休むに似ている

「バカの考え」だけに(笑)。

『狂鬼人間』

2007年07月27日 | 特撮
【刑法39条】
心神喪失者の行為は罰しない。
②心神耗弱者の行為はその刑を減軽する。

『怪奇大作戦』お蔵入りエピソードとして有名な『狂鬼人間』
YouTubeでは抹消済(ニコ動は不明)なので、もうちと詳しいとこ


とりあえず、刑法39条の趣旨は
「心神喪失者」=「責任能力なき者」の行為を罰しないということ。
では、責任能力とは何ぞや?
責任能力なき者が処罰されないのは何故か?
という話になりますが、
かなり長い話になるので一気に割愛(笑。

とりあえず、Wikiの【責任能力】で大まかに。
で、もうちょい詳しく定義すれば責任能力とは

「反規範的意思を持つ精神能力」
(林幹人『刑法総論』東京大学出版会)

つまり、元々社会や他人への加害の意思がないのに、
病気や外部的要因(酒や薬など)によって、
加害行為を認識・抑止できない状態。
この状態の人間には「刑罰」は及ばない、
とするのが刑法39条の意図。
(あくまで社会防衛的見地からの考え方ではありますが)

そして、責任無能力者が(刑法により)処罰されない根拠としては、
・責任無能力者を処罰しても、他の責任無能力者への抑止効果はない。
(病人は勿論、飲酒・投薬行為に害意はない。刑罰による抑止不可能)
・責任無能力者は、元々社会や他者への害意が存在しないのであり、
 刑法的処罰をしなくとも、更なる犯罪に駆り立てられることはない。
      ↑
おそらく、これら根拠から誰もが考えるであろう問題は、
「責任能力のある者が、責任無能力制度によって処罰を免れることをあてこんで犯罪を犯してしまう」
というケース。(つまり『狂鬼人間』ですな)

しかし、この場合もリアル世界では
キッチリ処罰の対象となります。
それが「原因において自由な行為」
(但し、理論上の論点は多々あり)

なので、例え「狂わせ屋」が期待通り
あなたを狂わせてくたとしても、
狂ってない時点で反規範的意思
(この場合、人への害意・殺意)が存在し、
自由意思で狂わされることを選択した以上、
刑法39条は適用されず、
通常の殺人罪として処罰されることになります。
ちゃんちゃん♪
勿論、酒や薬についても同様。
そうそう上手い具合にはいかないもの。

また、民事責任は刑事責任とは別に
追求されることになりますので、
巨額の損害賠償請求がドーンと
喰らわされることも覚悟すべきでしょう。

で、この話の続き。ちとマジな話。