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 松原商店街シューズショップカメヤブログ

横浜市保土ヶ谷区にある靴屋です。激安スニーカーからオシャレな婦人靴、社交ダンスシューズなど新作も続々入荷中です。

ひとくち靴用語辞典《か》~《こ》

2006年05月04日 00時11分45秒 | ひとくち靴用語辞典《か》~《こ》

《外反足》
よく外反母趾という言葉を聴いたことがあるかもしれないが、外反母趾は足の親指の病気。足を後ろから見たときに、足首から下の踵部分が外側に曲がってしまうこと。偏平足など他の状態にも影響してくるといわれている。


《カウ》
生後2~3年程度の牝牛から生産される革。厳密には出産経験のある牛の革の事を指す。もう少し若い牛革であるキップに比べ若干キメが粗くなるが、靴に使う革としては十分な品質である。

《カウンター》
靴の踵部や爪先の形状保持に使われるパーツのこと。
踵に使われる場合「ヒールカウンター」が正しい呼び名だが、
踵用に用いることがほとんどなので、「カウンター→踵部の芯」を一般的に指す。
紙、繊維、革、プラスチック、金属など様々な材料を用いる。
靴の用途によって強度(堅さ)が違う。踵に荷重がかかったときに衝撃を受け止め、わずかにたわみながら力を分散して足が左右にぶれるのを防ぐ働きがある。

《返り》
靴底の曲がり易さの事を指す。ただ柔らかくて曲がり易ければ良いという事は無く、前後左右別の適度な屈曲性や「たわみ」具合、曲がった後に元の状態に戻る速さなど様々な観点からバランスの取れた「返り」を持つ底が履きやすさの重要なポイントになる。

《隠しはとめ》
紐穴部の補強のためにアッパーの表革と内張りの間に挿入される(主に)金属の部品。表革と裏革の間に挟み込まれて入れられるため、外から見るとほとんど鳩目は見えない。デザイン上の意味合いが大きい。

《カジパン》
パンプスの中でもドレッシーなデザインではなくカジュアルなコーディネートで履くタイプの通称。カジュアルパンプスを縮めて呼ぶ言い方。

《ガセットタン》
普通紐靴のタン(舌革・甲部のパッド)は一番爪先側のみでしか固定されていないのでブラブラ動くが、このタンが左右共に上まで全部縫いつけられているタイプのものを指す。ガセットは補強用の板、布のこと。日本では「袋ベロ」という。タンと甲革の間の隙間が無くなるので、埃や水滴が入りにくくなる。そのため、防水処理された靴や砂利道を歩くアウトドア用シューズに多い。


《型押し 》
主にスムース革の表面に金型を当て、圧力をかけて模様を押した革のこと。様々な模様をつけるが、爬虫類などの模様を押し付けたものが一番ポピュラー。比較的手頃な値段の靴は本物の素材に買えて牛や豚の革に型押しをして本物に見せかけた物がほとんど。

《かぶり》
ミュールなどのサンダルで爪先が開いてなく覆われているタイプのデザインの通称。前かぶりともいう。パンプスなどの靴には用いない。なのでオープントゥの反対語というわけではない。

《ガラス張り》
革を鞣す工程のうち、革をガラス板またはホーロー鉄板に縦に貼り付けて乾燥させたもの。革の細かい傷を隠すのに適した製法で硬い革に仕上がる。一般的にはガラス革と呼ぶことが多い。

《革底》
革靴のソール素材の中で一番高級とされている底材。牛革のうち主にステアという分厚い革を使い、さらにその中でも特定の繊維が太く強靭な部位のみ使用される。革底の特徴は、なんといっても他の素材では味わえない適度な弾力感と足裏全体がピッタリフィットする馴染みの良さである。他にもアッパーに縫い付けて製造されるので修理が可能であること、通電性があるので体内の静電気を放出する作用を持つなど、短所もあるが素晴しい長所も多く持っていることである。

《カンガルー》
靴に使われる革のうち、カンガルーの特徴は、軽く薄手に仕上げられるためとても柔らかい。紳士靴などにも多用されるが、実は磨耗に強く、サッカーのスパイクに使われることで有名。

《キップ》
生後6ヶ月~2年くらいの牛の皮をなめして革素材とした物。子牛革である「カーフ」の下のクラスの革といったところ。表面がそれなりにきめ細かく滑らかなのでパンプスやビジネスシューズなど様々な靴の甲革に使われており、牛革の中で最も一般的な素材。ただ一口にキップと言っても質はピンきりで同じ面積で比べても値段がかなり違う。そしてそれは製品の価格にダイレクトに反映される。

