「これだけ頑張って作ったんだから、絶対今年中に出す!」 TAKUROは、怒りを露わにして井ノロに食ってかかった。
「ダメだ。アルバムをリリースする前に、もう1枚シングルを出すんだ!」 井ノロも頑として譲らなかった。この頃、GLAYと井ノロは、秋にリリースする予定だったアルバム「BEAT out!」を巡って激しく対立していた。
井ノロには考えがあった。次第に巨大化してきたGLAYと . . . 本文を読む
1996年2月29日、「BEAT out!ツアー」初日。
相変わらず定刻より前に集合したメンバーは、ニットの帽子、コート、厚手のセーターと、まだ冬の装い。このツアーの終わる頃には少しは暖かくなっているのだろうか。
前日がオフだったという彼らは、交互にJIROのカメラをのぞいたり各々飲み物を買いに走ったりと、まだ普段のままのようだ。どうやら遅刻をしたらしいD.I.E.を残し、全員 . . . 本文を読む
1996年3月29日、札幌市民会館。今日は、2月29日から始まった「BEAT out!ツアー」の最終日。
ステージを見に行ったTAKUROは、小楽屋で見つけたアコースティック・ギターを弾いていた。その裏では、HISASHIがスタッフに激しく食い下がっていた。
●客席から登場
「い・や・だ!」
ソロ・コーナーで客席から登場するというのを「危ないのでは?」と心配するスタッフ . . . 本文を読む
1996年9月6日朝。
武道館は追加公演となるため、8月16日から始まった「BEAT out! repriseツアー」の最終日ともいえる北海道厚生年金会館へと旅立つ6人。だが、これまで培ってきた自信がそうさせるのだろうか。ラストだという気負いも感じさせず、むしろリラックスした様子で集合してくる。
このツアーで、ほんの隙間の時間を見つけてリラックスに充てるという術を身につけた彼らは . . . 本文を読む
1996年9月9日、「Beat out!repriseツアー」で組まれた追加公演。
日本武道館に到着した4人は笑顔で挨拶をして楽屋に荷物を置き、その足で会場を見に行く。360度客を入れるため後ろの大階段がなくなり、代わりに1階席に届くほどの渡りが左右に延びている。
「広いね。プレッシャーを感じる隙がないほどワクワクしてる」(TERU)
●立場が逆になった
15時からリハー . . . 本文を読む