あんぬんつぃ ジャルディーノ

イタリアとイタリア語に関するちょっとした情報、旅行記です。

今月のメルマガ 2012年3月

2012-03-10 11:28:53 | 今月のメルマガ
みなさま、今日は。

やっと春らしさを体感できるようになってきました。雨の日が多いですが、
一雨ごとに春が近づいてくると思えば、楽しい気持ちにもなれます。

昨年、ある思いがあって通訳案内士のイタリア語の試験を受け、なんとか
合格できました。
いつの日か東海地方に観光に来てくれるイタリア人に名所案内をしてみたいと
思っています。これからは、教室のレッスンを行いつつ、通訳や翻訳の仕事にも
取り組んで腕を磨きたいと願っています。

今月に入って、訃報がありました。インターネットラジオを聞いて知ったのですが
シンガーソングライターのLucio Dallaが梗塞で他界されました。
テキスト Qui Italia でも紹介されていて馴染みもあったし、空想に満ちた
歌が好きでアルバムも買いました。あの世でも素敵な歌声で夢を振りまいて
いることを祈っています。


現在、春の新規受講者、ゴールデンウィーク中のレッスンの参加者を
募集しています。詳しくはホームページをご覧ください。

< 目次 >

◇ サンレモ音楽祭
◇ JIJI-Milano
◇ イタリア旅行記 北イタリア編

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◇ サンレモ音楽祭 ◇

僕が子供の頃、イタリアの歌が多くカバーされて、テレビの歌番組で
人気歌手に歌われていた記憶があります。

カンツォーネという言葉の響きに、遠くの地中海の情熱に溢れる別世界の
イメージに重ね合わせていました。
大学でイタリア語を専攻し、今もイタリア語に関わった仕事をしているのも
ここに動機の源の一部があるような気もしています。

その頃は、テレビでも盛んにサンレモ音楽祭という言葉が聞かれていたような
思い出がありますが、情報が多くなった今は、むしろ記憶の片隅に
追いやられてしまっていたかのようでもあります。

3月の初旬、インターネットラジオで第62回サンレモ音楽祭の様子や
賞の選考に関しての予想などが話題作りをしている様子を注目していましたが、
今年はすでに62回目を迎えていたのですね。

サンレモ音楽祭そのものの歴史やついては割愛させていただいて、
こんかいは受賞曲を日本語約してみたいと思います。

歌手は27歳の女性、Emma Marrone という人で、曲名は
Non e’ l’infermo (直訳すれば、『地獄ではない』)

ユーチューブなどで歌手名を検索していただけば、受賞シーンや、歌っている
映像が見られると思います。

今回の訳に関して、少しばかり解釈に自信の無い箇所もありますが
思い切って意訳してみます。

国に裏切られて絶望しかけている男性の訴えと、それに対して希望を持つように
と言う呼びかけから出来ている歌ではないかと考えています。

Ho … dato la vita e il sangue per il mio paese
俺は命と血を祖国のために捧げた

e mi trovavo a non tirare a fine mese,
それなのに、生活さえままならない状況にいた

in mano a Dio le sue preghiere.
この手が握り締めるのは、神への祈りだけだ

Ho … giurato fede mentre diventavo padre
俺は父親になろうとする時に、国に忠誠を誓った

due guerre senza garanzia di ritornare,
生きて帰れる保障も無い二度の戦争へ行った

solo medaglie per l’onore.
得たものは名誉の勲章だけだ

Se qualcuno sente queste semplici parole,
もしも、誰かが俺の、この率直な言葉を耳にしているとしたら

parlo per tutte quelle povere persone che ancora credono nel bene …
未だに善を信じている気の毒な人への俺の声だ

Se tu hai coscienza guidi e credi nel paese
もしも、良心を持っていて、国を導き、国を信頼しているのならば

dimmi cosa devo fare per pagarmi da mangiare, per pagarmi dove stare,
俺がどうやって食べ物の支払いをし、住む場所のお金を払えばよいのか教えてくれ

dimmi che cosa devo fare.
どうしたら良いのか教えてくれよ

No, questo no, non e’ l’inferno
いいえ、それは違う。まだ希望はあるわ

ma non comprendo come’e’ possibile pensare che sia piu’ facile morire.
それなのに、死んだ方が楽だなんてどうして考えられるの?理解できないわ

No, non lo pretendo ma ho ancora il sogno che tu mi ascolti
ちがうわ、どうしても、とは言わないけど、あなたが私の話を聞いてくれるという夢を捨ててはいないわ

e non rimangano parole.
全てを語り尽くしたい

Ho … pensato a questo invito non per compassione
俺がこの招待を考えたのは哀れに思うからじゃない

ma per guardarla in faccia e farle assaporare un po’ di vino
e un poco di mangiare.
顔を合わせて、彼女にワインや食べ物を味わってもらいたかったからだ

