バーがもたらす奇遇

2008-04-30 08:02:48 | インポート

今夜のフライト。

ちあき同盟のkenkenさんが、先日置き忘れたルーペを取りにやってきて、その次いでといって、前回話していた宇崎竜童の「女たちへ…」シリーズのCDや、ちあきなおみON STAGEのLP、さらには、なかにし礼監修の木の実ナナのイカしたジャケットのLPなどなど、ワタシにとってはヨダレが垂れるほどのブツのオンパレードをお店に持ってきてくれた。浜圭介の自身のLP「春夏秋冬20年」で唄っていた「夜の手袋」という歌を、木の実ナナが唄っていて、突然のミニ情報がワタシの浜圭介ナイトの最終調整に刺激を与えてくれた。どうしよう…唄いたいカモカモ。

この日はとても「リンク」する日だった。
先日UFO CLUBで一緒だったスターフルーツサーフライダーのキヨミヤくんがいらしてくれて、色々お話していたのだが、ゴールデン街は初めてだったみたいで、「昔、ドキュメント番組でゴールデン街のあるバーを数年間取材し続けてた番組があって、それを見てこの街を知ったんですヨ…」と話してくれた。その後歌謡談義に華を咲かせて彼はお店を出たのであるが、次に、表の怪しげな看板やチラシを見て飛び込みで入ってきたという女の子が、大阪からブラリ旅でやってきたらしく、東京では歌舞伎町に来たかったのだと言いながら「昔、ドキュメント番組でゴールデン街のあるバーを…」とさっき聞いたばかりのフレーズを話し始めたので、ギョッとして、「もしかして、それってどこかのバーを何年か撮り続けてた…ってヤツ?」というと、「そうそう!」となって非常に驚いたのだが、大阪からやってきたということだったので「この前、京橋にあるベロニカって所でライブをしに大阪行ってたんですよ」と言うと、「ワタシ、1年前ベロニカで働いてました!」となりさらに驚く。さらに、この店のあと飛び込むとしたら、どこがイイですかね?と言われ、火曜日だったこともあり、「『ソワレ』がいいんじゃない?トースティという可愛くてブッ飛んだ女の子がいるよ~」と勧めていたら、ドンドンドンと階段を上がって久々登場のノドカさんが第一声「ねぇ和恵ちゃんトースティ知ってる?」となり、驚きを超えてこの状況に怖くなった。

片付けをしていると、忘れ物を取りに来たはずのkenkenさんのルーペがまたカウンターに置き忘れてあった…。


ざわめく

2008-04-29 17:28:14 | インポート
フライトが唯一おやすみの日、ゆっくり休息したいところだが、こういう日に限って朝から目が冴える。陽気な天気のせいもあるだろうが、街散策の欲求を押さえられずウチを飛び出す。と言っても結局は浜圭介ナイトや他に進めてる細々としたデザインの仕事やお店のメンテナンスに休日は消費されてしまう。全てをこなしつつ、うまくサイクリングを取り込み街散策を敢行した。

どうしても必要な音源が渋谷にしかなかったため、チャリンコで気持ち良く向かい、手に入れたはよいが、その後からがどうも心の調子が良くない。受け止める全ての事がワタシの心を波立てる。買ってきた音源をお店に戻って流していても、ちっとも心に届かない。ウチに戻って作業をしても、何も手に着かない…。

どうしようもなくなって、ワタシは「フテ寝」を決め込んだ。心よ…穏やかになりたもれ…。

深夜に目を覚ます。まだ微妙にざわついている感覚を残したまま、ケンケンチーママ夜間飛行へ顔を出す。清水ミチコの顔真似の本でずいぶんとトゲは取れ、少し波が穏やかになったはずだったが…、朝方に近所の大オカマとバトルしてしまい、結局またワタシの心は大シケに。

ダメダメな一日だ…。

店を閉めるケンケンと聖兒君を誘ってマリのうどん屋で朝食を取る。マリように自己主張が強いうどん屋…。帰り、いつもの一人孤独に佇んでいた(と勘違いしていた)あの黒猫にあのオババが今日も餌を与えていて、これが噂の…と聖兒くんに紹介しようと目の前を通り過ぎると…新たにリボンを付けたピーターラビットのようなウサギが加わって一緒に餌を食っていて、予想外の新メンバーの登場に急激な脱力感に襲われた。

次の日、ワタシは本丸で寝転びながら心の中に問うてみる。「心の波を静寂に、一切の揺れを止め、その上にたゆたう舟を落ち着かせよ。その後、ゆっくりとワタシのほうに引き寄せよ」と、答えが帰ってきた。


プリクラエネマグラ

2008-04-28 02:23:24 | インポート

目まぐるしい週末の夜間飛行。色んな方たちがいらしてくれた。音楽関係、テレビ関係、デザイン関係、全てワタシにとって何かを一緒にやってみたい強力な方たちばかりだった。

