エンジンの調子が悪いとの事で搬送されてきました。早速みてみると、アイドリングは不規則な振動があり走行中も吹け上がりが悪いです。ただ、よくあるイグニッションコイルの不良で1気筒死んでる症状よりも酷い状態ですね。
ダイハツ ハイゼット S210V 55600キロ

まずは1番疑わしいイグニッションコイルとプラグを点検します。

イグニッションコイルは見た目で判断できるクラックなどは無かったんですが、プラグは問題ありですね。

消耗もしてますが、1番シリンダー(以降はシリンダーを省略)は燃焼状態が悪く、2番と3番はガソリンの付着が激しいです。とりあえず点火系が悪いのは間違いないので、プラグを新品に交換します。
プラグの交換後、イグニッションコイルを元の位置に戻してエンジンを始動してみるも…掛からず(^^;)
タイミング悪く?入庫時よりも状態が悪くなりました…

イグニッションコイル不良の可能性が高いので、当店の代車から外してきて入れ替えてみると…掛かりました!
このまま全数交換となれば点検は終わりなんですが、それなりに値段のする部品なので不良箇所を特定していきたいと思います。

1番は元々のイグニッションコイルで、燃料の付着が多かった2番と3番を正常なコイルに交換してみると…
エンジンは掛かりました。但し先ほどの3箇所とも交換した時と比べると、若干吹け上がりが悪いように感じます。

次に1番と2番を元のままにして3番のみを交換すると…

次に1番と2番を元のままにして3番のみを交換すると…
エンジン掛からず。

1番と3番を元のままにして2番のみを交換すると…

1番と3番を元のままにして2番のみを交換すると…
エンジン掛からず。

ほぼ特定していますが念の為。1番に元々3番に入っていたコイル、2番と3番は交換すると…

ほぼ特定していますが念の為。1番に元々3番に入っていたコイル、2番と3番は交換すると…
やはりエンジン掛からず。

最後に1番に元々2番に入っていたコイル、2番と3番は交換すると…

最後に1番に元々2番に入っていたコイル、2番と3番は交換すると…
これもやはりエンジン掛からず。
3気筒エンジンで1気筒爆発しない状況では不調ながらもエンジンは掛かるもんのんですが、さすがに2気筒爆発してないと無理でしたね(^^ )
というわけで、結果としては2番と3番に入っていたイグニッションコイルはほぼ点火していないので要交換、1番のイグニッションコイルは全く点火していないわけではないけど点火が弱いので出来れば交換って感じです。
依頼元である同業者に確認すると全数交換となりました。
但し中古品で(^^;)
まぁダメではないんですが、、、
イグニッションコイルは消耗品の部類なわけで、、、
消耗品を中古品でというのは、、、(^^;)

後日、中古部品が届いたので全数交換して、状態を確認。
現時点では回転数も安定して加速も問題ありません。

ついでに~と頼まれていたベルト交換。

ついでに~と頼まれていたベルト交換。
リフトアップして作業を進めます。

取り外したベルト。

新品のベルトを取り付けて作業完了です。

取り外したベルト。

新品のベルトを取り付けて作業完了です。
今回のイグニッションコイル不良はたまたま同時に点火しなくなった可能性も無いとは言えませんが、恐らく以前から徐々に?順番に?調子が悪くなっていたのではないかなと。
ちょっとぐらい調子が悪くなっただけだと車屋さんに見せに行くのが面倒だと思う方も居られるかもしれませんが、そのまま放置してしまうと今回の様に走行出来なくなる一歩手前になったり、最悪の場合は路上で動かなくなる可能性もあります。そうなると車屋さんに行く以上に労力が必要になりますし、場所によっては渋滞を引き起こしたり…
あとは不良箇所を庇うことで他の部品も壊れる可能性があり、修理費用が高くなることもあります。
なので、いつもと違うなと感じたらなるべく早く行きつけの車屋さんに行くことをオススメします。
皆様からの整備の御依頼をお待ちしています。