夏が終わろうとしている。
今年の夏も、全国各地で夏フェスを始めとするいくつものコンサートが行われた。何日間にも渡り、たくさんの出演者が登場し演奏を競い合うものから、テーマ性に沿ったものまで、多様なライブが展開された。
ただ、ひとつのライブが持っていた人間的なドラマや音楽的な意味合いにおいて、あの二日間に敵うものはなかったのではないだろうか。
それはわずか二日間のステージだった . . . 本文を読む
氷室京介とGLAY――。
もちろん、氷室京介の方が先輩になる。彼が日本のロックバンドの革命的存在だったBOOWYを解散して、ソロ活動に踏み出したのが1988年。その年、高校生でバンドを結成したのがGLAYだった。
彼らのバンド結成に大きな影響を与えていたのがBOOWYだったことは、説明の必要もないだろう。つまり、ソロになった氷室京介とGLAYは同じ時間を歩いてきていることになる。 . . . 本文を読む
予告通り、休憩時間はなかった。
客席にざわめきが広がる中で、スモークに包まれたステージがゆっくりと回転し、後ろからもう1つの別のセットが登場した。スクリーンには神秘的な映像とKYOSUKE HIMUROの文字が映し出され、どこか不穏なSEのボリュームが上がった。
客席の手拍子が大きくなり、それが歓声に変わる。
●KING OF BEAT
下手から右手を挙げて登場したのが、 . . . 本文を読む
二日目の客席は、氷室ファンの割合が多かった気がした。とはいえ、一般的な対バンとは性質が違う。それぞれのファンに対してのステージでの誠実な姿勢は、お互いへのリスペクトの表われのようだった。
二日目「誘惑」を終えたTERUは、マイクを通さず「気持ちいい!」と叫んでからこんな言い方をした。
●ここに辿りつくことが出来た
―― 氷室さんのファンの方々、皆さんが氷室さんを支えてくれてき . . . 本文を読む
「ANSWER」の話をしなければならない――。
そのシーンが現実になったのはアンコールになってからだ。スクリーンにそれぞれの軌跡をダイジェストでまとめたイメージフィルムが流される。そうやって別々の道を歩いてきたお互いが、今日、ステージを共にする。
映像には、そんな意味合いが感じられた。
●自分たちのロックの答え
イントロが流れる。手拍子が広がっていく。悲鳴のような歓声の中 . . . 本文を読む