みなさま、こんにちは。
暦の上では立春を迎え、旧暦では昨日が正月でした。
まだまだ寒い日が続きそうですが、日差しには春の暖かさを
感じられます。梅の季節がやってきましたね。
名古屋の名演小劇場では『塀の中のジュリアス=シーザー』の上映が
始まりました。3月1日までです。どうぞご覧ください。
< 目次 >
◇ ラップを聞いて政治と経済の行方を考える
◇ JIJI-Milano
◇ イタリア旅行記 北イタリア編(今月は休みます)
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◇ ラップを聞いて政治と経済の行方を考える ◇
いつものようにインターネットラジオでイタリアの番組を聞いていた時です。
初めて聞くラップの曲が流れてきました。
一昔前、Articolo31とかJovanottなどのラップシンガーのCDなども
購入し聞いていたことがありましたが、今回、Fabri Fibra というラッパーの
名前を始めて知りました。
http://www.youtube.com/watch?v=iFTbElhF9dE
曲名は、『位置について、用意、ドン!』に当たる『Pronti! Via!』に
出発という意味の言葉が入って『Pronti,Partenza,Via!』というものです。
どんな内容なのかはただ聞いていても理解できるはずもなく、時々ラジオで
流れてくる時に耳をかたむけていましたが、prontiという単語と韻を踏ませて
でしょうが、『monti via!』と聞き取れる部分があり、何のことだろうと
YouTubeで曲を調べてみました。
そこには曲を聞いた人からのコメントが記入されているのですが、
多くはファンの人のようで曲やFabriのことを賞賛するコメントなのですが
なかには辛らつなコメントがありました。
その一つにイタリアの首相モンティ氏を中傷するのはけしからん!とか
この歌手はインルミナティの手先だとか、フリーメーソンの会員だとかいう
ものもありました。
イタリアはこれから選挙を目の前にして、モンティ氏の財政縮小の緊急対策か、
あるいは対極の立場でユーロからの離脱も除外しないというベルルスコーニとの
対立関係があるようです。
フリーメーソンで検索してみると、そこにはベルルスコーニの名前があげられています。
モンティ批判→ベルルスコーニ贔屓→フリーメーソンという理屈なのでしょうか?
確かに、YouTubeで彼がジェスチャーを交えて歌う場面で、『Monti、Via!』という
所では『モンティよ、消えうせろ!』と歌っているようにも見えます。
この箇所をクローズアップして『モンティ消えろ!』とコメントを記入している
人もいます。
日本から見るイタリアの内情はわかりにくく、国民の考えというものはさらに
多様化していて分かりにくいものです。
ただ若者の失業率の高さというものは、楽観できない状況であるのは理解できます。
このラップには、若者のやるせない思いが込められているのかも知れませんが、
単なる僕の勘違い、思い違いかもしれません。
歌詞を訳してみましたが、自己採点しても55点ぐらいだと思いますので
あまり参考にされませんように。
coda timbro firma passa
coda timbro firma passa
coda timbro firma passa
長い列を作って、役所の受領印をもらい、サインして、やっと終わる
burocrazia
l’Italia si squaglia come
burro e pazzia
役所の仕事は、イタリアではバターのようにベタベタに溶けて、
狂気の世界だ
una bella idea
arriva sempre a notte fonda
come la polizia
良いアイデアは、やってきてもいつも真夜中(手遅れ)
(呼んでもすぐ来ない)警察と同じだ
chi me lo spiega
votavi Lega, si prega
ora chi voti
boh Regan
ora Belen, prima chi? Megan
誰か説明してくれよ
北部同盟(北部イタリアの独立を主張、現在は外国人の流入を批判)よ
真剣にやってくれよ、頼むよ!
さあ、誰に投票しようか?
さあね、、レーガン?(元アメリカの大統領)
今度はベーレン?(ベレン=ロドリゲス、女性芸能人)
その前は誰?メーガン?(メーガン=フォックス、女性芸能人)
roba magica
simsalabim
ma al microfono si offrono molti
io sono una sicurezza come il codice pin
in alto come dopo il check-in
魔法の言葉、チチンプイプイ
(テレビなどで)マイクで自分を売り込む(政治家は)たくさんいるよ
『私は、個人識別番号ぐらいに身が確かな者です』
なんてチェックインして(フライト中のように)高いところから(語る)
ho le note do re mi
per le rime
ho la scimmia come Remi
僕には韻を踏む音楽がある
(アニメ『家なき子』の)レミーに猿がいたように
alza lo stero c’e’ Fabri Fibra
che non passa mai di moda come la figa
ステレオの音を上げなよ、Fabri Fibraが歌っている
彼はいつだって、グラマーな女性みたいには、人気が出ないよ
pronti, partenza, via!
