時代はの変革は凄いと思います。

物販商品販売・
ラクマ・ペイペイ・メルカリ・にも投稿してます。
インスタには動画を投稿してます。

【経済インサイド】「いきなり!ステーキ」来年、いきなり店舗倍増計画 社長の強気戦略の成否は?

2017-10-18 17:51:37 | ブログ

 「いきなり!」の最大の特徴は、1グラム=7.3円からという値頃感のある「量り売り」で注文できる仕組みだ。熱々の鉄皿で客自身が好みの焼き加減に仕上げる趣向で、料理の提供スピードは早い。鉄皿は店員に頼めば再加熱が可能。卓上には特製ソースに塩、しょうゆ、わさびなど、さまざまな調味料が用意され、一口ごとに違った肉の味わいを楽しめるのもうれしい。
 こうしたサービスと商品力が人気を集め、「いきなり!」は4周年を前に伸び続けている。29年度の既存店売上高をみると、8月まで毎月、前年同月比20~30%台のプラスという“快走”が続く。
 これらの取り組みが奏功し、女性や家族連れなどの需要もがっちりとつかんだわけだが、実は、つかんだ客を離さない“仕掛け”がある。
 それは、牛肉の仕入れやフランチャイズチェーン(FC)展開などで海外出張の多い一瀬社長が「航空会社のマイレージサービスをヒントにした」という独自のポイントシステム「肉マイレージカード」による常連客の“囲い込み”だ。1号店開業の半年後に導入した。
 食べたステーキの量(グラム)を「肉マイル」に換算し、累計3000グラム(3キロ)に達すればスタンダードからゴールド、2万グラム(20キロ)でプラチナへと昇格。ランクに応じて各種サービスを受けられ、ゴールドになると来店ごとに生ビールやワインを1杯無料で飲める。
 さらに27年にはカードと連動したスマートフォン用アプリも導入し、会員同士で肉マイルを競い合うというゲーム性も取り入れた。既にゴールド会員は15万人、プラチナ会員は1万人を超えた。100キロ以上食べた「ダイヤモンド会員」も170人を超え、一瀬社長もその一人だ。
 肉マイレージによる囲い込み戦略に加え、「2月の米ニューヨーク出店が大きく報じられ、チェーン自体の認知度が高まった効果も大きい」と一瀬社長は打ち明ける。
 PFSの29年上期(1~6月)の業績は、売上高154億円と前年同期比47%増、本業のもうけを示す営業利益は12億円で2.7倍の大幅な増収増益だった。18年に東証マザーズに上場したPFSは今年5月に東証2部へ市場を変更。8月には東証1部への昇格も果たした。全国で約430店を展開する「ペッパーランチ」も引き続き好調だが、成長を牽引(けんいん)しているのは「いきなり!」だ。
 店舗展開は今のところ直営店が約60%、社員が独立・運営受託した店が約15%を占めている。しかし、別の外食FCに加盟し、地域で多店舗を展開するメガフランチャイジー企業から「『いきなり!』に乗り替えたい」という問い合わせが殺到しているという。
 「厚切りステーキは外食の王様。それを手軽に食べられる独自の業態を編み出したことで、潜在ニーズを掘り起こせた」
 一瀬社長はこう胸を張る。
 来年の「店舗倍増計画」では、新規出店200店のうちFCが120店に上る予定。また、現在の店舗立地は首都圏が中心だが、FC展開の加速により、来年以降は地方のロードサイド(沿道)店が一気に増える見通しだ。
 糖質摂取を制限する健康法の定着や、高齢者のタンパク質不足による骨や関節、筋肉などの運動器の衰え「ロコモティブシンドローム」(運動器症候群)の理解の深まりも“肉食”への追い風となっている。
 「ペッパーランチも含めて、国内1000店は射程に入った」(一瀬社長)というPFSの勢いは止まりそうにない。
 「まだ『いきなり!』業態がなかった5年前は、コラボを申し込んでもつれないあしらいだった」
 ある古参幹部は感慨深げにふり返る。今でこそ絶好調のPFSだが、「ペッパーランチ」では19年に大阪市内の委託店で店長と店員による不祥事が発生。21年には複数の店舗で食中毒が発生して客足が遠のき、倒産の危機にまで陥った。
 業績回復の一助にしようと24年、ある菓子メーカーにコラボ商品の企画を持ち込んだが、色よい返事は得られなかったという。
 「社員を路頭に迷わせるわけにいかない」
 一瀬社長は逆境に負けられないと奮闘し、同年に黒字転換を果たす。
 今や、「いきなり!」は「コラボしたいチェーンのナンバーワン」(食品メーカー関係者)とまでいわれる。
 大手コンビニエンスストア「ミニストップ」は、昨年12月に「いきなり!」監修のステーキ弁当など5商品を期間限定で発売。「いきなり!」監修の冷凍食品「ビーフガーリックピラフ」を今年3月発売した日本水産は、スーパーなどの引き合いが殺到して生産態勢の増強を迫られた。
 今秋以降はスナック菓子とのコラボも相次ぐ。ジャパンフリトレーは特製ソース味の「いきなり!ステーキコーンスナック」など2商品を、おやつカンパニーは「ベビースタードデカイラーメン(いきなりステーキ味・わさびガーリック味)」を売り出す。
 ジャパンフリトレーの岩崎直哉社長は「『いきなり!』の店舗拡大と歩調を合わせ、スナックのヒットにもつなげたい」と期待する。「いきなり!ステーキ」の快進撃はどこまで続くのか。(経済本部 山沢義徳)
 一瀬邦夫氏(いちのせ・くにお)昭和17年、静岡市生まれ。東京都墨田区で子供時代を過ごし、高校卒業後、東京・赤坂の山王ホテルなどでコックの修業を経て45年に独立、「キッチンくに」を開業。平成6年からフランチャイズの低価格ステーキ店「ペッパーランチ」を展開し、7年に運営会社のペッパーフードサービスを設立、社長就任。25年から長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」の飲食部門顧問も務める。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