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small axe

たとえばこんな写真

Keith Jarrett/La Scala

2006-06-26 | music
97年のスカラ座のピアノソロ。連日のキースジャレットとなった。仕事の裏でかけても、もったいない感じはあるけど不快ではない。もちろんじっくり聞きたいけど。

最後にオマケでアンコール曲・オーバーザレインボウが入っているのも、締めでホッと出来る効果があって良い構成だ。名盤ケルンほど美しいメロディーで押す感じはないが、素人が聴いても苦痛感はない。フレーズとメロディーと余韻のせめぎ合いというか。

でケルンを連続して聴いて、雨の日に聴きたくなるキャロルキング・綴れ織りのナチュラルウーマンで締め、って仕事しろ。

昨日の情熱大陸・奈良美智っていい人だったな。


Keith Jarrett/La Scala

写真のオリジナリティー

2006-06-25 | チラシノウラノシャシンロン
雨も激しく降ってるし、ということで少しもの悲しい気分を癒すためにキースジャレットトリオ・星影のステラを聴く(スターライトって星影なの?)。最近ちょっと若者向け音楽を中心に聴いていたので、大人の音が気持ちよい(心地良いと気持ちいいの中間・笑)。

インプロビ物(即興演奏物)もいいけど、スタンダードを料理してっていうほうが聞き手にはやさしい。ハマりすぎず外れすぎないというか。写真にも同じ事が言えて、決まり文句過ぎず自己満足すぎないという塩梅が難しい。

聴きながらふと考えたことはインプロビゼーションと、何を撮ろうと考えず歩きながら写真を撮るのは似ているところがあるかなと。現場の景色に対応して絵を作り出すところなど即興感覚なのではないかと。

そんな即興の時点で他人と似たような物を撮ってしまうのはオリジナリティーの欠如ではないか。写真で言う表面的なナゾリは、音楽で言うとメロディーラインのパクりのようなもので、無意識であっても良くないものだと思う。ただ意識的にフレーズを引用してニヤリとさせるやり方もあるので、それはパクリとインスパイアの違いという部分か。

アマチュアのコンテストの写真の多くは(すべてではない)、過去見たことのあるお手本を元に撮影されたような物が多く、絵的には違っていても面白みを感じないし、面白い写真と思えないモノが多い。それを指導・選択する側もそのコミュニティーの維持のためという感覚なのだろうか。いや定型の良さという写真もあるか。それを良しとするかしないかで評価が分かれると。

引用の部分を個人的な言い回しで言うと、作品トータルの中でコントロールできる範囲で引用する分にはいいが、引用した要素を集めてまとめきれない物を作ってはいけないといった感じか。引用した物を一度自分の中に取り入れて、自分なりの答えをだせばいいというか。画面を構成する要素をまねるのではなく、その要素を構成して出来る作品全体から出る「気分」とか「テイスト」と呼ばれる「写真のキモ」を同じように出すという姿勢が大事であると。それにはその部分を読み取るセンスというか才能が必要だろう。

イタリア人画家の盗作が問題になっていたが、写真にも「それを引用しただけじゃ作品(群)にならないでしょ」というものもある。それは意識的である無しにかかわらず「面白くない写真」だと思う。しかしその作品が引用でしかないか、その要素を自らのオリジナリティーとして消化しあらたに展開しているかの明確な基準はなく、自らのセンス・プライドによって判断すべきものだ。

とかいって「おっ植田正治テイスト」とか「これはフリードランダー系」なんて遊んだりする感覚は悪くない・ニヤリ。

KT Tunstall’s Acoustic Extravaganza・Eye To ~

2006-06-21 | music
スコットランドはエジンバラ出身の女性SSW(シンガー・ソング・ライターの略で最近は定着しているらしい?)KT TUNSTALLのデビュー・アルバムはキャロルキングやジョニミッチェルやシェリルクロウなどが引き合いに出されているらしい。ブルージーでソウルフル、個人的にはジャニスとノラジョーンズを足して二で割った感じと思った。

UK系メロディーロック曲もあるが、好印象なのはカントリー風だったりブルースっぽかったりしながらのメロウなサウンド。ペダルで自分のギターの音をループさせて使うという技を効果的に使った曲もある。