大学時代に同じ学科で学んでいて、かつバンドで一緒に黒塗りしてジャズバンドのフロントを勤めた4人娘の一人、リカコがお店に現れた。たまに大学時代からのクセで、デザインの世界から離れてしまった今でも、時代感覚をデザイン雑誌で垣間みようと試みるワタシなのだが、彼女は、若手デザイナーのトップとして取り上げられるほどに有名になり、特集されているページを立ち読みしながら、何故かワタシが勝手に誇らしくなっていた。そんな彼女を連れてきてくれたのは、常連のイノッチで、彼も大学時代の友人。久々に懐かしく楽しくなっていると、フと思い出して、カバンの中のボーチの中にもしや…と探してみると、出てきたのはその頃にイノッチとリカコと3人で撮った若き日のプリクラ。いつも持ち歩いているポーチにちゃんと、ずーっと忍ばせていた。近所のカラオケボックスに3人で行った記念に撮ったもので、それを思い出したのがきっかけで「カラオケ行こう!」なんて運びになり、片付けも放り出して店を閉めて近くのカラオケボックスに流れ込んだ。リカコは相変わらずソウルフルで、イノッチは相変わらずキモチワルイ声を出していた。ワタシも珍しく酔っぱらってしまい、リカコとダンスユニットを即興で結成したり、それもこれも、ホント、変わってないな…。

イノッチがお店に来ると、いつも大勢のお友達を連れてきては「リサイタルのビデオ、流して!」と言ってみんなにワタシを楽しそうに紹介してくれる。そして、自分で言うのもなんだが、リカコはワタシの唄っている姿を見て、涙を流していた。ワタシの原点から見守ってくれる人たちが、こうやって今もワタシを見続けてくれることが、本当に嬉しくて嬉しくて、正直、ワタシのほうが泣きそうだった。

久々の二日酔いでウンごく気持ち悪い日曜日の夜間飛行だったが、静かに三善英史を流してボーッと店の整理をしていたら、日曜だというのに何気にお客さんは来てくれて、ソワレ時代以来逢えなかったメンズカップルちゃんの片割れ君が久々に顔を出してくれたりと、充実した日曜日だった。新宿フォークの大ちゃんとコーヒーカラーの仲山くんとマキコ氏が揃い踏みでやってきて、エネマグラの話になって「ギャランティーク和恵とエネマグラ」というバンド名を襲名されたり、おみやげのハーゲンダッツについていたドライアイスを砕き、マドラーのコップに入れてカウンターが夜ヒット状態になったり、手相占いを始めたり、この人たちは見た目とても大人なクセしてやることが大胆なのがとても良い。





なのにあなたは八坂へ行くの ~関西4日目~

2008-04-24 06:15:44 | インポート

関くんチで一眠りするはずだったが、中途半端に朝がやってきたので、そのまま京都駅まで行き、ロッカーに荷物を入れ、必ず行くと決めていた「ある場所」へとぼとぼと歩きながら向かった。途中、関くんチに鍵を返しにそ~っとウチに入ってサラサラとお手紙を書いて、さて…とゆっくり立ち上がると、「ムニャ?」という感じで目を覚ました。とにかく彼は「ムニャ?」とかいう効果音が非常に似合う。お別れの挨拶をして、ワタシは八坂神社へさらにとぼとぼと歩く。ワタシの大好きな鴨川に沿って…。ゆっくりと朝日が登りはじめる。さっきまで酒を呑んでたのが不思議なくらい、健全な精神状態であった。

八坂神社に到着すると、境内には誰もいなかったが、監視員のようなオジさんが、行く所行く所ワタシの後ろをついてきた。八坂さまは、芸能の神様でもあるらしい。もちろんしっかりとお祈りをした。しかし、ワタシが行かなくてはいけない「ある場所」とは、そのさらに奧の「円山公園」の更に奧の山の中にある神社であった。

先日の大阪で再会した幼なじみの友人は、学生の頃京都に住んでいて、ワタシも学生時代、京都へ旅行に行く時は、よく泊まらせてもらっていたのだが、その時に彼と八坂神社へお参りに行ったあと、ワタシの放浪癖に付き合ってもらい、円山公園を抜け、さらに奧へと散歩をしていたら、小さな小さな神社に出くわした。そこは「芸能の神様」であることが分かり、その当時ワタシはまだソロで歌手活動を始めていなかったのだが、何故か真剣にお祈りをした記憶がある。どうしてもその神社に改めて今、もう一度行かなくてはいけない…という想いがワタシの中にあり、今回その目的を達成したいと思っていた。

記憶を呼び起こしながら、ここかな…いや…違う…ここかな…いや…違う…いや…ここかも…とドキドキしながら再び出会えることを願いつつ歩いていると、やっとその神社が目の前に現れた。前に来た時と同じく、それはひっそりと佇んでいた。感激…。ワタシはそこで今日までの活動に深く感謝すると共に、さらなる決意を伝えた。ワタシにとっての大事な場所。

清々しい心がさらなる散歩に誘い、さらに奧へと入っていくと、だんだんと獣道になってゆき、妙に血は騒ぎ、妙に欲情し、ムラムラ気分がさらに奧へと足を運ばせた。木々の奧から眩しい朝日が漏れてくる。坂道は険しくなり、標高はどんどん上がってゆく。「ちょっと登り過ぎでは…」と頭によぎろうと、ズンズンと足は勝手に前へと踏み出す。

