あんぬんつぃ ジャルディーノ

イタリアとイタリア語に関するちょっとした情報、旅行記です。

今月のメルマガ 2013年10月

2013-10-25 18:06:13 | 今月のメルマガ
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イタリアあれこれマガジン”あんぬんつぃ” 第112号 

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こんにちは

メールの発信される日は、以前でしたら体育の日。
数年前に曜日の変更があってから、祝日の意義が薄れているような
気がしてなりません。
神宮の遷宮の様子を見ながら、守るべきことの大切さを感じました。
現在の祝日も、戦後、本来のお祝いの意義がわかりにくく変えられて
しまっています。
関心のある方は調べてみてください。

最近、Skepeを教室に繋いでみました。一度レッスンも行うことが
できました。
現在、YouTubeで動画の投稿を試みているところです。
情けないほど、現代のスツールを使いこなしていませんが、
めげずに挑戦していくつもりです。

< 目次 >

◇ Viva! イタリア映画際
◇ JIJI-Milano
◇ イタリア旅行記 北イタリア編

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◇ Viva! イタリア映画際 ◇

名演小劇場でのイタリア映画三本作のうち、一本のみ見てまいりました。
一番興味があったのは『もうひとつの世界』という作品でしたが、
予定が付かずに、今回鑑賞したのは『ハートの問題』です。

ハートの問題(Questione di Cuore) 2009年 
フランチェスカ・アルキブージ監督 
病院の集中治療室で知り合った、性格や生き方が対称的なふたりの男性の
友情と、彼らを取り巻く人々との愛情を描いた、笑いながらもしんみりと
心に響く感動作。というのが、映画の紹介文でした。

原題の “cuore” を邦題で『ハート』と訳してあることに、
多少違和感を持っていましたが
映画を見た後、この“cuore”には、1.心臓障害 2.登場人物の性格
としての心、さらには、3.人生や人間関係にたいしての『気の持ちよう』、
など重なった意味合いがあるのだと感じて、『ハート』と訳したのも
うなずけました。

一言で感想を述べれば、ストーリーは面白く、人情味にあふれ、実際には
起こりようも無いが、イタリアではありそうな事件の連続で
最初から最後まで興味を持って見ることが出来ました。

ひとつだけ、さらに知りたいとおもったことは、主人公である二人の男性の
行動は、普通ではありえないことなのですが、同じ男性として
『考えそうなこと、気持ちとしてありえること』と
とらえられましたが、この男性たちと関わっている女性たちの行動に『あれ?』
『なぜ?』と、疑問に多々思った点がありました。

病室で偶然に知り合って親友になり、人生で深く関わるというストーリーは、
多分、男性よりも、女性同士のほうが、可能性が高いような気もします。
またこうした状況におかれたときに、女性なら全く違う行動を取るだろうと
思うのですがなにぶん、男性である自分にはあくまでの推測の世界。
どなたか、女性の方でご覧になった方がいらっしゃったら、感想を聞いてみたい
気持ちです。

と、ここまで調子よく書いてきたのですが、ここで大変なことに気がつきました。
監督の名前はフランチェスカ・アルキブージ、、、フランチェスカ、、、Francesca、、
あっ!監督は女性だ! この監督は女優としてデビューしたが芽が出ずに、
監督として成功した人だそうです。

映画監督が男性だと思い込んで、あれこれと感想や疑問を書いてきたのに、
根底が覆ってしまって、一層と謎の世界にはまってしまいそうです。
ゴルゴンゾーラが女性名詞でなくて男性名詞だということに気がついた時
以来のショックです。

さて、11月2日(土曜)から、新しいイタリア映画が名演小劇場で上映されます。
マルコ・ベロッキオ監督の『眠れる美女』 イタリア語の原題は『Bella Addormentata』

実在の事件を独自の解釈で描いてきた監督が、昏睡状態の女性の尊厳死に
ついて描き挙げた映画です。

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◇ JIJI-Milano ◇

ジャルディーノの生徒さんで、フェデリーコと夫婦になり、ミラノで日本語を教えている明子さんからのお便りです。


お久しぶりです。長い夏休みが終わり、ようやく日常のリズムで生活するよう
になりました。ミラノはすっかり肌寒くなり冬の装いです。朝は深い霧に覆わ
れ、過ぎ去った夏が恋しく寂しい気分になります。

この夏、私たちは海へ山へ、北へ南へと、いろいろなところを短期滞在する形
で過ごすことにしました。そのうちの南へというのはカラブリア地方へ一週間
行っていたのですが、もともとカラブリアにいいイメージを持っていなかった
のもあり、期待しないで行ったのがよかったのか、思っていたよりいい印象で
した。

