街を歩けば、金木犀がほのかに香ってきますね。秋も深まってきてます。
文化の郷、日本庭園の台柿が今年もたわわに実をつけています。
一見すると富有柿に似ていますが渋柿で、ヘタのまわりが円座のように盛り上がっていることから「台(だい)柿(がき)」と呼ばれています。
台柿には種がないので、接ぎ木で増やすしか方法がないのです。熟すとやわらかく、舌触りがよくとてもおいしくなります。
台柿にまつわる逸話をご紹介しましょう。
1829年、漢詩人・学者として有名であった頼山陽(らいさんよう)が、同じく学者の篠崎小竹(しのざきしょうちく)、画家の田能村竹田(たのむらちくでん)や
高橋草坪(たかはしそうへい)らと箕面の紅葉狩りをかねて伊丹へ来遊しました。
当時、伊丹銘酒として知られた「剣菱(けんびし)」の醸造元坂上桐蔭(さかがみとういん)家で酒宴が開かれ、その席にみごとな柿が供されました。
みなそのあまりの美味に驚くとともに岡田家の庭にあるだけの大変珍しい柿だと聞き、各々の感じたものを詩文や画に託したのです。
以後、岡田家の当主は「柿園(しえん)」・「柿陰(しいん)」など柿に由来する雅号をもち、岡田利兵衛は「柿衞」と号しました。
文庫の由来となった柿の木は、今はもう見られませんが、接ぎ木をして二世の木が移植され、毎年実をつけています。
秋空に伸びる台柿の木を仰ぎ、愛でてみませんか。
≪お知らせ≫
※11月1日(火)より、Free Wi-Fi サービス「Itami Free Wi-Fi」の提供を、旧岡田家住宅・酒蔵、旧石橋家住宅で開始いたします。
〈伊丹市立工芸センター〉下記の通り展示会を開催します。
・「2016 伊丹クラフトフェア」を、10月29日(土)~11/6日(日)
・「不華篆会習作展」-〈月〉字をデザインして生活の中に書・篆刻- 10/28(金)~30日(日)
・「家具工房 榎栞 木の家具展」11/3(木)~6日(日)
~~~伊丹市立伊丹郷町館~~~
旧岡田家住宅・酒蔵<重要文化財>
旧石橋家住宅<県指定文化財>
兵庫県伊丹市宮ノ前2-5-28
電話:072-772-5959
10時~18時開館(入館17時半まで)
月曜休館(月曜が祝日の場合翌日)
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