ノロの日記

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Long Hot Summer Night

2006-07-15 | 音楽
暑い。

こんなとき、頭の中を流れてくる歌があります。

Jimi HendrixのLong Hot Summer Night。
1968年のElectric Ladylandというアルバムのなかの曲です。

「長く暑い夏の夜」というタイトルですが、実際にテーマになっているのは夏ではなくて、恋人同士のやりとりです。

暑い夏の夜、彼女の所在がわからなくてひどく寂しいジミ。
アニーはどこにいったのだろう。何度も電話をかけるのだけど、誰も出ない。
ようやくアニーが電話に出ると、ジミはせき込むようにして「やあ、元気!?」
アニーは「今すぐ行くわ!」

アニーがくるのでうれしいジミ。

うれしいな!彼女が助けにきてくれる
うれしいな!彼女が助けにきてくれる
うれしいな!彼女が助けにきてくれる
早く助けて!早く!早く!


と連呼しながら曲は終わります。
この「アニー」は、当時イギリスではやっていた自家製麻薬のことだという説もありますが、たまたま同じ名前だというだけのことじゃないでしょうか。

ミドルテンポのロックで、ジミのギターが「歌い」まくります。
曲中、コーラスの部分で、「この暑い寒い夏に、おまえはどこに行ってるんだ?」とアニーの所在を問う箇所がありますが、暑い寒い夏(hot cold summer)という表現はどういう意味なのか?

最初のほうで「この夏の夜は間違いなく暑いのに、おいらの心は冷え切ってる」と歌ってるので、「現実には暑いのに、心の中が寒々しい」、そういう夏。

そういえば、ブルースの古典にThe Sun Is Shiningという曲がありますが、この中でも、「お日さまはまぶしく輝いているのに、おいらの心は土砂降りさ」と歌っている箇所があります。これは彼女にふられて悲しいのに、世界は明るく輝いている、そういう対比を表わしているわけですが、Hot Cold Summerもそのような表現なのでしょう。心と世界、自分と世界とがあわない。せつなさもひとしお。

これらと逆に心と世界がぴったり一致するのがThe Sky Is Crying。「空が泣いている、おいらの心も泣いている」。ずぶずぶに悲しくなります。どちらも同じ人(エルモア・ジェイムス)が歌っていたりするからおもしろい。

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