走行中にエンジン警告灯が点灯して加速が悪くなりながらもなんとか会社まで辿り着いたので、点検して欲しいとのことです。

お客様の会社へ引き取りに行き、その場で診断機を繋いでみます。


エンジン出力異常とエンジン系異常の2つが記録されています。特にアイドリングでは不具合を感じないのでエラーログを消去して、状況を再現するために自走で会社に戻ってみますが、警告灯も点灯せず会社に到着。

ABS系統のエラーは恐らくエンストで電圧が下がった時に記録されたと思われるので消去。

エンジン出力異常のエラーが出てたので要求トルクと実際に発生していた駆動トルクを確認します。

整備書に従いスロットルボディ、カムセンサー、クランクセンサー、水温センサーなどを確認していきますが問題なし。

低いですね。というわけで、燃料ポンプを確認してみます。

単体での点検では抵抗値に問題は無く…元に戻します。

エンジン出力・制御に関するセンサーなどを一通り点検するも、どれも問題なさそうです。

ハイブリッド制御になってまたエンジンが掛からなくなると面倒だったので、整備モードに切り替えてエンジンを掛けっぱなしにして点検していきます。
配線側の点検をしてみるも異常は無かったのでECU不良と断定して新品部品を確認すると在庫無しの納期未定。
トヨタ プリウスα ZVW41 2014年式 56100キロ

お客様の会社へ引き取りに行き、その場で診断機を繋いでみます。


エンジン出力異常とエンジン系異常の2つが記録されています。特にアイドリングでは不具合を感じないのでエラーログを消去して、状況を再現するために自走で会社に戻ってみますが、警告灯も点灯せず会社に到着。
その後、エンジンを掛けっぱなしにしてしばらく放置してみるも、やはりアイドリングでは異常が発生しないので、もう一度試乗に行くと…
警告灯が点灯しました。お客様が言うように加速が悪くなったので左に寄せて減速するとそのままエンスト。すぐに診断機で確認すると同じエラーが出ていました。
会社に戻って詳しく点検するためにエラーを消去して走り出すと…すぐに警告灯が点灯してエンスト。まさか…とは思いましたが、再び消去して走り出すとまたエンスト。やばいな~と思いながらも引き取りに行ったときみたいに復帰してくれることを願いながら繰り返していると、バッテリーが上がったのか始動出来なくなり…諦めて積載車にて運びました。
会社に戻り補機バッテリーを確認すると問題なし。ですがブレーキを踏みエンジンスイッチを押すもそのままシャットダウンしてエンジン掛からず。再び診断機にて確認していくとエラーコードが増えてます。

ABS系統のエラーは恐らくエンストで電圧が下がった時に記録されたと思われるので消去。
ハイブリッド系のエラーコードでHV/EV系異常が出ています。




プリウスやアクアでハイブリッド警告灯が点くと、ハイブリッドバッテリーが寿命を迎えた事を示すことが多いですが、診断機でライブデータを確認するとハイブリッドバッテリーの消耗度(交換の必要性)を示す△SOCは全く問題の無い0%。
ですが各セル毎の電圧は11.0V前後でハイブリッドバッテリーの容量はかなり減っています。
ハイブリッド車のエンジン始動には補機バッテリーを使用しているという認識があったので、ハイブリッドバッテリーが弱っていてもエンジンは掛かるはずと思っていたので??となってしまいました。
疑問を解決するために整備書を確認すると、エンジン始動時には補機バッテリーを使用するがハイブリッドシステムを立ち上げる為にハイブリッドバッテリーを使用しているとのこと。恐らく何度もエンジン始動を繰り返したことでハイブリッドバッテリーが上がってしまったようです。
ハイブリッドバッテリーが上がってしまった時には専用の充電器が必要との記載がありましたので、取引先に確認するとそういった充電器は販売されていないとの回答。トヨタディーラーにお願いするしかないのかな~と思いましたが、とりあえず今回の故障の原因を先に解明しようと再び診断機にて、警告灯が点灯した時のフリーズフレームデータを確認します。

