありません。
各地で個体調整が行われていますが、遅々とした進み具合のようです。
こだるさんも書いていますが、何年か前、黄金色の丘陵の中を夢見心地で歩いた、かってのあの霧ヶ峰が帰ってくる日を待ちたいですね。
もう電気柵なんかとっぱらったよ、お役御免だよという朗報が入ったとき、全山にニッコウキスゲがよみがえった霧ヶ峰に、カメラを持って駆けさんじるつもりです。
ミイさんのブログ拝見しました。
すばらしい感性と視点の写真ですね。
さりげなく添えられた句とミイさんの文章もいいですね。
これからもよろしくお願いします。
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