電撃的東京

2009-12-29 19:59:46 | インポート

あれからというもの、
夜間飛行では「青い地平線」ブームが到来。
サウンドインSごっこを閉店後に一人でやっていたものを、
今では営業中にガンガン流してみんなで踊っている。
平均的に皆、ジュディの「魅せられて」みたいな動きをしている。

そんな素敵なMIX-CDをくださった永田さん。
ある日、無性に近田さんのレコードが聴きたくなり、
誰も来ないお店の早い時間に、あれやこれやとかけていると、
再び永田さんが呑みに来てくれて、
「今度、ヒカシューのライブでDVDJをするんですよ!」
という情報を教えてくれた。しかも、ゲストに近田さんが出るという。
これは観に行かねば!と、当日券で滑り込みクアトロへ。

永田さんの、電波ジャックのような強烈なDVDJにアガりつつ、
オープニングアクトの相対性理論を初めて観る。
これは人気出るわな~。納得。演奏もカッコイイ。
そして、ヒカシューの登場。しかも初期メンバーが揃っている!
「幼虫の危機」なんかが聴けた時は、
もう涙がちょちょぎれそうになった。
巻上さんの‘宇宙少年’な感じは永遠だ。
そして、ゲストの近田さんが「エレクトリック・ラブストーリー」を唄った。
こんな奇跡があっていいものか…!あぁメリークリスマス…!
年末のラストライブ観覧としては、最高の一夜であった。

近田センセイ。もう一度、歌謡曲を書いてくれないかな…。

*****

夜間飛行の営業は、
年末は、明日30日までの営業。
年始は、1月6日からの予定です。

そして、唄い始めは1月3日、
新宿2丁目のクラブ「ArcH」でのイベント、
「Living Together Lounge」で唄います。
入場無料。夜7時くらいから。
新年らしく、演歌、ブッちぎりますので…。

それでは皆様、今年も応援ありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。



ぬかるみの女

2009-12-22 22:49:09 | インポート

ワタシの故郷、福岡では、
花登筐センセイのドラマが頻繁に再放送されている。
それはワタシが気付いた頃、確か高校生くらいの頃から、
何度もリピートして放送されており、何故か今でも続いている。
「ぬかるみの女」「あかんたれ」…。

特に「ぬかるみの女」は、ワタシの思春期のオカマ心を刺激しまくった。
昭和40年代のキャバレーという舞台設定、ファッション、メイク。
そして何と言っても、ダンサー同士のオンナの戦い。
今ではケラケラ笑って見るだろうものを、
その頃はただただジーッ…と凝視するように、
母親と一緒に見ていた覚えがある。(母は心配だっただろう)

*****

今年初めに監修・選曲させてもらった「新宿・盛り場・これくしょん」に、
その主題歌「ぬかるみの女」(唄/石川さゆり)を入れたのも、
そんな思い入れがあって、実現したものである。
その頃から、フと「ぬかるみの女」が見たくなり、
福岡にいる友人のフクトミコに連絡をして、録画をお願いした。
「ぬかるみの女」「続・ぬかるみの女」、合わせて何話になるだろうか…。
20話分ほど溜まっては送ってもらうという過酷な作業の依頼を、
快く承けてくれた、フクトミコに感謝。

*****

久々に見る「ぬかるみ」。懐かしい面々、甦る記憶…。
誠実さをモットーとする‘星由里子’演じる文子。
そして、イジワルをモットーとする‘真木洋子’演じるアケミ。
そして文子を支える役で、義理の弟の‘三波豊和’演じる正和。
三波豊和、カワイイ…。

三波豊和さんがブログをやっていて(!)、
覗いてみると、ぬかるみの女の制作秘話が書いてあった。
知らなかったことばかりで驚いたが、
一番驚いたのが、星由里子さんと花登筐センセイは結婚していたこと。
コレ…常識ですか…ネ?
恥ずかしながら知らなかった。
あと、星由里子の子供役の博子が、嶺川貴子さんであったこと。
今では小山田圭吾さんの奧様ですか。コレにもビックリ。

このドラマを見ながら、
今ではワタシも水商売か…と不思議な気持ちになった。
まさかワタシが自分の店を持ってママをやっているなんて、
高校生の頃には考えてもみなかったが、
むしろ、考えもせず見たり聴いたり知ったりしたことが、
後のワタシに知らずと影響を与えてたりすることが多い。
(というか昔は何にも考えていなかったワ…)

