毎日が矢のように過ぎ去る。目まぐるしく、それでも充実した毎日だ。
私の棲む集落では、夏至の日にお宮さんに集まる習慣がある。もちろん、私は初めての参加だったのだが、「一年で一番日が長い夏至の日に、太陽に感謝をする」のだそうだ。
私は感激した。集落と言っても、私を含めて6人。私以外は全員が65歳以上だ。
とりとめのない話を、お互い名前で呼び合いながら続ける。みんな穏やかな表情をしている。
時折、私の方へ話が振られる。私も穏やかに対応する。
ゆっくりとした時間の流れだ。目の前の田んぼには蛍が数匹飛んでいる。
静かで、ひんやりとした山あいの集落に身を置いて、私はすごく幸せだ。
ネイティブの人たちにとって、夏至は特別な日であり、その理由がお天道様に対する感謝の気持ちなのだそうだ。
ネイティブ・アメリカンも、エスキモーも、イヌイットも、アイヌも、古来の日本人(ネイティブ・ジャパニーズ)も、みんな「地球に暮らす普通の人たち」なのだと、自分の家の隣にあるお宮さんの壊れかけた縁側で、私は宇宙に想いを馳せながら、地元のおじさんたちと酒を酌み交わした。
こうやって、少しづつ、私はこの土地に馴染み、私自身が本物に近づいていくのだろうか。
最近、まるで約束されたような出会いが続いた。その話はまた。