
「ホーキング博士の発言」がきっかけで、
色川武大著「うらおもて人生録」についても記したくなりました。
ちなみに、色川武大は、私の文学上の師匠のひとりです
もうひとりは吉行淳之介。
師匠とはいっても、実際にお会いしたことがあるわけでなく、
私の内心で、親愛の情を抱いているだけのことですが。
この本は、「いかに生きるか」というようなHow To本ではありません。
あくまでも技術論なのだと、筆者は述べています。
この本の中で色川武大は、
<進歩、変革、そういうことが原因して、破滅に達する>
ことを<原理(原則)のようなもの>として捉えています。
基本的にはホーキング博士と同じ趣旨だと思いますが、
ストリップを例にしたりして、その説明が独特で面白い。
結果的に破滅してしまう、これはもう避けられないことだとして、
では、いかにその破滅の時を、先に延ばすか。
地球レベル、特定生物レベル、様々な議論があろうかと思いますが、
まず、人間には、意識的にではなく、本能的に危機を回避させる
能力があるのかもしれません。
ここで、色川武大は映画を例にしています。
<映画はね、作るがわの人たちがそう意識しているかどうか
わからないけれども、ときどき、前に戻るんだね。これがよろしい。>
斜陽と言われ久しい映画産業ですが、どっこい生き延びています。
映画ではありませんが、「冬のソナタ」ブームなんていうのは、
まさにこういった意味での原点回帰なのではないでしょうか。
そもそも、人間には(地球上のあらゆる生物には)、寿命があります。
ですから、個体としては必ず滅びるわけですが、
種を宿し、新たな生命を誕生させ、自然とまた原点に戻るわけです。
しかし、本能にだけ頼るわけにもゆきませんし、どうしたらよかろうか。
ここで色川武大は、相撲の星取を例にして、<九勝六敗>とか、
あるいは<一歩後退、二歩前進>という言葉を使います。
要するに、時にはわざと負ける必要があるし、後退する勇気を持て、
ということなんですね。
<人間なんて、もう衰退期に入っている生き物だから、
進歩だけを考えたらあッというまに破滅だよ>ということ。
色川武大著「うらおもて人生録」についても記したくなりました。
ちなみに、色川武大は、私の文学上の師匠のひとりです
もうひとりは吉行淳之介。
師匠とはいっても、実際にお会いしたことがあるわけでなく、
私の内心で、親愛の情を抱いているだけのことですが。
この本は、「いかに生きるか」というようなHow To本ではありません。
あくまでも技術論なのだと、筆者は述べています。
この本の中で色川武大は、
<進歩、変革、そういうことが原因して、破滅に達する>
ことを<原理(原則)のようなもの>として捉えています。
基本的にはホーキング博士と同じ趣旨だと思いますが、
ストリップを例にしたりして、その説明が独特で面白い。
結果的に破滅してしまう、これはもう避けられないことだとして、
では、いかにその破滅の時を、先に延ばすか。
地球レベル、特定生物レベル、様々な議論があろうかと思いますが、
まず、人間には、意識的にではなく、本能的に危機を回避させる
能力があるのかもしれません。
ここで、色川武大は映画を例にしています。
<映画はね、作るがわの人たちがそう意識しているかどうか
わからないけれども、ときどき、前に戻るんだね。これがよろしい。>
斜陽と言われ久しい映画産業ですが、どっこい生き延びています。
映画ではありませんが、「冬のソナタ」ブームなんていうのは、
まさにこういった意味での原点回帰なのではないでしょうか。
そもそも、人間には(地球上のあらゆる生物には)、寿命があります。
ですから、個体としては必ず滅びるわけですが、
種を宿し、新たな生命を誕生させ、自然とまた原点に戻るわけです。
しかし、本能にだけ頼るわけにもゆきませんし、どうしたらよかろうか。
ここで色川武大は、相撲の星取を例にして、<九勝六敗>とか、
あるいは<一歩後退、二歩前進>という言葉を使います。
要するに、時にはわざと負ける必要があるし、後退する勇気を持て、
ということなんですね。
<人間なんて、もう衰退期に入っている生き物だから、
進歩だけを考えたらあッというまに破滅だよ>ということ。
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