アコースティックの方はダウンロードでしか今は販売されてないのかも?しかしこっちの方がデグロウのストリップド同様に好みのサウンドだ。こっちを聴いてないとデビューアルバムの方は今ひとつ気に入ってなかったかも知れない。

ここのところリトルウイリー・トリスタンプリティーマン・グレースポッター・フィオナアップルと女性シンガー物を聴いてきたが、KTは頭一つ抜けて気に入った。

SSWていう略の定着は最近のことなのか??ジェームス・ブラント、ダニエル・パウターも聴いてるしレッチリの新作も聴いたし、オッサンながらナカナカ最近の音楽も聴いてるね、プッ。でもロストプロフェッツはさすがにしんどい(笑)


KT Tunstall/KT Tunstall’s Acoustic Extravaganza
KT Tunstall/Eye To The Telescope

「あのひと」ビートたけし

2006-06-19 | tsubuyaki
たけしの初短編小説5編の文庫。三時間もあれば読める感じだが面白い。

あとから引いた目線で書いてあるところは、小説的に仕上げてある感じは否めないが、そのディテールの切れを味わうべきか。

写真も面白い写真が良いのではなく、面白い人が観る視線の写真が面白いのか、なんて考えたりして。その反論も考えたけど「どうでもいいじゃないか、そんなこと」とたけし的に言われたらそれまでか…。

たけし番組で夜やってるコマネチ大学数学科も面白く、タモリ倶楽部と共にレコーダー予約の常連になっている。

1.2.3.4.5月のその他の映画

2006-06-17 | movie
ついに梅雨のうっとうしい季節に突入。マーティー鯉は負け数を控えめにしながら若返りに成功しそう。しかし交流戦て長いね。

「ギター弾きの恋」
良かったので前から欲しかったサントラ購入。周囲とのうまくいかなさにシンパシー。


「ショーンオブザデッド」
ゾンビ・パロディも数あるゾンビリメイク作よりロメロゾンビっぽい。渋く笑えるシーン満載。

「レッド、ホワイト&ブルース」
クラプトン、ジェフ・ベック、トム・ジョーンズ、ヴァン・モリソン、スティーヴ・ウィンウッド、B.B.キングなど出演。ザ・ブルース ムーヴィー・プロジェクトの一本。UKロックでブルースを逆輸入した的な内容。

「ソウルオブマン」
これもザ・ブルース ムーヴィー・プロジェクトの一本。ブエナビスタに続くビムベンの音楽映画。スキップ・ジェイムス、J.B.ルノアー、ベック、ルー・リード、ボニー・レイット、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン、ロス・ロボス等出演の渋い映画。再現映像の使い方も良く、ブルースを感じられる映像だ。

「ホネツギマン」
イーサン・コーエンが脚本を手掛けた異色の格闘コメディ。コーエン脚本で期待したけど、マニアックな面白さでツボの人はツボかも。

「エクソシスト・ビギニング」
エクソシストの前章の話。悪魔とはなんぞや的なノリでナチ・ユダヤ話も出たり、キリスト教を否定的に見る感じや、人間が一番悪なんじゃないのとか、結構ガチな映画だった。ダビンチコードよりえぐい内容だったりして。

「天国の日々」
テレンスマリックの美しい映像。風が写っている!イナゴの大群は絶望的だ。

「アビエイター」
家で観るとちょっと退屈な感じ。

「地獄の天使」
アビエイター作品。情熱は感じた。

「許されざる者」
ブルースなドラマの西部劇。日本時代劇と西部劇は、お話を展開する勝手の良さがある懐の深いジャンルだろう。

「ナルニア国物語」
原作読んで育っていないので思い入れは無し。ストーリーは本に忠実な感じで展開が鈍い。子供は喜んでみていた。

「スーパーサイズミー」
もっとバラエティー色の強い作品かと思ったが、監督はクレバーでジャーナリスティックな視線を持って作っていた。WOWOWでこの監督の30daysという番組もやったが、それも面白かった。

「ターミネーター」
ローバジェットとは思えない面白さか。あのテーマソングを作ったヤツは以降鳴かず飛ばずらしい。

「二人はくぎづけ」
結合双生児のファレリー兄弟コメディー。何度も言ってるけどファレリー作品には愛があって、毒も薬になる(笑)

