連れて逃げてよ…

2009-01-05 16:38:37 | インポート

正月休みは、何故こんなに時間が経つのが遅いのだろう。

いつもは、週末を終えたと思ったらまた週末だ、
と、目まぐるしく一週間がくり返されるというのに、
この数日は、不思議な時間感覚に襲われる。
特に、睡眠時間が不規則なせいか、
一日がいつ終って、いつ始まったのか分からなくなる。
大晦日からまだ一週間も経っていないなんて。おかしいぞ。

年初めの作業として、ホームページの更新。
何気に昔の画像などをアップしてると懐かしくなる。
自分で言うのもなんだけど、
星屑スキャットのフライヤーは面白いなぁ。

ある程度終えて一眠りすると、朝6時。
こんな朝早くにスッキリ目覚めるなんて、そうはない。
ファミレスで朝食。そのままの気分で自転車を走らせてみる。
過ぎ行く人たちは、新年一発目の出勤といった感じか。
みんな、清々しい顔をして歩いていた。
そんな社会人をよそ目にサイクリングをするのが、
結構楽しい。
谷中霊園を走っていたら、とてもいい気分になり、
フと、去年の元旦サイクリングで行くのを諦めた、
柴又の矢切の渡しが頭をよぎる。

そうと決まれば、何となく北東だナ…、
と、ダラダラと走る。
日本堤、向島、東あずま、小松川…。
朝の9時にボーッと座って眺める荒川は、最高だ。
空には雲一つない、贅沢な心地である。

荒川沿いに住みたいな…。

と思ったけれど、
こうやって時間があるときに、
自転車を走らせれば2時間で来れるんだから、
そのくらいが気分転換には適度かもしれない。

小岩あたりを過ぎると、
藤圭子の「恋は小岩とヘタなシャレ~」を、
ヘビーローテーションで口づさむ。
その流れで八代亜紀の「夜の新宿裏通り~」、
となるころには、青砥。
そして、高砂を越えて、
ちあきなおみの「矢切の~渡~し~」になるころ、
目的地、柴又へ到着。

柴又帝釈天までの露店に心がはずむ。
この楽しみは帰りに取っておいて、
目指すは「矢切の渡し」。

そこには、
「『矢切の渡し』饅頭はいかがですかぁ~」とか、
「『矢切の渡し』手ぬぐいはいかがですかぁ~」
みたいな店がワイワイやっているのかと思っていたら、
全然そんなことはなく、
よくある土手の運動公園の中に、
ポツッと小さな船着き場があるだけだった。
そこだけモシャッと木々が茂っている。それだけ。

それがまたイイ感じでアル。

色んな人から聞いていた情報では、
「え?これだけ?」みたいな感じだったみたいだけど、
乗ってみると、結構ゆっくりと進んで気持ちがよい。
柴又から、矢切へ。
矢切は、千葉県松戸らしい。
そうか、あの歌は、東京からも離れるくらいの、
「明日へ漕ぎ出す」駆け落ちだったのネ。

というか、またワタシは千葉県まで足を運んでいるではないか…。

矢切側の船着き場でフランクフルトとラムネを買って、
繋がれた灰色の犬と戯れ、
ひと時の矢切を楽しんで、また、柴又へ。

駅前のイカしたママの店で、つぶ貝と砂肝と熱燗。
念願の柴又紀行を、一年越しに達成出来た。