気付くと、ワタシは東山の山頂まで登っていた。さすがに自分でも驚いた。さっき写真を撮った京都タワーが小さく見える。来る予定などなかったのに、何かに取り憑かれたようにこんな所まで歩いてきてしまった自分を振り返ると、何故かワタシは「京都でやらなくてはいけないこと」をやり遂げたような気がした。



京ものがたり ~関西3日目~

2008-04-24 04:56:37 | インポート

京都公演当日。その日仕事の関くんは、何度も鳴る目覚ましに全く反応せず、前にも宿泊させてもらった時と同様、この人は仕事に行く気がないのかしら…?と背中で気にしながらも浅い眠りをくり返していると、耳の側でシンバルのような爆音が鳴り響き、その音でさすがに目を覚ました関くんは、「フィ~」と呟きながらサクサクと仕事の準備をして出て行った。…さっきまでの目覚ましは何だったのよ…!しかし毎度この光景を目にすると、愛おしい気持ちになってしまうのは何故だろう。

ワタシは爆音目覚ましに心臓が破裂するかと思うほど驚かされ、二日酔いと相まって目が覚めた。

前回の京都ツアーの時に、関くんからプレゼントで「玉置宏ナレーション入りカラオケLP」を頂いたことを、昨晩の食事の時に思い出して話していたら、そのLPを買った蚤の市が毎月21日に東寺で開催されていて、明日がその蚤の市の日だヨ!と教えてくれたので、ライブ前に巡ろうと思っていた八坂神社などのルートにその蚤の市を加えようと意気込んでいたのだが…。

コンビニで軽い朝食を買って関くんのウチでボーッとしていると、また眠気を催したので、昼くらいまでまた眠ろう…と目覚ましをセットして布団に入ったが最後、何度もスヌーズ機能で起されたものの、会場入りまで残り2時間を切った状態で起きてしまった。これではまた先日のコマ事件と同じではないか…布団の中で葛藤を繰り返しながらも、「ゼヤ!」と気合いを入れ立ち上がり急いで東寺へ足を運ぶ。もう後悔はしたくないの…。

東寺の蚤の市は、結構混雑してて、着物や骨董品などがズラリと並んでいたが、肝心のレコードコーナーは見当たらず。ちょっと残念だったけど、色々物色して楽しんでいたら、あっという間にリハの時間に近づいてしまい、諦めてウチへ戻る。その帰り道に「第一旭」というラーメン屋さんに行く。コレはワタシが京都に来たときに必ず食べたくなるラーメン屋で、河原町にあったのだが、その店が関くんのウチの近くにもあるのだと教えてくれたのだ。入ってみると、いい感じの食堂風情で、お目当てのラーメンの味も、大変満足であった。有線で清水博正くんの「雨恋々」が流れていて、フとワタシが小さい頃、おじいちゃん家に行くときに必ず寄る「牧のうどん」でモンペ姿のババァ達が働いている中、演歌が流れていてグニャグニャのうどんを家族揃って食べていた事を思い出しながらラーメンをすすっていると、目の前の家族ずれの小さな子供が箸立てをいじっていると、オバちゃんが容赦なくその子供を親の目の前で怒っていたり、焼き餃子の中に何が入っていたのか分からないが泣きながら文句を言う女とそのツレに謝っているオバちゃんの姿を見たりして、ますますこの店が好きになった。

そして、何故か必ず行きたくなってしまう、京都タワー浴場。臭いしヌメヌメしてるのに、やっぱり今回も行ってしまった。もうリハまで時間もないというのに…。

四条にある「パーカーハウスロール」はかれこれ4回目になるだろうか。マスターのナカジマさんも憶えていてくれた。落ち着いた雰囲気のこの会場はとても好きな場所。大阪で唄った「浪花節~」を「京都慕情」に変えてお客様にご挨拶。全体を通して久しぶりに気持ち良く唄えたような気がした。イーガル君の唄う「幼年」という唄が、彼の作曲でとても良い歌で、彼の声も含め、何度聞いても胸にグッとくる。聖兒くんの「ボンボヤージュ」も素晴らしかった。緊張感のある充実したステージでとても楽しかった。来てくださった皆様、本当にありがとうございました!また逢えるのを楽しみにしています。

東京から視察に参られた坂井さまとクニコ様、そしてお手伝いのセンちゃんと聖兒くんのお友達のフェロモンくんを交えて「地球屋」にて打ち上げ兼お食事。その後センちゃんフェロくん聖兒くんで、「ろくでなし」に行く。久々にマスターのヨコさんに逢えて、とてもウレシかった。ワタシが夜間飛行で働いていることもちゃんと知っていてくれて、心配してくれた。何度も眠気に襲われ、関くんチに転がり込もうかと「さて…」と立ち上がったはずなのに、結局この日も朝方まで呑んでしまい、気付けば始発近い時間になっていた。