炭やきは地球を救う

脱サラして10年。炭やき・木こり・木挽きを生業としています。

ふと考える・・・

2005-12-29 | 環境問題 地球を救う真面目な話

「地球を救う」・・・自惚れた言葉です。私たちが地球を救える訳がない。人間ごときにこの母なる大地を救える力は無いのです。本当に地球を救えるのは、地球そのものの再生能力だけです。

そんな事は初めから充分にわかっていました。それでも、地球を何とかしなければならないという心の声は日に日に大きくなるばかり。「地球を救う」事になるのはきっと、私たちの子孫の時代でしょう。

私が今できる事は、先人たちが冒してしまった、自然の摂理から離れ歪んだ山林の実状を、少しでも元に戻す事。地球自身の再生能力の手助けをするだけ・・・

具体的には炭を焼いてCO2を固定化する事ぐらいです。炭を焼く行為の中には、もちろん森林再生を含みます。人工林の整備はもちろん、私が挑むのは里山の復活。

足助の炭やき名人梶さんも同じ考えでした。一人一人の力は大した事無い。しかし、都会に暮らす人々の、山に対する意識を変えていく事によって、未来は明るい。

そして私の憧れる「マタギ」の考え方はこんな感じです。

樹木には木魂が宿り、生物には霊が宿るため、この天地自然を守り支えるのは「山の神」であり、峰々渓谷には神が宿るという山岳信仰を継承してきた。特にマタギ達は「自然のものは全て山の神が支配するもので、山の恵みは全て山の神からの授かりもの」として山の神を敬い祭りました。
 今でいう自然保護の掟を破ること、山を汚すことは神を冒涜することであり、受難につながるとして安全と健康を祈願しました。従って入山行動の始まりには、山の神の保護と豊穣を祈願する拝礼を行い、終了時に感謝の拝礼を行なって自然と人間の共存共栄を喜び合ってきた。

そのとうりですね。全く、異論はありません。全てのモノに神が宿るというインディアンの考えにも通ずるものがあります。

無宗教だが信心深い。私もそうありたい。

山で仕事をする時は、山の神に感謝しながら萌芽更新を促すような伐り方を絶えず考える。大切なのは必要以上に伐らない事。来年の事を考え、必ず残す事。

長い目で見て、それも「地球を救う」事につながるはず。自惚れたこの言葉を敢えて使って、一歩ずつ進んでいこうと思います。


窯が完成

2005-12-27 | 環境問題 地球を救う真面目な話

足助の窯が完成した。土天井の素晴らしい窯である。

屋根掛けも終わり、初窯となる焚きも終了。窯出しは来年の1月8日。ワークショップに来て下さった方とともに窯を開け、中身を確認する。いい炭にはなっていないと思う。3~4窯焼かないと窯が落ち着かないからと聞く。

Img_1252

この窯で、梶さんの炭やき技術を継承していく為の修行が始まった。

私の男を賭けてやり遂げる仕事がまた一つ増えた。望むところである。


窯打ちはまだまだ続く

2005-12-16 | 環境問題 地球を救う真面目な話

足助の窯打ちは毎日続いています。

もちろん、私は毎日通っています。そして、毎日梶さんの知恵に感激。

土日で行われるワークショップに向けての準備もほぼ完了。

土天井の型を細かく刻んだ木で作りました。

IMG_1179


通うほどに足助の地に惹かれていきます。

さて、明日も頑張って働いてきます。

日曜日には、火入れ式ができるはずですから・・・・



素晴らしい人

2005-12-12 | 環境問題 地球を救う真面目な話
足助の窯打ちは毎日続いています。

そして、毎日毎日、名人梶さんの知恵には感激です。

梶さんは、知恵・知識・技術・人格・男気・優しさ・・全て持った方です。

特に昨日の「ウド「」を作る技には感激した。私の一生の宝となる知識が身についた思いがします。

「ウド」は「クド」とも呼びます。「煙道」と書きます。読んで字のごとく、煙が通る道。煙突の事です。

私も豊根の窯の「ウド」を作りましたが、先に梶さんと出会っていれば、もっといい窯ができていたはずです。


単に炭やきの技術だけでなく、梶さんのしておられる事は、いわゆる「世のため、人のため」。

足助という土地を愛し、その素晴らしさを都市部の人に伝え、実際に受け入れている。

山仕事や炭やきに関する話も面白いですが、梶さんの地域を愛する思いが素晴らしい。

そして、その山を愛する気持ちは、そのまま地球を愛し、守っていこうという行動に繋がっている。

地球を守る防人にまた、出会えた。

私も襟を正し、素直に学びたい。

梶さんと出会い、私とは次元の違うスケールの炭やきを見せてもらい、私は益々この「火の文化」を継承し、伝えていかねばならないと強く思った。

自分自身のスタイルを確立し、それを伝承していく事が私の本当の仕事である。

そんな決意を新たに、胸に宿った炎が一段と明るさを増した実感。

世の中、素晴らしい人がまだまだいる。捨てたもんじゃない。

毎日、足助でしみじみ思っています。




雪が積もり・・・

2005-12-06 | 環境問題 地球を救う真面目な話
豊根の窯は、雪が積もってきました。電池切れで写真を撮れませんでしたが、さすがに標高680mの長野県境は寒いです。

日曜日には師匠と額田町へ行き、CWニコルさんの話を聞いてきました。

日本人よりも、日本の原風景である里山を愛している方ですね。黒姫の自然を守る為に日々戦っていらっるようです。

興味深い話は、やはり生態系ピラミッドに関する事。黒姫には熊がいるそうです。まあ、熊が生息して繁殖できるという事は、ピラミッドができている証拠な訳で、豊かな森林が熊の餌の餌の餌を育てているという事ですね。
天気が悪く、おおだの森への炭置きは中止でしたが、一般の参加者が多い状況では仕方ありません。

さて、明日から足助で土窯を打ってきます。薪炭プロジェクトの一環で、「足助土窯打ちワークショップ」を行う手伝いです。

我が師匠の遠い親戚にあたる梶さんという足助の炭やき名人の山に拵えます。

一般の方も参加できるはずです。連絡先は調べてきます。場所は香嵐渓より少し名古屋寄りの山の中。

天井まで土で作る本物の土窯。作り方は梶さんが指導してくれます。私はひたすら作業するだけ。

しっかりと記録する事も私の仕事です。