このドラマの中でアケミの、
「ワタシの好きな香水は『夜間飛行』…」というセリフで、
初めてゲランの『夜間飛行』という香水を知った。
それがずっと頭に残っていて、
ワタシがステージに立つようになった頃、
香水は『夜間飛行』にしようと何となく決めていた。

今、ワタシはその『夜間飛行』を付けて唄っているが、
それがこのドラマの影響だったことを、今回久々に思い出した。
と同時に、
ウチの店の屋号までが『夜間飛行』であることに気付いた時、
この『夜間飛行』という言葉がどんだけ好きなんよ…と、
因果めいたものを感じちょっとだけゾッとした。




青い地平線

2009-12-13 07:48:11 | インポート

ここ一ヶ月の間、突然頭の中で流れ出した曲があり、
それが、誰が唄っていてどんなタイトルだったのかが思い出せず、
知っていそうな人がいれば口ずさんでは聞いていた日々だった。

♪恋は~~~ フフフフフ~フフ~ フフフフ~フフ~ フフ~フフ~~~~

ある夜、店を閉めて近所のプラスチックモデルへ呑みに行って、
関根さんなら知ってるかも!と思い、
♪恋は~~~ フフフフフ~フフ~…と唄って聞かせると、
「あ!知ってる!知ってるけど…え~っと、誰だっけ…」
と必死で思い出していたが、なかなか答えを出せなかった。
すると、周りにいたお客さんも、
「何か聞いたことあるかも…」と食いついてきて、
再び、♪恋は~~~…と唄うと、
その店にいた人たち皆が「えっと~~…」と頭を悩ませて、
終いには店内の音を消してまでして、♪恋は~~~…を何度も唄い、
この‘思い出せない曲を抱える悶々’をみんなに感染させてしまった。

皆、聞いた事はあるのに、それが何の曲だか分からない、不思議な曲。

それから、何人の人たちにこの‘悶々’を感染させただろうか…。
昨晩、渚さんのライブのゲスト出演の日、
楽屋でメイクをしながら渚さんと話をしている中、
永田さんの客入れDJが流れたとき、フとこの悶々を思い出したので、
「ようこさん!最近気になっては誰が唄ってるのか分からない曲があるんですけど」
と言って、♪恋は~~~ フフフフフ~フフ~…と、いつものように唄ってみると、
「あ~、知ってる。それ永田さんに聞けば分かるよ」
と、話をした数分後、

♪恋は~~~ 男と女~~
と、まるでワタシたちの話を聞いてたかのように、偶然その曲が流れてきた。

終演後、急いで永田さんの所へ向かい、その曲が何なのかを聞きに行くと、
「あぁ、それは『青い地平線』ですネ」と、EPを見せてくれた。
「ブレッド&バターが変名で唄っていて、◎◎という番組で使われて…」
など色々と教えてくれた。

永田一直さんは渚さんのライブでよくDJをされていて、
ワタシは今まで面識がなく、この機会でご挨拶が出来たのだが、
よく考えてみれば、あの曲がワタシの中に印象付けられたのは、
以前の渚さんのライブの休憩時間にこの曲が流れていたのがキッカケで、
その感染源は、実は永田さん本人であったことが判明し、
この‘悶々’を永田さんで打破出来たという事実は、何ともおかしな話である。

その後、お店に入っていたら、永田さんが呑みにきてくれて、
その「青い地平線」が入ったMIX-CDをくださった。
「ワタシは元々テクノの人間だったんですが…」と話していたのを聞き、
フとDJのぶちょうさんが薦めていた、
「イライザ・ロイヤル&アサミックス・ジュース 」というユニットを思い出し、
「そう言えば、あの『RAPE FEELING』ってヤツ、スゴいですね。笑っちゃいました」
と話すと、「何でそんなの知ってるの?しかも本日発売なんですよ…」と驚いていた。

その後お店では、そのMIX-CDをかけまくり。
『青い地平線』に繋がる前にかかる♪チョコレ~ト ロッテ~も、
永田さんが良くかけていた曲で、これにもハマりまくってしまい、
お店を閉めたあと、大音量で何度も何度もリピートして聞きまくり、
誰もいない店内で‘しばたはつみ’ごっごを一人、
サウンドインSばりに踊りまくった、朝7時。
そのままガソリン切れにて撃沈…。