 《キューバンヒール》
パンプスやサンダルのヒールデザインの一種で、後から靴を見たときに靴幅と同じ踵のパーツが地面まで真っ直ぐズドンと下りた太いデザインになっている物。高さは低い物から高いものまである。若干下に下がるにつれて絞っていくタイプのデザインも有る。

 《ギリー》
アッパーのデザインの一種で、紐留めの靴の舌革が無くその部分が波状に開いているもの。非常にクラシックなデザインで、スコットランドでスポーツをする時に履いた靴が起源。もともと男性用のデザインだが婦人靴にも使われる。

《切りっぱなし》
甲素材の継ぎ目に当たる部分は、普通素材を折り込んでその部分を糊付けするかミシンがけして革の断面が見えないように仕上げるが、そうせずに裁断したままの状態で継ぎ合わせたもの。革の裁断面が露出するということはその部分の繊維がほどけてばらついてくるので安価に造られた靴でよく見られるが、ナチュラルなイメージのカジュアルシューズではわざとこのようにラフに処理することもある。


《ぎん浮き》
本来1枚の革になっているぎん面と真皮層が部分的に分離してしまった状態。ぎん面を内側にして革を曲げた時にその分離した箇所が出っ張ってしまう。商品の靴として見かけることはまず無い。

《銀ペン》
革に裁断のラインを引くときや革どうしを貼り合わせる時の目印を記す、など靴の製造の際使用する筆記具。一般に専用の、銀色の色鉛筆状のペンで行う。書き味は鉛筆というよりクレヨンに近い。靴が完成した後外から見て銀ペンのラインが残っている場合はちゃんと消しゴムで消去する。だが意外と消し忘れて目印やラインが残っていることも多い。


《屑革》
製革工場や製靴工場で革を裁断した後の残り。1枚の革から平面時にはアルファベットのCの字のような型をした甲革、へちま形の底革など特殊な形状の部品ばかりを切り抜くので、最大限無駄の無いように革を使い切ろうとしても当然限界があり、総面積のうち結構高い率で「余り」部分が出てくる。その余った切れ端は細かい部品用の革になる他は、一旦細かく粉砕されて固められ新たな1枚の板状の革に再生される。それらは芯材など見えない部分の部品に使われる。 

《くせ付け》
本底などの部品を靴の木型に合わせるため圧力を加えて屈曲させること。もともと本底や中底といった部品は1枚の平らな板状になっており、曲面の集合体である足型に合わせるためこの作業が必要になる。

《グッドイヤー》
JIS規格に定められた靴の底付けの製法の一つ。正しくは「グッドイヤーウェルト式製法」。いわゆるオール機械縫いで甲革と底をくっつける製法で、靴の底を縫い付ける機械が発明された19世紀からある一番クラシカルな技法。特徴は、甲革、中底、中物、本底、細革を非常に複雑な縫い方で固定させており、専用の湾曲した縫い針を使用する。堅牢で細かい修理に対応できる。このことから紳士のビジネスシューズなどに現在も多く採用されている

《靴べら》
靴を履くときに踵をスムーズに靴に収めるための道具。英語では「シューホーン Shoe Horn」。動物の角が原料だった事に由来する。現在はプラスチック、ステンレス、革、木など様々な素材を用いる。スニーカーを履きなれた現代人は使わずに無理やり足を入れてしまう事が多いが、靴の踵の芯を保護するために是非使っていただきたい。

《クリーナー》
靴の甲部用の汚れ落としのこと。ペースト状、スプレータイプ、フォーム状など様々なタイプがある。スムース、スエードなど革の種類や仕上げに応じて専用の物を使用する。多くの製品は油性の汚れに対応していて便利だが、威力が強い物が多く使いすぎると革の塗装まで落としてしまうことがあるので使用時には注意が必要。

《グローブレザー》
文字通りグローブ、手袋につかうソフトな仕上げの革だが、靴のアッパーに使用すると独特の温かみのある風合いに仕上がる。特にブラウン色系のシワ感は上品。ウォーキングシューズやスニーカーでよく見かける。

《クロム鞣し》
革の鞣製方法の一つで、化学合成された鉱物系鞣し剤を用いて行なわれるもの。天然素材のタンニン鞣し法に比べて行程が少なく、コストが低く抑えられる。出来上がった革はソフトで青白い。意外と技術の発見は古く、100年以上前から利用されてきた。「クロム」という鉱物を使う方法なので環境に負荷が大きいとされているが、処理方法を誤らなければ必ずしも影響は大きくないようである。

《クロンペン》
世界各地にある木靴の一種で、オランダで造られていた。主に水辺や畑などで履く長靴代わりの靴で実用性が高い。爪先が反り上がった独特の意匠を持つ。現在では民族衣装の一部というイメージが強く、お土産などの需要が多い。英語で「クロッグ」。