なぜカラブリア地方にあまりいいイメージがなかったかといいますと、ミラノ
に移住しているカラブリア人たちのせいだったかもしれません。こちらには
南伊から仕事や学業を目的に移住している人が多数いますが、粗野で、やたら
声が大きく、騒がしい、という印象があります。あと、有名なマフィアである
ンドランゲタのイメージも手伝っていたかと思います。

しかし、実際、現地へ行ってみると、人々はとても暖かく、よそ者に対しての
偏見が皆無で、年配の方も若者も誰もが親切でおおらかでした。また、食べ物
の美味しいことにも驚きました。もちろん、南伊はどこも食の宝庫で、ミラノ
から来る者にとっては、値段の安さも加わり嬉しい限りです。

ミラノから飛行機なら1時間半で行けるところですが、自動車、電車ですと
10時間ぐらいかかります。同じイタリアでも、別の国のようにいろいろな
違いがあり、味わい深い体験ができました。

カラブリア人のおおらかさを物語るエピソードを一つ。
とても小さな町の、路地の奥に隠れるように存在するトラットリアでのこと
なのですが、友だちに連れられて来て、すっかり気に入ってしまい、その後
何度か足を運んでいました。

そこで出してくれる前菜の中に、茄子のオイル漬けがあるのですが、これが
本当に美味しくて、どうしても家でも食べたいと思い、作り方を教えて
もらいました。

2度目に、細かいことを確認したくて、再度作り方をしつこく聞いてみると
材料と手順を教えてくれました。つくっている途中経過のものを見せてくれた
り、メモしたら、とボールペンを渡されたり、あまりの寛容さに感動した次第
です。

お陰で、材料の質が違うので同様とまではいかないまでも、ミラノでも
それらしいものを食べることができています。もう2度と来ないかもしれない
客に対して、このような大らかさはミラノでは出会えないように思います。

話がそれますが、私たちはカラブリアまで飛行機で行きました。搭乗者は
行きも帰りも大半が帰省するカラブリアの人たちだったように思います。
なぜか、着陸のとき、客席から「ブラーボー!」の歓声が沸き起こり、盛大な
拍手が鳴り響くのです。これは、カラブリアの人だけなのか、イタリア人の
習慣なのかは、ちょっとわかりません。でも、よく思い出してみると、25年
ぐらい前に日本人も着陸時、さすがにブラーボとは言いませんが、拍手をして
いたような気がします。

着陸と言えば、先日、マドリッド発ローマ着のアリタリア航空が着陸の際、
片方の車輪が降りず、片輪で着陸するという出来事がありました。そのとき
のニュースで、インタビューに応じていた乗客らは、口をそろえたように
「パイロットは素晴らしい腕前だった」「パイロットは冷静沈着で、俊敏、
そして操縦がとても上手い」などと評していました。

もともと、イタリア人はみな褒め上手です。パイロットの腕前を素人が理解
できるかどうか私には少し疑問ではありますが、そんな細かいこと抜きで
何にでも絶賛できる民族性がイタリア人の良さなのかもしれません。

 
話は変わりますが、先日、大手パスタメーカーバリッラのオーナーの発言が
一気にイタリア中を駆け巡り、不買運動へと発展していきました。実際、
フェデリコもバリッラは買わないと言い出していますし、周囲の友人の中に
もそのような宣言をしている人が何人かいます。しかし、もともと、家では
バリッラは、ほとんど買わないので不買運動もなにもないのですが。。。

どんな発言があったのかというと、ラジオ番組でのインタビューでのこと
です。今後、ゲイのカップルの家族を扱ったCM作りはありえないのか、と
いうような質問に対して「我々は伝統的な家族なので、取り扱うことは絶対に
ない」と断言したことから始まり、「我々のこのような意思表明に同意する人
は食べてくれればいいし、同意できない人は食べなくてもいい」と、なんとも
挑発的なことを言っていました。

つまり、バリッラはゲイのためのパスタではないので、食べなくて結構です
と言っていることになります。

では、ゲイの婚姻に反対なのかというと、そうではなく、ゲイのカップルが
子供を持つことには反対していると述べています。「他人に迷惑をかけない
限りにおいて、全ての人が自分のしたいことをする権利はある」と、どの
ような信条を抱こうが、それぞれの自由だということをいいながら、では、
「他人に迷惑をかける」とはどういう意味なのか、と問われると、ゲイの
カップルが子供を持つことで、子供に悪い影響を及ぼすという意味のことを
言っています。

簡単にまとめましたが、興味のある方は、下のリンクの7分頃からこの
話題について触れていますので、聞いてみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=lshUnKkNH5A


バリッラのオーナーの考え方は、かなり保守的で現代にそぐわないものです
が、南イタリアでは、まだまだこのような考え方が主流なのは事実です。

ただ、バリッラのようなCMばかりではなく、IKEAではゲイファミリーを
扱ったCMも作っています。

https://www.youtube.com/watch?v=yqnr4QkSVsc

これなどは、よく注意しないとわかりずらいかもしれませんが、ちょうど
今、食品メーカーだったと思いますが、はっきりとお父さんが二人、子供が
二人、一方のお父さんがキッチンからみんなを送り出す、という内容のCM
が流れています。

