うれぴっプル♪

ゲーム大好き店長のオタブログ

「SWAN SONG」感想

2024-04-29 15:03:08 | ゲーム感想【サ行】

Le.Chocolat/2005年

「SWAN SONG」です!!
言わずと知れた名作を今更ながら初プレイです。正直ここ最近やったエロゲの中で一番面白かった…。


クリスマス・イヴの真夜中。
静まり返った町にしんしんと降る雪…大学生の尼子司は、飲み物を求めに外へ向かいました。司が自販機の前で小休止を取っていると、突然地面が揺れ動きだします。
それは世界がひっくり返ったのかと思うほどの大地震でした。
道は歪み、周囲の住宅は崩れ、倒れていきます。
生きている人を求め彷徨う司。
そんな時、崩れた家屋の下敷きになった女性から声を掛けられます。「妹を頼む」と…。
冷たくなった女性。そして彼女に託された自閉症スペクトラムの少女「八坂あろえ」。


コミュニケーションが困難なあろえを連れ、吹雪の中を進んでいると一つの建物が見えてきました。
そこは今にも壊れてしまいそうな教会でした。
一時の休憩場所として足を踏み入れた教会。同じように安息の場所を求める若者たちが、少しずつ集まり始めて…。


はい。そんな感じのお話です。
エロゲって言うより、小説や映画のようなあらすじですね。

シナリオライターの瀬戸口廉也氏が作ったゲームは、過去にPS2版の「キラ☆キラ」をプレイしたくらいです。その時も「なんか容赦ない話だなー…」と感じたのを覚えています。甘くない現実がひたすら主人公たちを襲うんですよ。これが瀬戸口さんの持ち味なんでしょうか?
フィクションなんだからそこまで深刻に考えなくて良いとはいえ…けっこうキツイですよ。でもそのキツイ展開の先に何が待っているのか。それを求めて読んでしまいます。


この「SWAN SONG」はテキストボックスと立ち絵がありません。顔グラフィックまたはカットインが挿入されて、空いてるスペースに文章が表示されます。
だから画面の半分以上に文章が表示されるなんてざらなんです。状況説明もありますが、キャラクターのモノローグ(心の声)が多いです。
画面を覆いつくさんばかりの文章量でも不思議とスラスラ読めるんですよねぇ。
プレイ時間はそれなりにかかるんですが、体感は実際より短かったです。エロゲにありがちな寸劇が無く、刻一刻と状況が動いていき「次は何が起こるんだろう」という期待と緊張でどんどん読み進めてしまいます。
一応主人公は尼子司くんなんですけど、視点が次々に変わっていきます。過酷な状況下で狂気に侵される者、自我を保っていられる者…それぞれの物語を読ませてくれます。
エグい展開もありますが、落ち着いているキャラはずっと落ち着いていますし優しいキャラはどこまでも優しいです。本当にそこが救いで、皆おかしくなっちゃったらツラくて読めません(´;ω;`)
エンディングは二つ用意されていて、その二つの終わり方は正反対の性質を持ちます。私はこれも良いと思いました。大体複数エンディングのゲームって「このエンディング以外は蛇足」となりがちなんですが「SWAN SONG」のエンディングはどちらも納得がいきます。
登場人物皆がそれぞれ考え抜いて行動した結果なんです。
言ったら物語の途中途中で用意されてるバッドエンドも全て納得させられちゃいますから。


好きなキャラクターは…最初に教会に集まったメンバーは皆好きですwwなんか愛着湧いてしまいますね。
例のあいつも好きですよ。感情豊かで。
あろえは癒しですね。草柳順子さんってこんな演技もするんだ…!


リアル寄りの絵柄で彩度の低い塗り、あまりエロゲっぽくありませんけどそれがこの世界観をよく引き立てていますよね。
私はリアル系よりも萌え萌えした感じの絵柄が好きなのですが、このゲームに限ってはこれで良いと思います。ていうかこの世界観で髪の色がピンクや水色だったらおかしいか。
文章では血がいっぱい出てきますがCGはほとんどグロくないのでグロ苦手な方も安心ですね。


今回はあんまり上手く感想が書けなかった気がします。
謎が多く残る終わり方なので、そこが消化不良と感じる方もいるとは思いますがそこも含めて「SWAN SONG」なのかな~と…。
地震とか宗教の謎を解明するのが真の目的ではなく、ただひたすら世界を「生きていく」のが「SWAN SONG」というゲームの真の目的ではないかと感じました。
人の一生は素晴らしいって尼子も言ってることだしね!

評価:94点
またこんなゲームに出会いたいものだなぁ…。



  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする