本物のお金持ちは普段何を食べているのか
シンガポールでの一般的な昼食はこんな感じだ。野菜2品と肉1品とご飯、スープの定食、といったところか(写真:筆者撮影)
ファイナンシャルプランナーの花輪陽子です。アメリカ市場をはじめとする株高などによって、富裕層といわれる人たちの資産は年々増え続けています。特に、昨今、その存在感を示しているのがアジアの富裕層です。
ボストンコンサルティンググループの「2018年版グローバルウェルス・レポート」によると、金融資産に占める富裕層の保有金融資産の割合が、2017年には50%に迫っています。しかも、家計が保有する金融資産を、「投資可能資産」(株や債券、現預金など)と、流動性の低い「非投資可能資産」(保険、年金、非公開株など)に分けたところ、前者の割合はアジアや中東で高いことがわかりました。お金持ちはセレブエリアで、どんな食事をしているのか
私が住んでいるシンガポールには、国土が狭いにもかかわらず、アジアの富裕層がたくさん集まっています。中国やインドから来た富裕層が多いのですが、彼らの投資手法やライフスタイルには本当にたびたび驚かされます。こうした富裕層は日々、インスタ映えするような高級レストランで食事をし、豪邸でパーティざんまいなのだろうと思われるでしょう。しかし、実際はそんなことはありません。特に、食事は一般人と変わりなく、びっくりするくらい質素です。
では、富裕層といわれる人たちが普段どんなものを食べているのかを、私の実体験からお話しします。
大邸宅が並び、一戸当たりの不動産価格が数十億円ともいわれるシンガポールのセントーサ・コーブ。以前も少しだけお伝えしましたが、セントーサ島内にある、ケタ外れのセレブだけが居住するこのエリアは、クルーザーがズラリと停泊していたり、高級ワインがぎっしり並んでいる大型セラーのあるお店が点在していたり、まさに別世界です。シンガポールは一戸建てが少なく、国土の8割が国有地のため、長期の借り受け契約が一般的です。ところが、セントーサ・コーブは外国人が唯一、一戸建ての購入ができるエリアなのです。
そんなセントーサ・コーブの3階建てで暮らすアジア人富裕層のご自宅に招かれ、夕食を何度かともにしたことがあります。その食卓は意外なほど質素でした。もちろん、何か意地悪をされたわけではありません。メード(使用人)さんが作った野菜のパスタ、野菜炒め、スープの3品に水のみで、別の日も同じようなメニューでした。突然、夕食をご一緒することになったので、家族の夕食を分けていただいたのですが、普段は本当に質素な暮らしをしているようです。
また、セントーサとは別で、ブキティマという広い豪邸が多く立ち並ぶ、古くからのお金持ちが住む地区があります。『クレイジー・リッチ・アジアンズ』(邦題:クレージー・リッチ!)というシンガポールを舞台にした映画が日本でも話題になりましたが、映画で出てきた、「主人公の友人宅」のような広い豪邸がそこかしこにあります。
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