《形状記憶先芯》
パンプスなどの爪先に使われる芯材は一回つぶされると元に戻らずつぶれたままになってしまい、爪先の美観を大きく損ねてしまう。その問題を解決するために開発された素材。軽く指で押す程度ならつぶれてもまた元の形に復元することができる、デリケートな製品である靴にとっては画期的な素材。


《けつ》
靴の踵部を指す時の古い俗称。パンプスとバックバルトサンダルのような踵部のある無しで分類する時に使われる。パンプスには「けつ付き」、サンダルのような踵の無い靴には「けつ無し」という呼び方をする。

《毛並》
シープスキンなどの皮に生えている毛のことが毛並みなのだが、スエードなど起毛素材の表面を毛並と呼ぶことが多い。裏側の場合もちろん本物の毛ではなく革の繊維質を逆立てたものである。美しい毛並みを長く保持させるには丁寧なブラッシングとローションなどによる早目の汚れ落としが不可欠。

《ケミカル》
「ケミカル・シューズ」を縮めた呼称で、靴を素材で分類した時の大まかな種類。
甲部が革でできたいわゆる「革靴」に対して、革以外の素材が主材料の靴のこと。
「革靴ではない靴」というニュアンスで用いる。主に合成皮革(ビニール、ポリエステルなど)のカジュアルシューズ、パンプス、サンダルなどを指す。主材料が布でできた靴もこの範囲に入るが布靴に対してはあまり使わない。

《乾皮 》
原皮の貯蔵方法は塩漬けにする「塩蔵」が一般的だが、暑い地域では天日干しにして乾燥させて腐敗を防ぐ。その工程のこと。



《ゴート》
山羊の成獣の革のこと。ゴートスキン。牛革に比べ一般的に安価であるが表面のキメの細かさは劣らないほど。だが若干革質が硬い。そのため比較的手頃な価格のビジネスシューズなどの甲部に使用されることが多い。これに比べ子山羊の革「キッド」は高級品に使われる。

《合成皮革》
アッパーの素材が革ではなく化学合成された生地を使用して製造された靴の呼び名。略して「合革(ゴウヒ)」と呼ばれる。主素材で分類する時の、革靴に対しての言い方。英語では「synthetic leather」。主に基布にビニールやウレタン系の樹脂を塗布して作られる。昭和30年代に急激に発達してきた素材。

《焦がし》
皮の色出しの仕上げで、特殊な薬品を塗りこんでその部分の色を濃くすること。塗布された部分が焼いて焦げたような風合いになるのでそう呼ばれる。あまり光沢を出し過ぎない仕上げの革に施されることが多い。アンティークで革の質感に富んだ雰囲気になるのでカジュアルなモード系の靴などでよく見かける。

《腰革》
靴を横から見たときに真ん中から後のサイド部分のパーツを指す。製造時にはこの部分で足を左右から挟むように設計されている。この部分がしっかり造られていないと使用しているうちに型が崩れ左右にふらつくようになる。。

《こば》
靴を上から見たときに、甲部に対して底周りが外側に張り出している部分のこと。エッジともいう。正確には土踏まずよりも前の外周部の張り出しの事を指す。紳士靴に多く見られる造り。一部の製法で甲革と底材を縫い合わせる時にこの部分を利用する。単にデザイン上の処理の場合も有る。こばが張り出していない靴を「こば無し」という。


《コラーゲン》
皮の主成分。アミノ酸からできており、皮の弾力性、伸縮性はこの成分による。鞣製して革にする段階でこれ以外のたんぱく質はほとんど除去される。このアミノ酸が複雑に絡み合ってできているのが「原繊維」といわれる組織で、さらにこの原繊維が何重にも絡み合って繊維質を形成している。この絡み合いの粗さと太さの具合が革のキメの細かさとなる。当然、子牛は繊維が細いので、滑らかで柔らかい革、いわゆる「カーフ」という上質革になる。


《コルク》
靴でコルクが使われる場所は主に中底(中物)が多い。外かtら直接見えない部分であるが履き心地に影響を及ぼす部位に埋め込む。その理由は他の素材に比べて比重がとても小さく弾力に富んでいるため。昔に比べて使われることは減ってきたがいまでも高級靴の中には多く見られる。他の中底の詰め物に比べて独特の柔らかい足当たりはなんとも言えず心地よい。

《ころし》
靴の内寸で、実際の足よりわざと小さく寸法をとって造る部分のこと。ボールガースの部分が主にこのような処理をされる。親指と小指の付け根周りの寸法を若干きつめに設計することで実際履いた時に程好い締め付けから来るフィット感が得られる。設計には正確な技術を要する。