あんぬんつぃ ジャルディーノ

イタリアとイタリア語に関するちょっとした情報、旅行記です。

名古屋の新しいイタリアンカフェ

2012-01-14 11:43:16 | お知らせ
ジャルディーノで会話クラスを担当してくれているジェルマーノが
千種駅近くにカフェをオープンしました。

昨日は内覧会でしたが、多くの人がお祝いに来ていました。
カプチーノ、ワイン、前菜、手作りのティラミスなどご馳走になりました。

今日から通常営業を始めるそうです。

まだ内装も完了せず、看板なども整っておらず、忙しいそうですが
新しい生活のスタートをきった姿は輝いているように見えました。

ぜひご興味のある方は足をお運びください。

Caffe’ Maggiore

名古屋市千種区今池2-1-16
電話 052-753-7878


今月のメルマガ 2012年1月

2012-01-11 18:52:07 | 今月のメルマガ
みなさま、今日は。

新しい年を迎えました。
どうぞ今年もよろしくお願いいたします。
みんなが幸せをかみ締めることの出来る一年になることを期待しています。

ジャルディーノの会話クラスを担当してくれているジェルマーノが、新たにカフェを始めることになりました。
彼の出身地、北イタリアの地元の湖、マッジョーレ湖から名前を取って
『Caffe’ Maggiore』と名づけたそうです。

千種駅から徒歩5分
名古屋市千種区今池2-1-16 電話 052-753-7878

正式なオープンの日時はまだ聞いていませんが、プレオープンとして
1月13日(金)の午後2時~7時まで営業開始をすることになっています。
当初はドリンクだけで、後々はパニーノ、ランチなどもやってゆきたい
とのことでした。
人気のお店になることを期待しています。
奥さん(日本人)と二人で交代しながらお店に出るそうです、
彼は、日本語を話さないつもり(?)だそうですから、
彼がいる時間帯にはイタリア語の会話体験も出来そうですね。

< 目次 >

◇ イタリアのお祭りと伝統
◇ JIJI-Milano
◇ イタリア旅行記 北イタリア編

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◇ イタリアのお祭りと伝統 ◇

生兵法(なまびょうほう)という表現があります。
生半可な知識があっても、未熟さを抜け出せていない状態を示します。
この生兵法で実践に臨めば痛い目をみることが必然というわけです。

どこかの国の政治も、まさに生兵法、そして痛い目を見ているのが国民という
状況ですが、政治批判をする前に、自分自身のことを戒めなければならないと
常日頃感じています。

先日、ジェルマーノの会話クラスの中で話題に上ったことで、実は全く
知らなかった、いや、勝手に思い込んでいたことがありました。

新年早々に取り上げるのに相応しい、楽しい話題なので紹介したいと思います。

先ずはカーニバルの話題から
始まりは『ヴェネツィアのカーニバルはそんなに有名ではない』という
ジェルマーノの言葉からでした。

カーニバル、イタリア語ではcarnevale、日本語では『謝肉祭』とも
訳されています。
イタリア語の成り立ちは carne(肉) + levare(取り上げる)と辞書に
説明されています。

何故に肉なのか?その答えは、これはキリスト教の祝祭に起源があることを
知らなければなりません。
カーニバルは移動祝日です。移動祝日というのは、日にちが定まっていなくて、
毎年異なっている祝日です。

カーニバルはPasqua(復活祭)と連動しているのです。
その日程は四旬節(quaresima)の直前で、教会が決めるそうです。

四旬節は復活祭前の40日間で、キリスト教の教えを忠実に守るとするならば、
その40日間は肉断ち(さらには断食も)をすることになります。
肉断ちの期間を目の前にして、思い切り肉(ご馳走)を食べて、陽気に過ごそう
というのがどうもカーニバルの生まれた背景のようです。

カーニバルに関して、このような諺があります。
A carnevale ogni scherzo vale. カーニバルではどのような悪ふざけも
有効である(許される)
最後にvalereの活用形のvaleを使っているのは、carnevaleという単語と韻を
踏ませるためだと思います。

この諺に見るように、厳しい冬を越して、春を迎える矢先、再び肉を断つ
(贅沢を戒める)節制の期間がやっている前の憂さ晴らしの祭りだったのでしょう。

復活祭は、イエスキリストが十字架について肉体が死んだ後に、
蘇った(復活)ということに起源があります。

赤ちゃんとして誕生したクリスマスと、
蘇り、復活したPasqua(復活祭)がキリスト教の二つの大きな基準日に
なります。

復活祭の日程はこのようになっています。春分の日を迎えた後に、最初に満月に
なった日の、次に迎える日曜日にお祝いをします。

春分の日の翌日に満月になったとしたら、復活祭は3月の末頃、カーニバルは
二月の初旬か中旬になるでしょう、逆に、春分の日の約1ヵ月後に満月を迎えた
ならば、復活祭は4月の中旬~末頃で、カーニバルは3月初旬あたりになると
いう理屈です。

