先日、エコブランチさんへ配達した樫の炭。使って下さっているのは、東京の方。
鶴田さんのご配慮で、直接話をさせてもらった。とても優しい感じの方だった。
普段の生活を炭火で過ごされているそうだ。そんなお客様から、炭火で焙煎したコーヒーを頂いた。なんて素晴らしい事なのだろう。私なりに、精魂込めてやいた樫炭だ。どうやって使ってもらっているのか、興味がある。
その樫が生えていた場所は知っている。私が運んだ樫だ。枝も上木で使った。
奧矢作で何十年か生きてきた樫の木が、鶴田さんのご縁で東京へ行き、素晴らしい方に使ってもらっている。
それが判っただけでも嬉しいのに、お客様からプレゼントを頂いたのだ。
炭やき職人として、こんなに嬉しい事はない。真面目にやってて良かった。
口先だけの奴らが幅を効かせるこの世。そんな腹黒い人たちとのやりとりも我慢して、誰も見ていないところでこそ、頑張ってきて良かった。
しっかりと焙煎してあり、コクがあるのに、優しい味だ。私は酒を飲まない。その代わり、コーヒーには拘っている。
ドリッパーは円錐形。これが美味い。豆が届いた夜、すぐに淹れてみた。
焙煎したての豆は、ミルで挽いた瞬間に香ばしい香りを放つ。うん。この匂い。幸せだ。
炭やきを続けて良かった。美味いコーヒーを飲みながら、心底そう思った。
一人では何もできない。一人では始まらない。いろんな人のおかげで、お世話になって、私でも少しは役に立って、そんな関わりの繋がりでみんな生きている。自分のできる事を、もう一度、きちんとやり遂げよう。
そんな魂の声が聞こえてきたようだ。