元旦の朝ごはんに“コンビニの菓子パン”ってありですか?

年の瀬せまる今日このごろですが、みなさん、お正月はどのように過ごされる予定ですか?
おめでたい一年の幕開けですし、この日ばかりは、いつもより少し豪華な料理に舌鼓を打ちつつ、家族団らんでのんびり過ごしたいものですよね。
けれど最近では、さっと空腹だけ満たして食事完了の人もいるんだとか。
日本の家族の破滅する食習慣を浮き彫りにした『普通の家族がいちばん怖い』(新潮社)では、元旦の朝、ひとりで菓子パンを食べる子どもの姿が描かれていましたが、もしかしてそれって、今やフツーのことだったりするのでしょうか?
そこで今回は、主婦100人に「正月の食事情」について聞いてみました。
元旦の朝食に「コンビニの菓子パンのみ」ってどう思いますか
あり 16人
どちらとも言えない 23人
なし 61人
やはり、「なし」と回答する人がほとんどでした。けれど、この不景気の日本において「どちらとも言えない」という意見があるのも当然のこと。
早速、回答別に詳しい理由を紹介いたします!
あり派・・・16人
▼事情があるから仕方ない
・「おせちを用意する時間や、お金がない人はしょうがないと思うし、仕方ない」
・「仕事がある日だったら、お正月とはいえ、あり得ると思う」
▼朝はのんびりでいいし、しっかりした食事はみんなが集まってからでいい
・「別にいいと思う。31日は夜更かししているし、元旦の朝はラクしてもいいでしょう」
・「夜にご馳走を食べることが前提ならば、全然かまわないと思います」
・「1年の最初のご飯だけれども、みんなでおせちを食べたりするまでのつなぎとしては菓子パンでもいいと思う」
▼イベント優先もあり
・「初日の出を見に行ったり、初詣に行ったりと、正月はイベントが盛り沢山なので、コンビニの菓子パンのみでもいいと思います」
・「元旦は初詣のために朝早くに出かけて行くので、車で食べやすいからいいと思う」
・「福袋目当てで早朝から並ぶ場合は、コンビニの菓子パンになると思うので」
確かにお正月は、初詣、バーゲン、福袋並び…などと、思いのほかやることが沢山ありますよね。そう考えると、朝ごはんはサクッと済ませて、昼や夜ご飯に家族みんなで美味しいものを食べるというのが現代的なのかも。
どちらともいえない派・・・23人
▼事情があるならしょうがないのでは
・「どうしてだろうとは思いますが、その家の人に聞かないと理由はわからないので、何とも言えません」
・「人それぞれ事情があるので、一概になしとは言えないですね」
・「ちょっと悲しい気もしますが、色々な事情があるのではないかと思います」
▼本人が食べたいものを食べたらいい
・「本人がよければいいと思う。食べたいものを食べればいい」
・「私の家では考えられないけれど、友達の家では、家族で初日の出を見ながらコンビニのおにぎりや菓子パンを食べると言ってました」
▼元旦くらいは手抜きもいい
・「普段頑張っている人が、“元旦くらいは”と手抜きするのはアリだと思います」
お雑煮やおせち料理は、古くから日本のお正月の食べ物とされてきましたが、今と昔は食文化も大きく変わりましたし、一概にそういうものを「食べるべき!」とするのも無理があるのかも。それに、やっぱり多くの回答があった「人それぞれに事情があるのでは」という意見が、今の日本では一番しっくりくる理由なのかも。
なし派・・・61人
▼正月らしいものを食べるべき
・「おめでたい元旦の朝くらい、正月にしか食べられないものを食べたい」
・「お正月はお正月らしい朝ご飯がいいかなと思います。ラクをしたいなら、お餅を焼くだけでもお正月らしくなるし」
・「せめて元旦の朝くらいは、おもちを食べたいものです。いちおう一年の始まりの節目です」
・「一年の始まりの日を迎えるにふさわしくないと思うので、なしだと思います。けれど、元日から仕事の人もいるので個人の事情はくむべきと思う」
▼栄養面が心配
・「栄養が偏ると思うので、スープとサラダはつけた方がよいと思います」
・「栄養的に糖分と脂質が多いので、菓子パンはよくない。わが家でも買っただけのものが多いけど、牛乳+バナナとかヨーグルト+フルーツ、コーンフレークなどにしている」
▼おせちじゃなくてもいいから豪華なものがいいと思う
・「たとえ独身だとしても、『それはないでしょ! 』という感じ。同じコンビニのものでも、もうちょっとましな“幕の内弁当”なんかにしてほしいです、せめて」
▼家族がそうだったらと思うと切ない
・「元旦は家族でおせち料理を囲むというのが我が家の風習になっています。ただ、東京の大学に行っている息子は正月も帰ってこないので、元旦の朝ごはんがコンビニの菓子パンだとしたら母としては悲しいなと思います」
▼実際、自分が体験してイヤだった
・「旦那の実家に帰省した初めてのお正月に、私も“朝ごはんが菓子パン”を体験しました。まだ1才の子どもがいるのに、日本の文化を教える意味でも、簡単でいいから用意できなかったのかなと不信に思いました」
もっとも多かった「なし派」の理由には、お雑煮やお餅を用意するのが難しい場合も、ハレの日にふさわしいごちそうを食べるべきという意見が多数ありました。
「お正月=おせち料理・お雑煮」というのは、もちろん多くの日本人に刷り込まれている認識。けれど、それは義務ではないので誰も批判することはできませんが、それぞれの人が“一年の始まりの日”をそれぞれに思いながら、心穏やかに元旦を過ごすことが一番かなと思いますよね。
文/松本玲子