話が脱線しますが、クリスマスの12月25日、一般的にイエスキリストの
誕生日と信じられていますが、異論もあって、この頃の冬至に合わせて
祝っていたゲルマン民族の信仰がクリスマスに摩り替ったという説もあります。

特にヨーロッパの北は冬が厳しく、食べ物の確保も、凍死から命を守ることも
大変だった時代、日照時間が短縮から延長に転ずる日には特別の思い入れが
あったことは無理も無いことだと思います。
言ってみれば、太陽の蘇りの日(冬至)に救世主の誕生日を重ねることは
それほど不思議でもないでしょう。

原始的な信仰が、後から来た宗教に飲み込まれても、飲み込まれてしまった
信仰が、姿を変えて新らしい宗教の、信仰の形として摩り替って現れることは
珍しくないことのようです。

復活祭の日にちを決める、春分の日も、夜の長さと昼間の長さが逆転する、
太陽の復活の日、
そして満月も、欠けて無くなったように見える月(新月)が蘇り、最高の輝きに
達する日です。

往々にして、宗教の取り決めは縁起かつぎや、理屈が多いのが常ですから、
人を説得させるにもこの日はもってこいだったのかも知れません。

ここでやっと、本題に入れるのですが、ジェルマーノの言った
『ヴェネツィアのカーニバルは有名ではない』という話の後で、
出てきたのが、イタリア語の辞書に熟語としても出てくる
『Carnevale di Viareggio』ヴィアレッジョのカーニバル(仮装行列)です。

ヴィアレッジョというのは、トスカーナ州の海辺の町です。
夏には海水浴に訪れる人も多い避暑地、リゾート地でもあると聞いていますが、
ここのカーニバルがイタリアでは特に有名なのだそうです。

早速、ユーチューブで『Carnevale di Viareggio』を検索してみると、
まるでディズニーのパレードのような大掛かりな山車のようなものも登場して、
仮想した人たちのパレードが見えます。
多くの人たちが見学に出かけてゆくというのも納得できます。

もう一つ話で出てきたのは、『Carnevale di Ivrea』イヴレアのカーニバルです。
オレンジ合戦とも説明されていますが、二手に分かれてオレンジを
ぶつけ合っています。

動画を見ていただくとお分かりになると思いますが、すさまじいオレンジの
ぶつけ合いです。

ヴィアレッジョ、イヴレアのような、派手で興奮するカーニバルに比べれば、
仮面をかぶって町を散策するだけのヴェネツィアのカーニバルは
魅力にかけるのかも知れません。

カーニバル=ヴェネツィアという、お決まりのイメージに固まっていた
自分自身に、生兵法は怪我の元という戒めを感じた次第です。

もう一点、シエナのパリオについても書こうと思いましたが、話が膨らみ、
脱線もしたため、次回のメルマガで紹介したいと思います。

パソコンでユーチューブをご覧になっている方は、イタリアの楽しげなお祭りを
目で楽しむというのは如何でしょうか?(つづく)

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◇ JIJI-Milano ◇

ジャルディーノの生徒さんで、フェデリーコと夫婦になり、ミラノで日本語を教えている明子さんからのお便りです。

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ミラノでは新年の初日を快晴で迎え、その後も空気の澄みきった
晴天に恵まれております。
11月のどんよりした時と比べると、ずいぶん暖かい日が続いているように感じます。

クリスマスから2週間以上続く休みとあって、多くの人がバカンスを楽しんで
いたことでしょう。おかげで交通量がぐっと減り、いつもはスモッグに
悩まされるところが、晴天とあいまってとても清々しいお正月を提供してくれました。

一方で、経済的な不安が昨年からイタリア人に重くのしかかってきています。増税だけでなく、
公共交通機関の値上げ、恐ろしく高いガソリン、ガス・電気代の値上げ、年金受給年齢の引き上げ、
教育機関の経費削減等々、近い将来、国民の不満がどんな形で爆発するのだろうかと心配になります。