イタリアは他の欧州国と比べ、こういった変化はかなり遅いほうですが、
欧州統一のお陰か、ネットによる威力なのかわかりませんが、以前より
変革の動きが少し速まっているような気がします。

イタリア人に限らず、ヨーロッパの人たちの私が好きなところは、今回の
バリッラのような大企業や、政治家、政治政策に対して、断固とした姿勢で
対抗しようとする市民力というか、個人が毅然と反対意見を公にする個人力
というか、そういった側面です。

日本人とは対局をなす考え方、行動のように思います。他人がこうだから、
周囲とは異なるから、どうのように見られるだろうか、足並みをそろえなく
てもいいのか、などといった考え方は微塵もありません。彼らのこのような
考え方は、私がこちらで暮らしやすいと感じる一因でもあります。

もともと、個を尊重する思想が基盤にある欧州でしたが、欧州統一を期に、
より具体的に民族を超えた共生をめざし、個のクオリティーをあげることを
急を要する政策として掲げているように思います。

今後、日本でも移民対策が必要となるかもしれません。欧州の考え方が参考に
なるのではないかと思います。


さて、私は夏の終焉とともに酷い風邪をひいてしまいました。皆様も季節の
変わり目にはくれぐれもお体に気をつけお過ごし下さい。油断大敵です。



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◇ イタリア旅行記 北イタリア編 ◇

4日目 6月3日(日)Padova → Bolzano → Merano 一気に北上

この地方には、山間部によくみられる樺の木も多く生えていました。
長野県などで見かけるものよりも、はるかに幹が太くて大きな木でした。

のんびりと景色と町並みを眺めながらの散歩を終えて、ホテルに戻る途中に
駅で翌日の電車のチケットを購入しておきました。
翌日も早くに出発したかったからです。

イタリアではレストランは早くても8時ごろから、遅ければ9時ごろからしか
やっていないのですが、今回夕食付きのプランで申し込んだホテルでは、
6時からの夕食でした。

食堂に降りてゆくと、フロントで受付をしてくれたおじさんがウエイターを
しています。どうやら夫婦でホテルの営業を行っているようです。
食堂に来ていた他のお客さんたちはオーストリア系(ドイツ語を話していたので
そう判断しましたが)みたいでした。

飲み物には赤ワインを注文しました。かなり良いワインを出してくれたような
気がします。口当たりがまよやかで、味わいが広がりをもっています。
宿泊代金は、シンプルなブッフェ形式の朝食、夕食込みで55ユーロ、
追加の赤ワインもわずか5ユーロでした。
5ユーロといっても、たぶん高級なものなのだろうと考えています。
味からも、そしてGradoの宿では追加のワインがわずか1ユーロだったということ
から推測すると。

前菜にはサラダ(レタス、トマト、ニンジン、インゲン、大豆、とうもろこし)、
一の皿には、この地方の名物だといって、大きなニョッキを持ってきてくれました。
他のテーブルのお客さんは別のものを食べていましたので、僕への配慮だったの
かもしれません。初めて口にする料理でした。
食感は『つくね』です。ジャガイモとひき肉、チーズをあわせてニョッキに
したのでしょう。全体の味付けは、ペペロンチーノのソース(ニンニクと唐辛子の
効いたオリーブオイル)に白ワイン、ハーブを使ったさっぱりとした味です。

メイン料理は、牛肉の赤ワイン煮、マッシュポテトとズッキーニの
グリル野菜が添えられています。
デザートには、ヨーグルトクリームに桑の実、カシス、ブルーベリーなどを
乗せたものを出してくれました。
どれも美味しくて、期待以上の夕食に非常に幸せを感じました。(続く)

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

ホームページがあります。どうぞご覧下さい。
『イタリア語スクール ジャルディーノ』で検索してください。

神奈川にあるジャルディーノの姉妹校もよろしくお願いします。
次回は11月10日発行予定です。

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いまさらですが、時代を追ってみた

2013-10-08 17:17:12 | お知らせ
先日、Skypeなるものを繋いでみました。

恐る恐るでしたが、なんとか成功したようです。

多少の雑音が混じるようですが、50分のレッスンをSkypeで行うことにも
成功しました。

これで、自宅にいながら、あるいは出かけ先で、ジャルディーノのイタリア語のレッスンを
受講してもらうことも可能になりました。


もう一つは、初めて、YouTubeでの動画を投稿してみました。

出来栄えは、お粗末ですが、これを機会にネットの仕組みを活用することも

前向きに考えようと思います。

初の投稿はこちらです。

http://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=nRP7qYBRU0o