Si va per mare e monti
pronti, partenza, via!
Qui siamo tutti pronti
Qui siamo tutti pronti
Qui siamo tutti pronti
Si va per mare e monti
用意はいいかい!出発だ、さあいけ!
海に、山に
僕たちはみんな用意万端だ
Vengo dalla campagna
Cresciuto al mare
Ad una mano dal tuo palmare
僕は田舎から出てきて、
海辺で、君の手の元で育った
Si va per mare e monti via
Monti via
海に、山に、行け!
Linguaggio ultraviolento
In tv come un ultraviolento
Cade giu’ tutto
Come un terremoto
Come Arisa senza trucco
超過激な言葉使い
デレビの中での過激な奴のように
全てが崩れてゆく
地震のように
化粧をしていないArisa(女性の歌手)のように
Non fa neanche 2000 euro
L’uomo del 2000 che diceva Lucio Dalla
(月に)2000ユーロも稼げない(20万円程度)
21世紀の人間はそうだって、ルーチョ=ダッラ(シンガーソングライター)が
言っていたよ
Occhi a palla
Guarda la casta
Sembra la serie tv Dallas
目を見開いてみてみろ
特権階級を見てみろ
まるでテレビドラマDalla(アメリカのドラマ)の世界だよ
La verita’ sballa
E’ stupefacente
Sempre piu’ stufa la gente
真実は負ける
うんだりだ
人々はますます嫌気がさしている
Ti vedevi alla festa invitato speciale
E invece sei in guerra
Inviato speciale
自分が特別な招待客だと思っていたら
実際は、特別に戦場に送られていたんだよ
Questo pezzo fa colpo lo so
Come un banchiere fa colpo lo so
Toc toc chi bussa? Chi e’?
Il commissario
わかっているよ、こいつは何かやらかすと
銀行家が何かやらかすのもわかっているよ
コンコン!誰かがノックしている
『誰ですか?』
『警察だ(国税局だ)!』
Pronti
Pronti, partenza, via!
Qui siamo tutti pronti
Qui siamo tutti pronti
Qui siamo tutti pronti
Si va per mare e monti via!
(くりかえし)
Fumo bombe come a Kabul
Missili come a Seul
Rapper esorcia scomodo
Come l’antidoping per un ciclista
Il caso chiuso e’ caso mai.
カブール(アフガニスタン)の火炎弾のように
ソウル(韓国、、、北朝鮮と混乱しているかも)でのミサイルのように
ラッパーは厄介払いをするけど、不如意だ
まるで自転車競技選手がドーピング検査をさせられるみたいに
裁判は休廷し、その後、再開しない
Canta il pezzo com me
Se lo sai
I cantanti incantano
Nascosti e sporchi
Come I soldi che mancano
奴は僕と一緒に歌っている
もし君が知っているならば
歌手は魔法をかけているんだよ
こっそりと、そして手汚く
まるでお金のよう、でもお金は無いよね
Tutti pronti per la partenza
Ma da anni e’ una finta partenza
Dopo l’ultima grande occasione
Si rimane cosi’ senza
みんな出発の準備はできている
でも何年も前から、見せ掛けの出発のをしているだけ
この前の大きなチャンスの後
結局僕たちは、すっからかんになってしまったよ
Nella tasca una voce rimbomba
Tipo capitano la nave affonda
Terza seconda prima
Il paese non si mette piu’ in moto
Onda tu aspetti qui’
ポケット(財布)の中である声が響く
『船長役の人!船が沈んでいくよ!』
三度目、二度目、一度目
この国は二度と動き始めない
ここで君は波を待つのか
Non ci tengo nella vita
L’ultima cosa che voglio sentire e’
Libera lo stiamo perdendo
Come gli Abba in Italia
Gridi mamma mia
Ma dalla rabbia
Sfondiamo la gabbia
僕は人生にはこだわっていない
最後に聞きたいことは『自由になれ!』
僕らはこのことを失いつつある
アバ(グループシンガー)がイタリアで『マンマミア!』を
歌っているけど、君は怒りの心で『Mamma mia!』と叫んでいる
檻(おり)を突き破ろう!
pronti, partenza, via!
pronti, partenza, via!
Qui siamo tutti pronti
Qui siamo tutti pronti
Qui siamo tutti pronti
Si va per mare e monti
pronti, partenza, via!
pronti, partenza, via!