そんな中、こんなニュースが広まりました。

コルティーナというオーストリアとの国境に近い街でのことです。ここは、スキーの季節ともなると
各地から旅行客のあつまるところで、クールマイヨールのようなリッチなリゾート地となっています。

「12月31日に実施された税務調査の結果、様々な各種店舗において昨年の同日と比べ3倍もの売上げが
確認された。」とメディアを大きく賑わせました。

これだけを聞くと、不景気にも関わらずコルティーナでは市民の購買意欲が高まっているのかと思いますが、
そうではありません。

80人もの調査官によりホテル、バール、レストラン、宝飾店、ブティック、薬局、ビューティサロンなど
35の店舗が監査されました。そのために昨年の同じ日の3倍もの売り上げを記帳しなければならなかったということです。
高級宝飾店にいたっては4倍もの売り上げを記録しました。バールにおいては1.4倍、しかし調査の前日に比べると
2倍以上の売り上げを示しました。

これが意味するのは、いつもなら売上げを記録しないでいたのを、調査官の存在を知ってちゃんとレジを
打たざるおえなかったということです。それで、本当の売上高をはじき出したところいつもの3倍にものぼり、
これまで売上げを3分の1ほどにごまかしていたことが判明してしまったわけです。

イタリアでは、レシートを発行することが義務づけられており、消費者側においてもレシートをもらって店をでないと
罰せられることになっています。しかし、よく小売店などで、売上げを少なくするためにレシート発行をしないことが
頻繁にあります。今回の監査でどれだけごまかしていたかが明らかになったというわけです。
また、コルティーナと言えば、リッチな高級リゾート地というイメージがありますが、やはり、
こんな調査データまでニュースにのぼりました。

251台の高級車の所有者133名(つまり1人につき約2台の高級車)の申告によると、
このうち16名が近年の年間所得を5万ユーロ以下で申告し、42名においては2009年、2010年の年間収入が
3万ユーロ(約300万円)で生活苦を訴えていたとか。

残りの118台のスーパーカーはというと、これらは個人ではなく法人などの企業の保有とし、このうち37件は
年間収入が5万ユーロ以下、19件にいたってはこの2年間赤字の申告をしていました。

いかに商業主が税金をごまかしてきたか、という「金持ち=悪」を喧伝するような内容でもあり、
また、モンティ政権の業績を広告するニュースでもあります。しかし、庶民にとっては、
「いまさら」的な現実でしかありません。

このニュースとともに、今問題になっているのが新政権による改革の一つ、営業時間の自由化です。

これまで、イタリアでは労働者保護の目的で各種店舗の営業時間が法律によって定められていました。
イタリアに旅行に来る方は日曜日に店が閉まっていたり、昼休みが長過ぎることに違和感と不自由を感じたことでしょう。
営業時間が自由化されれば、消費者にとっては便利になり喜ばしいことではありますが、そんな単純なことではなさそうです。

営業時間が伸びれば、即売上げが上がるというものではなく、専門家の見方によれば、消費が分散されるだけで、
小型店においては労働時間が増えるだけで収入が減少する恐れもあり、大型店舗にのみ有利になるとのことです。

政府は既に自由化を認めておりますが、州によっては反対を表明しており、今後違憲問題にまで発展することになりそうです。
ミラノのあるロンバルディア州でははっきりとした意向を示しておりませんが、バーゲンの期間中、夜10時まで営業する
衣料店も出てきました。

この改変により経済的な効果が見られればいいのですが、今後の動向が見逃せません。

最後に、お正月3日、パドヴァからのまるでコメディのような強盗のニュースをお知らせしたいと思います。

夕方5時ごろ、ある老人ホームに、目の部分だけ開いた覆面をし、ピストルを握りしめた男が侵入しました。
そこには20名ほどの老人達がいました。男は大声で何か言っていましたが、みんなトランプに夢中になっており
誰一人強盗に注意を示しませんでした。

だからだと思われますが、男は持っていたピストルを発砲して老人達の注意を引こうとしました。
発砲音により、ようやく責任者の一人がこの男に近寄って行きました。しかし、老人達を守るためにしたことは、
強盗の目的に応えることではありませんでした。彼は、これらの老人はみんな心臓を患っていて、強盗の振る舞いが
ストレステストをしているようなもので、いかに大変なリスクを与えているかということを説明しました。

すると、強盗は間をおくことなく過ちを詫び、すぐさま出て行ったといいます。

老人ホームが警察に連絡したのは事件から2時間もたった7時ごろです。おそらく、誰一人怪我をしなかったからでしょう。
警察の検視によると、発砲の跡も、弾丸も見つかっておらず、男の持っていたのはおもちゃのピストルでした。

