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ワクチン薬害、祈りの科学的研究、人体構成分子によるオーソモレキュラー医学、医学の大罪、太陽系惑星文明の科学的証拠

2019年6月21日補足 最新のフェリチン研究への対応が必要

2019年06月23日 09時15分08秒 | オーソモレキュラー医学 生体分子と人体の反応

2019年6月21日 最後の部分に補足記事を書きました



1.最近、ネット、SNS、数々の書籍などで『フェリチン100以下は鉄不足』というスローガンを広めている人たちがいます。
その中心人物が根拠としているのは、次の本のp.191の記載です:

『薬に頼らない個々に合ったうつ病治療―パーソナライズドメディスン 9つのステップ』
ジェームズ グリーンブラッド (著), James Greenblatt (原著), & 1 その他
出版社: コスモスライブラリー (2013/9/1)

第10章 亜鉛とその他のミネラル
鉄とうつ病p.191
『私は、すべての患者に鉄とフェリチンレベルのチェックを受けるように勧めています。鉄結合プロテインであるフェリチンのレベルを調べるのは、体内に貯蔵される鉄の大部分はフェリチンに結合しているからです。もし鉄とフェリチンのレベルが共に低ければ、鉄含有量がより多い食物の摂取が必要で、また鉄のサプリメントを摂るべきでしょう。
フェリチンレベルは100μg/L前後、鉄レベルは50μg/L以上が好ましいでしょう。』

本の第10章の鉄関連の引用文献は2つです。
これら2つの論文本文には「フェリチンレベルは100μg/L前後、鉄レベルは50μg/L以上が好ましい」については記載されていません(下記の(1)と(2)の論文を参照)。
これらの数値は、本の著者のグリーンブラッド氏の独断的な見解か、または引用文献以外の資料が根拠の可能性があります。

つまり、スローガンを広めている人が主張している「フェリチン100以下は鉄不足」に関しては、その人が根拠としている書籍では、きちんとした人試験による根拠は提供されていないということです。

(1)J Nutr. 2005 Feb;135(2):267-72.
Maternal iron deficiency anemia affects postpartum emotions and cognition.
Beard JL1, Hendricks MK, Perez EM, Murray-Kolb LE, Berg A, Vernon-Feagans L, Irlam J, Isaacs W, Sive A, Tomlinson M.
論文 https://academic.oup.com/jn/article/135/2/267/4663632

論文には次の記載があります
The inclusion criterion included the following包含基準は以下のものを含む:
1) For identification of IDA(iron deficiency anemia) IDA(鉄欠乏性貧血)の確認のために:
Hb between 90 and 115 g/L, and at least 2 of the following iron deficiency parameters: mean corpuscular volume (MCV) < 80 fL, transferrin saturation (TSAT) < 15%, serum ferritin (Ft) < 12 μg/L.
ヘモグロビンHb 90~115g/L、そして以下の鉄欠乏パラメータの内の少なくとも2つ: 平均赤血球容積(MCV) < 80 fL、トランスフェリン飽和度(TSAT) < 15%、血清フェリチン(Ft) < 12 μg/L

TABLE 3 Maternal hematological and iron status variables at 10 wk and 9 mo postpartum in nonanemic CN women and IDA women administered PL or Fe
表3 非貧血コントロールCN女性、及びプラセボPLまたは鉄剤Feを服用した鉄欠乏性貧血IDAの女性における、10週間と9か月の母親の血液学及び鉄の状態

9か月後のフェリチンμg/L
IDA-PL(プラセボ) 17.1 ± 13.9
IDA-Fe(鉄剤) 33.8 ± 19.8
CN(非貧血コントロール) 48.4 ± 33.6

評価: 非貧血コントロール群でも、48.4 ± 33.6であり、健常人でも大部分は100以下である。

(2)Eur J Clin Nutr. 2007 Apr;61(4):532-5. Epub 2006 Oct 25.
The relationship between depression and serum ferritin level.
Vahdat Shariatpanaahi M1, Vahdat Shariatpanaahi Z, Moshtaaghi M, Shahbaazi SH, Abadi A.
論文 https://www.nature.com/articles/1602542


論文には次の記載があります
「Normal range for serum ferritin level is 15–200 μg/l and levels below 15 indicated iron deficiency (Kasper et al., 2005).」
「血清フェリチン濃度の正常範囲は15–200 μg/l、そして15より低い濃度は鉄欠乏を示す(Kasper et al., 2005)」

この試験の参加者の血清フェリチン濃度の記載
「All study participants were in their reproductive years with a mean age of 24.5±1.6 years.
「全ての試験参加者は、生殖年齢で平均年齢は24.5±1.6歳であった。
Mean serum ferritin levels were 26.95±11.3 and 38.36±17.1 in depressed and healthy participants, respectively (Table 1).
平均血清フェリチンは、うつ病患者と健常人で、各々26.95±11.3 と38.36±17.1であった。
In depressed individuals it ranged between 2 and 103, and in healthy ones between 2 and 197.9 μg/l.
うつ病患者では、血清フェリチンの範囲は2から103、健常人では2から197.9 μg/lであった。
Student's t-test showed that serum ferritin levels of the two groups were significantly different (P<0.001).」
ステューデントt検定は、2群間の血清フェリチン濃度は有意な差があった(P<0.001)。」