Se sapesse che fatica ho fatto per parlare con mio figlio
息子を話し合うのにどれだけ苦労したか、彼女が分かってくれるならな。。

che a 30 anni teme il sogno di sposarsi e la natura di diventare padre.
息子は30歳になる、結婚の夢と父親になる当然の理に不安を抱いている

Se sapesse quanto sia difficile il pensiero che per un giorno di lavoro
c’e’ chi ha ancora piu’ diritti di chi ha creduto nel paese del futuro.
国の将来を信じた者が一日働いている間に、もっと多くの利権を持っている者が
いるのだなんて、どうして考えられるか?そのことを分かってくれたなら。。

No, questo no, non e’ l’inferno
いいえ、それは違う。まだ希望はあるわ

ma non comprendo come’e’ possibile pensare che sia piu’ facile morire.
それなのに、死んだ方が楽だなんてどうして考えられるの?理解できないわ

Io no, non lo pretendo ma ho ancora il sogno che tu mi ascolti
e non rimangano parole. Non rimangano parole …
ちがうわ、私はそう思わない。どうしても、とは言わないけど、あなたが私の話を聞いてくれるという夢を
捨ててはいないわ、全てを語り尽くしたい。
言葉を尽くして。

Come’e’ possibile pensare che sia piu’ facile morire.
死んだ方が楽だなんてどうして考えられるの?理解できないわ

Io no, non lo pretendo ma ho ancora il sogno che non rimangano parole.
Non rimangano parole, non rimangano parole.
ちがうわ、私はそう思わない。どうしても、とは言わないけど、あなたが私の話を聞いてくれるという夢を
捨ててはいないわ、全てを語り尽くしたい。
言葉を尽くして。

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◇ JIJI-Milano ◇

ジャルディーノの生徒さんで、フェデリーコと夫婦になり、ミラノで日本語を教えている明子さんからのお便りです。


ミラノは突然暖かくなり、2月の終わり頃には最高気温が17度に達し
ました。ほんの一週間前まではマイナス1度だったのに、毎年のことで慣れては
いますが、この極端さをついイタリア人の気質を重ねたくなります。

さて、この一ヶ月もいろいろなことがありました。

まず、ルオーチョ・ダッラが亡くなったことです。コンサートツアーの最中で、
スイスでのコンサートを終えた翌朝、心筋梗塞で亡くなりました。今月4日に
69歳を迎える直前のことでした。日本にもたくさんファンの方がいらした
ことでしょう。直前のサンレモ音楽祭にも特別出演していたので、本当に
突然のことでした。

それから、また豪華客船の事故です。インド洋沖で火災のため動力停止となり、
4日かけて近くのセイシェル島まで牽引されることになりました。動力が機能
しない4日間は食事も火をとおすことができず、空調も効かずかなりの不自由を
したかと思われます。

通常はこの程度の事故であれば、ニュースになることはないのですが、1月に
沈没事故をおこしたコンコルディア号と同じ会社の船ということで大きく
報道されました。

あと、私の目を引いたニュースといえば、イタリアの給料はヨーロッパの中で
最低を位置しているという統計結果でしょうか。

サラーリーマン、工員の年収は平均23,400ユーロで、ドイツ、オランダ、
ルクセンブルグのおよそ半分ほどです。イタリアの他に経済危機を懸念されて
いるスペインやギリシャ、アイルランドよりも低く、唯一イタリアの下に位置
しているのがポルトガルでした。

このニュースが伝わると、さっそくあるお笑い芸人がこんな指摘を
していました。

イタリア人サラリーマンの給料がドイツやオランダの半分ということと同時に
こんな一面もある。例えば、イタリアの警察庁長官の年収は621,000ユーロ
だが、アメリカのFBI長官は175,000ドル、つまりFBI長官の4倍以上なのだ。
これは、スペイン国王と同じだけもらっていることになる。

また、イタリアのガス会社E-NELの社長の年収は475,000ユーロで、これは
オバマ大統領の400,000ドルよりも多い。

お笑い芸人ですから、これらをまるでホラー映画のストーリーでも話すかの
ように面白おかしく語ってくれます。

話が少しずれますが、イタリア人のお笑いと日本人では性質がかなり
異なります。

イタリアでは風刺がお笑いの一番大きな役割のように思われます。ですので、
政治的な内容に触れることもかなりしばしばです。見ている方が恥ずかしくなる
ような馬鹿げたことはほとんどありません。ましてや、芸人同士で叩いたり、
痛いめにあっている人を笑い者にするなどということは全くありません。

だからといって、テレビ番組の質が高いというわけではありませんが、
日本よりは若干ましなように思います。

さて、これから夏にかけて野菜や果物が抜群に美味しくなり、どの市場で
買ってもはずれがなく買い物がしやすくなります。今月ミラノはコレクションの
ショーがあり、靴や鞄の見本市など、ファッションに関する催しも続きます。