老人ホームの責任者の談話によれば、老人達は侵入者の存在に気づき、驚いていたものの、頭のおかしいのが来た、
ぐらいに思ってカード遊びを続けていたそうです。男は何かわめくのをやめることなく、さらには発砲したために
仕方なく職員の一人が老人達の病気を説明したところ、すぐに詫びて出て行ったと説明しています。

一体この職員はどんな言葉で強盗を説得したのか気になります。

私は子供のとき夢中になって見ていた「8時だよ!全員集合」を思い出しました。まるで加藤茶と志村けんの
コントのような内容が、真面目な口調でニュースに流れてきたため思わず吹き出してしまったものです。

いつもこんなニュースばかりだったらどんなに愉快でしょう。新しい年が平穏無事であることを祈りたいです。

日本の皆様におかれましても、良い一年となりますよう。今年もよろしくお願いいたします。

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◇ イタリア旅行記 北イタリア編 ◇

この旅行の時期は2007年の6月です

一日目 5月31日(木)Roma → Venezia → Grado

今回は、国内線のカウンターに並んでいた自動チェックインの機械を
使ってみました。アリタリアの会員カードを挿入すると、予約したフライト情報が
画面に出てきました。三列席の中央に席が取られていたので、画面で窓側に変更、
次に印刷ボタンに触れると、搭乗券がプリントアウトされてきました。
今の時代、当たり前のことなのでしょうが、アリタリアでこういう体験が
出来るなんて、ちょっと感動しました。

手荷物を預ける場合は通常のようにカウンターでのチェックインが必要かも
しれませんが、機内持込の荷物だけの場合は、このように自動チェックインで
予め搭乗券を手に入れて搭乗口でくつろいだり、売店でショッピングを
楽しむのも良いかと思います。

さて、早めにチェックインが出来たので、そのまま搭乗口まで向かったのは
良かったのですが、すぐに搭乗口変更の案内が入りました。
変更された搭乗口には別のフライト名が示されています。
おかしいと思い、よくよく見てみると、同じ搭乗口にAという札とBという札が
掲げられていていました。

まるで、電車に乗るために6番ホームに行ったら、前方に一つの電車の乗り口、
後半に別の電車の乗り口があるような感覚です。
無理やりに一つの搭乗口を二台の飛行機が共有しているのに、ビジネスクラス用に
赤じゅうたんが敷かれた入り口と、一般クラス用、緑色のじゅうたんの敷かれた
入り口に分けられているのには、すくなからず違和感も感じました。
どちらの色の、絨毯の上を歩いても、同じバスに乗り込み、同じような座席の
座席に案内されるのに、こういう区別は大事なんですね。

さらに、毎度の事ながら、機内に入るのが30分遅れ、出発もさらに遅れ、
結局到着は40分ほど予定時間を越えました。

そらから眺めるイタリアの光景は、やはり美しいの一言に尽きます。
塩野七生さんの本の中で引用されていた言葉、『イタリアがあまりにも
美しすぎたから、バランスを取るためにイタリア人に住まわせた』

このジョークの内容はこうです。
神が天地を創造された時のこと、
神『イタリアという国を作ろう。そこには世界一素晴らしい風景と、
世界一素晴らしい食べ物と、世界一素晴らしい気候を与えよう。』
大天使『神よ、それではイタリアだけが恵まれすぎています。』
神『案ずるな、イタリア人をいれておいた。』

イタリア人自身が考えたジョークなら笑えますが、かなり失礼な言葉ですね。
でも、僕にはジョークではなく、良い意味にとらえられました。
もしも日本人のようの気質だったら、この美しい自然に人工的に手を加えすぎ
殺風景な宣伝の看板、電信棒、ダム、工場で見るにも無残な姿に国が
変えられてしまったかも知れないですから。

効率よりも美しさや愛情、便利さよりも人間らしさ、儲けよりも生活の質を
優先したイタリア人だからこそ、美しい国の姿を保ってくれているのだと
何度も思いました。

窓から下を見ると虹が見えました。上から眺める虹は半円ではなく
真丸でした。初めて目にした光景でした。

一時間ほどでVeneziaの空港に着きます。
海と陸の入り混じったような潟の広がりが見えてきました。座席を右側の
窓際に取っておけば、Veneziaの町が一望できたのですが、反対の席を取ったので
残念でした。次回の楽しみにしようと思います。
今回の片道のフライトは87ユーロ(当時レートで約1万5千円)でした。
(続く)

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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