評価
健常人でも、平均値は38.36しかない。うつ病患者と健常人の平均値の差は、僅か8.59しかない。
2でも健常な人がいる。
これでは、100以下は鉄不足とは言えない。健常人でも大多数は100以下である。


2.フェリチン鉄貯蔵説に関しては、パラダイムシフトを示す研究があります。医学界は、フェリチンのパラダイムシフトの時代に入っていると思われます。

研究論文
DOI: 10.1039/C3MT00347G (Perspective) Metallomics, 2014, 6, 748-773
Serum ferritin is an important inflammatory disease marker, as it is mainly a leakage product from damaged cells
Douglas B. Kell *a and Etheresia Pretorius *b
(備考: Open access)

内容要約
フェリチンは、血清中では合成されない。細胞からフェリチンが自然に分泌される証拠は見つかっていない。フェリチンは、細胞が破壊されることにより、細胞内から細胞外へ放出され血清中に現れる。
その時、フェリチン内部の鉄は細胞内にほとんど放出され、その放出された鉄イオンは配位結合をしていないため裸であり、有害なフェントン反応を起こしヒドロキシラジカルを生成し、このラジカルが細胞の破壊を増進させる。
つまり、フェリチンは、従来言われてきた、肝臓の貯蔵鉄のマーカーではない、細胞破壊のマーカーである。
よって、フェリチン高値は、健康上好ましいものではない、有害である。フェリチン値は低ければ低いほど良い。
フェリチン値は、健康な場合、炎症がない場合(自然な細胞の死と再生サイクルだけの場合)は、鉄の貯蔵量を反映している。フェリチンの最適値は不明であり、個人差がある。炎症がある場合には、フェリチンの値から、貯蔵鉄や鉄不足を判断することは困難である。

論文では、体内鉄の評価指標について、フェリチンではなく、sTfR Index (the sTfR/log ferritin ratio when both are measured in μg L−1) を推奨しています。

「血清フェリチン100以下は鉄不足」とする説は、フェリチンの最新の研究成果に対応して、再検討する必要があるように思われます。

尚、この論文に関しては、『「糖質過剰」症候群 あらゆる病に共通する原因』の著者の清水泰行医師が、ブログ「ドクターシミズのひとりごと」にまとめられていますので、ご参照下さい。
「2017/10/7フェリチンの疑問がかなり解けた! フェリチンは細胞が死んだときに上昇する! 鉄はやっぱり危険!」
http://promea2014.com/blog/?p=2702

3.また、オーソモレキュラー医学会は学会誌を発行しており、2012年にウェスト・オンタリオ大学 理学部 名誉教授 ウィリアム R. ウェアー博士は、次の論文で正常と言われている血清フェリチンの値でも、各種の疾患に関連している実態をまとめています。
この論文では、最適な血清フェリチン濃度は、成人の男性では50~70、女性では20~40とされています。

Journal of Orthomolecular Medicine Vol 28, No 4, 2013 p.149-158
The Risk of Too Much Iron: Normal Serum Ferritin Levels May Represent Significant Health Issues
過剰な鉄の危険性: 正常な血清フェリチン濃度は、重大な健康問題を表している可能性がある
William R. Ware, PhD1
1. Emeritus Professor, Faculty of Science, University of Western Ontario email: warewr@rogers.com
https://www.isom.ca/wp-content/uploads/The-Risk-of-Too-Much-Iron-Normal-Serum-Ferritin-Levels-May-Represent-Significant-Health-Issues-28.4.pdf


2019年6月21日補足

「フェリチン100以下は鉄不足」に懸念を表明している医師のブログを紹介します。

(1)『「糖質過剰」症候群 あらゆる病に共通する原因』の著者の清水泰行医師が、ブログ「ドクターシミズのひとりごと」に数多くの鉄の記事を書かれています。
http://promea2014.com/blog/
このサイトを、キーワード「鉄」で検索すると、数多くの科学的な根拠を示した記事がヒットします。

(2)中村クリニック 中村淳史医師(オーソモレキュラー医学による診療をされている医師による批判記事)
http://www.clnakamura.com/
鉄剤の危険性
http://www.clnakamura.com/%E6%9C%AA%E5%88%86%E9%A1%9E/%E9%89%84%E5%89%A4%E3%81%AE%E5%8D%B1%E9%99%BA%E6%80%A7/

(3)南鹿児島さくら病院 田頭秀悟医師(糖質制限と漢方の専門家、神経内科医)
https://tagashuu.blog.fc2.com/
鉄不足の重要性を知らしめる
https://tagashuu.blog.fc2.com/blog-entry-1041.html

オーソモレキュラー医学会は、学会誌を発行しており、その中に鉄の問題を取り扱う記事があり、鉄過剰症と各種疾患のフェリチンの閾値に関してまとめられています。
著者は、科学的な評価に基づいて、フェリチンの最適値を、大人の女性20-40、男性50-70としています。
Journal of Orthomolecular Medicine Vol 28, No 4, 2013 p.149-158
The Risk of Too Much Iron: Normal Serum Ferritin Levels May Represent Significant Health Issues
William R. Ware, PhD1
1. Emeritus Professor, Faculty of Science, University of Western Ontario email: warewr@rogers.com
https://www.isom.ca/wp-content/uploads/The-Risk-of-Too-Much-Iron-Normal-Serum-Ferritin-Levels-May-Represent-Significant-Health-Issues-28.4.pdf

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