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ごめり語。

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「神の発見」

2005年08月27日 | 読書
自称ブッディストの五木寛之さんと、
カトリック司教の森一弘さんの対話集。

森司教は、カトリックの洗礼の後、
4年近く禅寺で修行していたことがあったそうで、
こういった企画の適任者なのでしょう。
寛容としか言えないような発言が並びます。例えば下記の対話。
五木「素朴な信仰の対象になっているような場所に案内されて行ったとき、
    どうなさいますか。拝みますか。」
森 「そう。敬意を表しますね。」
この会話は、鎮守の森とか氏神様を祭っている場所に案内されたら
どうするかという問いと、その答えです。

さらに続きます。親鸞聖人のファンである五木さんは、
<国つ神など八百万の神を拝んではいけない>という意識がある。
五木「そこに集まっている人たちみんなの気持ちを、逆なでするような形で
    つっぱねる必要はないと思うんですが。」
森 「ないですね。」
五木さんが宇佐八幡宮に行った時、神前での遥拝にとまどったけれど、
結局、二礼二拍一礼をしたという話。

心に沁みる本音が行き交います。
五木「ブッダに如来になってほしくなかった気もするんですよ(笑)
    人間ブッダであってほしかった。」
対談相手が異教徒だからこそ言えることなのかもしれません。
森「こっちを頼らないで、司教など見ないで、神様を見てと言いたいんです。」
こうも言ってます。
森「自分の人生を、根っこで支えてくれるような、自分だけの福音の読みかた
   をもって、祈って、信仰を育てていくことが大切なのではないかと・・・」
この発言は、いきすぎた原理主義への戒めも含んでいるだろうな・・・。

宗教は懐の深いものであって欲しいと思う。
わけのわからない新興信仰の暗躍を包み込んで欲しいと思う。
例えばオウムの事件の時、既成の宗教の組織・団体がその
役割を果たしただろうか?
この本を読んでからというもの、司馬遼太郎を読み返したりして、
再度宗教の勉強をしたりしています。
なかなかいい本だと思います。

著者=五木寛之
対話者=森一弘
平凡社 定価1400円+税
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