エンジン出力異常のエラーが出てたので要求トルクと実際に発生していた駆動トルクを確認します。
要求トルクの求め方は、エンジン出力要求値17KWを目標エンジン回転数1000r/minで割ったあとに係数9554を掛けて出た162.4Nmが要求トルクとなります。これと発生駆動トルク27.3Nmを比べたときに要求トルクの60%以上があれば正常の判定になるみたいなんですが、およそ17%…


整備書に従いスロットルボディ、カムセンサー、クランクセンサー、水温センサーなどを確認していきますが問題なし。
燃圧を確認すると


低いですね。というわけで、燃料ポンプを確認してみます。

単体での点検では抵抗値に問題は無く…元に戻します。

エンジン出力・制御に関するセンサーなどを一通り点検するも、どれも問題なさそうです。
他の仕事も溜まってきてたので、ひとまずプリウスαの点検は休憩と同時に、ずっと診断機を繋いでいたので休日に入る前に補機バッテリーにシーテックの充電器を繋いでおきました。
休日明けに再び診断機を確認していると…なぜかハイブリッドバッテリーが復活しています。チャンスだと思いエンジンを始動してみると…無事に掛かりました!
燃圧計を繋いだままだったので確認するとこれも問題なし。

ハイブリッド制御になってまたエンジンが掛からなくなると面倒だったので、整備モードに切り替えてエンジンを掛けっぱなしにして点検していきます。
エンジン関係のライブデータを見てみるとアイドリングなのにおかしな数値が出ています。

ずっと変わらない冷却水温、アイドリングなのに3000~10000回転ぐらいを行き来するエンジン回転数、制止してるのに0じゃない車速、1秒毎に何十秒も加算されていくエンジン始動後経過時間…他にもいくつか異常項目がありました。

先日見たときは問題なかったような…

ずっと変わらない冷却水温、アイドリングなのに3000~10000回転ぐらいを行き来するエンジン回転数、制止してるのに0じゃない車速、1秒毎に何十秒も加算されていくエンジン始動後経過時間…他にもいくつか異常項目がありました。

先日見たときは問題なかったような…
なぜだろうと色々確認していると、トヨタのハイブリッド車はエンジン用とハイブリッド用の2つのECUで制御していて別々のライブデータを参照出来るみたいで、先日はハイブリッド系の異常を疑ってハイブリッドを制御するECUのライブデータを見てたみたいで、こちらは正常な回転数や温度を表示しています。
各種センサーは先日点検して問題ないことを確認していますし、同時にいくつものセンサーが壊れることも考えにくいですし、そうなるとエンジン制御用のECUが原因っぽいですね。

配線側の点検をしてみるも異常は無かったのでECU不良と断定して新品部品を確認すると在庫無しの納期未定。
お客様に報告して中古部品を手配することになりました。


2つあるECUの片方を交換すると、交換してないECUから交換したECUに現車のデータをコピーするみたいで、イモビライザーの登録などはしなくても大丈夫なようです。




交換後にライブデータを確認すると全ての項目が正常な数値を表示しています。


2つあるECUの片方を交換すると、交換してないECUから交換したECUに現車のデータをコピーするみたいで、イモビライザーの登録などはしなくても大丈夫なようです。




交換後にライブデータを確認すると全ての項目が正常な数値を表示しています。
その後、入念に試乗をして異常が出ないことを確認して修理完了となりました。
今回の修理は故障事例として聞いたことがなかったので、原因特定までに時間が掛かってしまいお客様は高額な修理や原因不明で再発するんじゃないかと心配しておられましたが、原因が特定出来て中古部品での修理となったので修理代もそんなに高くならず喜んで頂けました。
今回の修理は故障事例として聞いたことがなかったので、原因特定までに時間が掛かってしまいお客様は高額な修理や原因不明で再発するんじゃないかと心配しておられましたが、原因が特定出来て中古部品での修理となったので修理代もそんなに高くならず喜んで頂けました。
皆様からの整備のご依頼お待ちしてます。