1月の中ごろになって、なんとか完成形に近づいてたようだ。
しかし、竿袋にデコレーションを施さないと
完成とは言えなかった。
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竿袋のフタの部分へ線象嵌したアクセントをくっつけようと
彫金で悶えてた。
それもなんとか赤銅地金に銀線が打ち込めたので
これを着色しようと。
一年ほど煮込み着色はしてなかったので
改めて煮込み液を作った。
緑青を主体とする古くからある薬品を調合して
60度ほどの湯温から煮込み始める。
そこから温度を上げていって沸騰直前の状態で30分ほど煮込んだ。
赤銅というのは銅95%に5%ほどの純金を入れた合金であり
緑青液で煮込む前は普通の銅とまったく変わらない10円玉の色。
でも、それを煮込み着色すれば・・・
漆黒に変色する。
正しい赤銅の色というのは濡れ燕色のことである。
”赤銅色に日焼けした腕・・・”なんてことが小説なんかに出て来るが
あれは嘘で、どんなに日焼けしたってこんな色にはならない。
たぶん、作家さんが赤銅の煮込み着色の色を知らないからであろう。
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これをハギレの革を掘り込んで
革に埋め込んだ。
さらにハギレ革を竿袋のフタに縫い合わせる。
こんな具合。
な~んだか
これでは寂しいなあと思って
手元にあった毛鉤をくっつけてみた!
う~む。
渋いぞ。
何を隠そう
実は線象嵌した銀線は毛鉤釣りの糸の動きを
象徴して表したかったんだよね。
となれば・・・
何処かに毛鉤が無くてはならないのは
当然の帰結なのであった。
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これで竿袋のデコレーションも終わり
いよいよ暖かくなって渓魚が毛鉤を追う季節になるのを
待つばかりである!
これからは毛鉤を巻いて気を練るのぢゃ。
「竿袋のお話」はこれにておちまい。
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