ふとしたこと

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竿袋のデコレーション

2015年02月07日 14時26分03秒 | 皮細工

 

1月の中ごろになって、なんとか完成形に近づいてたようだ。

しかし、竿袋にデコレーションを施さないと

完成とは言えなかった。

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竿袋のフタの部分へ線象嵌したアクセントをくっつけようと

彫金で悶えてた。

それもなんとか赤銅地金に銀線が打ち込めたので

これを着色しようと。

一年ほど煮込み着色はしてなかったので

改めて煮込み液を作った。

緑青を主体とする古くからある薬品を調合して

60度ほどの湯温から煮込み始める。

そこから温度を上げていって沸騰直前の状態で30分ほど煮込んだ。

赤銅というのは銅95%に5%ほどの純金を入れた合金であり

緑青液で煮込む前は普通の銅とまったく変わらない10円玉の色。

でも、それを煮込み着色すれば・・・

漆黒に変色する。

正しい赤銅の色というのは濡れ燕色のことである。

”赤銅色に日焼けした腕・・・”なんてことが小説なんかに出て来るが

あれは嘘で、どんなに日焼けしたってこんな色にはならない。

たぶん、作家さんが赤銅の煮込み着色の色を知らないからであろう。

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これをハギレの革を掘り込んで

革に埋め込んだ。

さらにハギレ革を竿袋のフタに縫い合わせる。

こんな具合。

な~んだか

これでは寂しいなあと思って

手元にあった毛鉤をくっつけてみた!

う~む。

渋いぞ。

何を隠そう

実は線象嵌した銀線は毛鉤釣りの糸の動きを

象徴して表したかったんだよね。

となれば・・・

何処かに毛鉤が無くてはならないのは

当然の帰結なのであった。

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これで竿袋のデコレーションも終わり

いよいよ暖かくなって渓魚が毛鉤を追う季節になるのを

待つばかりである!

これからは毛鉤を巻いて気を練るのぢゃ。

「竿袋のお話」はこれにておちまい。


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