最初に感じたのは
革というマテリアルに対する考え方でした。
人間がカバンや財布、バッグなんかの素材として使う革というものは
革だけのために作られたものではない。
あくまで食材として死んでいった動物たちの一部を頂いて
使わせて貰っているんだという謙虚な態度です。
革への熱いマナザシと動物への敬意が感じられました。
当然
素材を無駄に使ったりしないんですね。
自分なんかは失敗した財布なんかその辺に放り出して見向きもしない。
こういう心根ではバチが当たろうというものです。
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どの作業を取ってもそれを支えている革の特徴への深い理解があってこその技法も
見事としか言えませんでした。
革細工というのは革が持つ可塑性と弾性の二面を活かした工作であるとも言われました。
革を縫う点に於いても
オイラがおぼろげにしか知らなかった論理に基づいています。
殆ど独学でしかないオイラの革仕事も
そうやって原理的なことから教えて頂くと
な~るほど!!と膝を打つことばかりでした。
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本職の方が使ってる道具類も手に取って拝見しました。
無駄な道具が殆どない極めてシンプルな道具類です。
ここでも
な~る!!の連続です。
今までに3回はトライして失敗ばかりしているロング・ウォレットの
製作上のポイントを何か所も教えて貰いました。
・革の硬さ
・ラウンド部の曲率
・どの部分から縫い合わせるべきか
縫い穴の空け方
などです。
僅か2時間弱で小物を作るかたわら
色んな質問に答えて頂きました。
本当にありがたかったです。
教えて頂いたことを消化するのが大変な暑い夏になりそうです。
正しい性根をもって臨みたいものです。
正しい心根を持った職人さんたちが幸福に生活出来る世の中、政治の在り方を望みます。