Qui siamo tutti pronti
Qui siamo tutti pronti
Qui siamo tutti pronti
Si va per mare e monti via
(繰り返し)
Pronti, Partenza, Via!
YouTubeで検索してご覧ください。画像的には嫌気のさす人もいると思いますが
舞台の画像は素敵です。
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◇ JIJI-Milano ◇
ジャルディーノの生徒さんで、フェデリーコと夫婦になり、ミラノで日本語を教えている明子さんからのお便りです。
先月末のことですが、以前話題にしたことのある「イタビア機墜落事故」に
関する最高裁の最終判決が発表されました。
この事故は1980年の出来事です。私は、この事故が85年に起きた日航機
123便墜落を思い出せるほど謎に包まれたことから大変興味を持ちました。
07年2月号のあんぬんつぃにこのイタビア機事故の概要を紹介しています。
ご存知ない方はまずは、こちらから読んでください。
↓
http://archive.mag2.com/0000123715/20070210101000000.html
事故から33年経ってようやく出された判決ですが、まず、事故原因について
は爆薬が機内に持ち込まれたのではなく「ミサイルによる損傷」と断定して
います。ただし、犯人は特定されず不明のまま。
犯人は不明としながらも、空路での国民の安全が保たれていなかったとして、
安全を確保すべき役割を果たしていなかった国防省ならびに国交省は、被害者の
家族への賠償が命じられました。
33年の長きにわたって何度も刑事裁判が行われましたが、これでようやく
被害者のご家族の荷はおりたのではないかと思います。以前、テレビの遺族への
インタビューで、亡くなった者はどうやったところで戻ってくることはないが、
「どうして、誰が」こんな事故を起こしたのか、その原因を知らされなければ
心が癒えることはない、と言っておられました。
最終判決には「だれが」という犯人については特定されていません。残念ながら
日航機事故同様、触れられない大きな闇が残されたまま事故は風化していくの
かもしれません。
さて、今月はもう一つ飛行機事故関連のニュースがありました。
今月初めの土曜日、ピサ発ローマ着のアリタリア航空が着陸時にコースを外れる
という事故を起こしました。負傷者は26人で内2名は重傷と報道されました。
原因の一つに強い横風とされていますが、専門家によると、事故には複数の原因
がつきもので、単独に強風のみが原因とされることはないと言っています。
現に、強い横風は吹いていたものの着陸可能な状態であったことは管制塔責任者
が確認しています。また、着陸時、2度バウンドして方向を曲げ、そのまま
コースをはずれて芝生に停止していることから、着陸装置の損傷が事故要因と
して考えられています。
事故調査は数時間で終わりましたが、その後、別の問題で話題となりました。
事故機はアリタリアの表装ですが、実際はルーマニアCarpatair航空の運営による
共同便でした。共同といっても、アリタリアは表向きだけで、実質Cartatairだった
のでしょう。この点について実は私はよくわかりません。ANAも以前アリタリア
と共同運営する便がありましたが、それと同じ形態なのか、もしくは新たな形態
なのか詳しくはわかりません。
アリタリアは法務上全く問題ない運営だと言っています。しかし、事故翌朝には
飛行機の表装を綺麗にはぎ取っていて、アリタリア機が事故を起こしたのではない
と言わんばかりに飛行機名を隠してしまったのです。
(写真はこちらで見られます。↓)
http://www.ilmessaggero.it/roma/cronaca/incidente_fiumicino_aereo_feriti_carpatair_alitalia/notizie/248850.shtml
この行為はかえって注目されてしまい、アリタリアであることを隠すことが強調
されて逆効果となってしまいました。また、共同便の場合、実際どこの航空会社が
責任を持っているのかが事前に明確にされないことに問題の火種がつき、事故とは
別の問題で議論が湧くことになってしまいました。
イタリア人はアリタリアの質、サービスの悪さをよく知っていますし、イタリアで
ありがちなこういった責任逃れのような行為に対して、全く快く思っていません。
飛行機の事故は、私たちでは気をつけようがありません。今後、大きな事故が
ないことを願ってます。飛行機に限らず、皆様も旅路での安全にご配慮ください。
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◇ イタリア旅行記 北イタリア編 ◇
この旅行の時期は2007年の6月です
3日目 6月2日(土)Grado → Padova Federicoとの再会
今月は休みます。
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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
ホームページがあります。どうぞご覧下さい。
『イタリア語スクール ジャルディーノ』で検索してください。
神奈川にあるジャルディーノの姉妹校もよろしくお願いします。
問い合わせ、ご意見は mailto:atsjnn@bea.hi-ho.ne.jp までお願いいたします。
次回は3月10日発行予定です。
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