それから今月25日には相撲興行があり、おそらくたくさんの人でにぎわうこと
と思われます。

その前に、明日は震災からちょうど一年がたち、イタリアでも特集番組が放送
されます。おそらく放送後一週間はインターネットで見られると思いますので、
ご興味のあるかたはどうぞご覧ください。

http://www.presadiretta.rai.it/dl/portali/site/puntata/ContentItem-76490560-af6a-4ed9-a525-48bfed8c8a98.html?homepage


放送内容については来月お知らせしたいと思います。

それでは、また来月。

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◇ イタリア旅行記 北イタリア編 ◇

この旅行の時期は2007年の6月です

一日目 5月31日(木)Roma → Venezia → Grado

空港を出たバスは30分ほどでMestreの駅に着きました。大急ぎでチケットを
購入し、滑り込みセーフという慌しさで12時36分発の電車に乗りました。
下車するCervignanoには13時45分に到着です。
料金は座席指定と合わせて12ユーロ、到着時間を前もって調べておいたので、
ゆったりとした気分で旅を楽しみました。
平日の昼間の電車、しかも指定席料金が必要だからか、まるで貸切電車のように
ガラガラでした。

電車は時間通りにCervignanoの駅に到着、小さな町の駅という雰囲気です。
駅の売店で聞いてみたところ、バスの切符の販売もしていて、発車時刻や
乗り場の情報もくれました。バス料金は2ユーロ10セント。
バス停で待つこと20分、Grado行きのバスがやってきました。
お客さんはそこそこ乗っています。これから二日間利用する可能性のある
移動手段です。車窓から見える光景を左右ともしっかりと記憶に焼き付ける
ようなつもりで目的地までの旅を続けました。

途中には今回の主要な訪問先の一つである世界遺産アクイレイアの教会も
目に入りました。バスが走り出して10分ほどすると、かつては離れ小島で
あったろうGradoを結ぶ橋の上をバスが走り抜けています。
橋といっても、ほぼ地面と同じ高さで、しかも欄干も高くありません。
車窓と海面の間を妨げるものが無いので、視界に映るものは一面に広がる
浅瀬の海(潟=ラグーナ)です。海の上をバスが走っているかのような
錯覚を覚えます。心地良い、感動的な光景でした。
橋を渡りきると終点のGradoのバスターミナルに到着です。

小奇麗なリゾート地という印象を受けました。
出発前にパソコンで打ち出した町の地図を手に歩き出します。
地図で見た印象では小さな町でしたが、歩いているとかなりの広さを
感じます。途中で何軒かお店で道案内を願いながらホテルにたどり着きました。
道すがら見かけた飲食店はどれも素敵で、きっと美味しいものを提供してくれる
のだろうと思いましたが、今回、食事はすべてホテルですることになっていて、
ワクワクしながら美味しい物探しが出来なかったのが少々残念でもあります。

この地域の人は、出会った限り、極めて親切でした。お店の人は、通りまで
出てきて道を教えてくれたり、簡単な地図を描いてくれた人もいたほどです。
地図を書いてもらった体験は、イタリアでは初めてでした。
ドイツ語での看板をあちらこちらで見かけます。観光客が多いのか、
あるいは別荘を持っている人が多いのかもしれません。
バスターミナルからホテルまでは徒歩で20分です。
あたりはホテルだらけです。夏場であったならば、さぞかしバカンスを楽しむ人で
賑わっていたことでしょう。
ホテルでチェックインをして、シャワーを浴びて、すぐに出かけました。
この二日間で行きたいところが山のようにあります。忙しいです。
ホテルでもらった観光地図は随分と役に立ちました。(続く)

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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

ホームページがあります。どうぞご覧下さい。
『イタリア語スクール ジャルディーノ』で検索してください。

神奈川にあるジャルディーノの姉妹校もよろしくお願いします。
問い合わせ、ご意見は mailto:atsjnn@bea.hi-ho.ne.jp までお願いいたします。
次回は4月10日発行予定です。

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カフェ・マッジョーレにて

2012-03-06 15:18:11 | お知らせ
名古屋市千種のジェルマーノのカフェに行きました。

メニューが立派になっていたので驚きました。
イタリアのレストランででてくるような感じのメニューでした。

パニーノの中にいくつか地名から取ったものがあります。
カフェの名前の由来であるマッジョーレ湖にある
湖畔の風光明媚な町です。

今回はStresaというパニーノを堪能。

プロシュット(生ハム)、レタス、スライスした玉ねぎ
そしてグラーナ・パダーノというチーズです。

グラーナ・パダーノはイタリアでは良く食されているチーズで
チーズの王と呼ばれるパルミジャーノ・レッジャーノと同類のチーズです。

日本人の口には塩気が効いていて、堅めで、ぱさついたイメージを
もたれるかもしれませんが、
非常に栄養価が高く、消化にもすぐれていて
イタリアでは食事の締めに食されることもあります。

ハムとチーズの塩気に、スライスオニオン、サラダ菜、香ばしいパンが
良くマッチしていました。

満腹、満足。