FUZZ弁当

2009-12-08 18:09:04 | インポート

12月11日にある渚ようこさんのライブにゲスト出演するため、
そのリハーサルが新宿であった。

四季の道の出口にあるそのスタジオは、
昔から、夜間飛行への出勤途中でいつも見かけては気になっていて、
真っ黒に塗られた小屋のような建物は、人の気配もなく不気味だった。

しかし、或る日フと気が付くと、その建物は激安弁当屋になっていた。
(ああ…きっとスタジオは潰れたのね…)、と思っていたのだが、
今回のリハーサルの件で、渚さんからのメールを見てみると、
明らかにその弁当屋のある場所を指示してある。
「?」と思いながらも当日そこへ向かってみると、確かにスタジオの看板はあり、
そのスタジオの一室を使って、弁当屋を営業していたのだった。

何号室なのかを聞かぬまま、うっすら聴こえてくる音を頼りに、
弁当屋(になったスタジオ)の隣りにある階段を登っていくと、
微かに音は聴こえてくるのに、受付は真っ暗で誰も居ない。
小さな水槽が不気味に光っていた。
オカシイナ…と思いながらも演奏が終わるのを待って、
いざスタジオの扉を開けると、スッカラカンで誰もいない…。
他にはスタジオが見当たらない…しかし音は確実に聴こえている…。

どうなってるんだココは?!

また階段を降りて、入り口でモゾモゾしていると、
受付のオジサンらしき人が外から帰ってきたので、
「あの…」と声をかけると、「あ、渚さんの??コチラですよ」
と通されたのが、その弁当屋になった部屋で、
その奧から確かに渚さんのパンチのある声が聴こえていたのだった。

なんちゅうリハスタだ…。まぁ好きだけど、こういう感じ。

久々にカルガモネンドとご対面。
2年ぶりくらいか、昔、高円寺のUFO CLUBで共演して以来だった。
相も変わらずFUZZが効きまくりのカッコイイ演奏。
そんな彼らと渚さんの唄の相性はグンバツで、
お互い、巡り会うべきして出会った感じである。
ワタシも負けじと選んだファズ歌謡を1曲やらせて頂くと、
彼らのエンタテインメント性と共鳴出来る、素晴らしい仕上がりに。
イイ感じであ~る。

サクッとワタシのリハは終了し、
ベケベケ鳴る音を背中に弁当屋を後にした。

‘新宿を背負う女’渚ようこという歌手は、
なるほど、こういう所で作られるのダナ、ダナダナ……。


ちあきなおみ探訪

2009-12-02 08:34:42 | インポート

真夜中の居酒屋にて…もつ焼きと炙り明太子と寒ブリをつまみに過ごす。
ワタシにとっての、今現在の最高の至福の時間である。
しかし、ヒマな毎日ともこの辺でそろそろおサラバしなくては。
明日から、来年のLIVE IN COREDOに向けての準備が始まる。
「ちあきなおみ」を唄う…。

乃木坂にあるCOREDOは、昔、広尾にあった喫茶店で、
ちあきさんと郷さんが一緒に始めたお店として、
ファンの間では有名な場所である。
いつかここで…と思っていたライブが2月に決まった。
初めてCOREDOで唄うときは、
その‘私的’こけら落としとして、
全曲、ちあきなおみさんのオリジナルを唄う、
というライブをすることに昔から決めていたのだ。

セットリストを少しずつ練ってはいるが、なかなか難しい。
営業中、いつも以上にちあきさんのCDを掛けながら、
もう一度、コロムビア時代からテイチク時代まで、
全てのちあきさんの楽曲を耳通ししていた。

そんな最近、ちあきさんの特番がBSで放送された。
生放送、リクエスト、秘蔵映像の数々…。

録画してもらったものを後日拝見した。
ちあきなおみという歌手の凄みを、改めて実感。
ただ、ワタシが彼女を愛して止まないのは、
完璧に歌世界を演じる中に、
彼女の持つ人柄、歌への忠誠心、聞き手への謙虚さがにじみ出ている、
というところだ。
「歌手」として背負う人生までもが…見えてくる。

ちあきなおみファンを公言はしているが、
ライブタイトルに「ちあきなおみ」という名前を入れたことは、
今まで一度もない。
こりゃ、大変なことをしちまった…。

COREDOだからこそ、これが許されるものだと信じて…。
ちあきファンの方、どうか、お手柔らかに。

そして、拝啓ちあきなおみ様。
勝手なことを企画しましたこと、どうかお許しくださいませ…。