「タイタニックの秘密」
タイタニックを調べるドキュメント。これはやってる人たちは面白かっただろうな。探査艇の名前がジェイクとエルウッドて(笑)

「オランダの光」
フェルメールやレンブラントのオランダの光は過去と現在何が変わったのか、等を探るドキュメント。結果などはどうでもよく、光を追求していく姿勢が面白い。映像も良かった。いろいろ考えさせられる良い内容だった。

「キッズアーオールライト」
WHOの映画。ナルホドとおもってみた。

「フランクロイドライト」
ライトの一生を追うドキュメント。変わった人だったんだなと。当時これは良くわからない人だったのだろうと。今でも難しい人かも。

「ボーンスプレマシー」
早く続編が見たい。マットデイモンのふたりはクギけとの差に笑う。

「コールドマウンテン」
レニー・ゼルウィガーがゴツ系熱演。なかなか重厚な感じで楽しめた。

「ザ・コミットメンツ」
映画を観る前にサントラを借りて聞いていた。アイルランド映画でロケの絵が効いていた。ストーリーは平坦な感じ。

「パッチギ」
賛否両論なので観る。まあ悪くない。けど賞を取るほどでもないか?沢尻エリカ・悪くないな(笑)


「〈映画の見方〉がわかる本・『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで」町山智浩

2006-06-16 | tsubuyaki
映画や音楽・絵画・写真など人間が作るものである以上、作品の表面に直接書かれない意図、もしくは作品の背景がある。作品の意図を知らなくても楽しめるが、もっと楽しむために映画だけではない意図や背景、いわゆるサブテキストを探るという本。

取り上げられている映画が好きなものばかりなので嬉しい。

第1章 『2001年宇宙の旅』映画史上最大の「マジック」のタネ明かし
第2章 『俺たちに明日はない』『卒業』『イージー・ライダー』ニューシネマという反乱
第3章 『猿の惑星』猿が猿を殺すまで
第4章 『フレンチ・コネクション』『ダーティハリー』アウトロー刑事の誕生
第5章 『時計じかけのオレンジ』レイプとウルトラ暴


「へ~」内容てんこ盛り。たとえば…

2001年のキューブリックシナリオにはストーリーを説明するナレーションが入っていた。猿を殴り殺した骨が宇宙船につながるが、あの宇宙船は核ミサイルで敵国を狙う軍事衛星だった(なるほど!)。スペースオデッセイはギリシャ神話オデッセイあ、HALは一つ目巨人サイクロプスだ。イージライダーはハリウッドのヘイズコードで硬直化していた時期に、勝手にしやがれのヌーベルバーグに影響されて出来た。ニューシネマが始まった次点でカウンターカルチャーの敗北は始まっていた。フレンチコネクションはすべてロケでエキストラや通行止めを行わなかった。時計仕掛け~はコックニーの言い回しで変わり者の意だが、バージェスが住んでいたマレーシア語で人間をOrangといい「時計仕掛けの人間」という風にかけてある。時計仕掛けで犯罪を誘発させた責任を問われたキューブリックは「芸術家は作品の芸術性にだけ責任を持てばいい」と突っぱねた。アポカリプスナウ!はヒッピーの反戦スローガン・ニルバーナナウ!に対する当てつけでミリアスがつけた。コッポラ自身は戦争にもベトナムにも興味がなかった。トラビスのモヒカンはベトナム兵士が決死に任務に出撃するときに、死を恐れぬインディアンの勇気にあやかってモヒカン狩りにしたという帰還兵のエピソードをスコセッシが取り入れたため(高原に聞かせたい・笑)。ロッキーに林檎を投げたシーンは演出ではなく、地元の人が本当のボクサーと思って投げた。

などなど。

同じ著者の〈映画の見方〉がわかる本80年代アメリカ映画カルトムービー篇 ブレードランナーの未来世紀とファビュラス・バーカー・ボーイズの映画欠席裁判1.2とあわせ4冊一気に読み、どれも面白かった。またまたどの映画も観たくなった。デカイスクリーンで観たい!

映画の見方がわかる本―『2001年宇宙の旅』から『未知との遭遇』まで

「ダ・ヴィンチ・コード」オモロいじゃん!しかし読んでないと…

2006-06-09 | movie
カンヌで拍手がなかったとか、おすぎが酷評したとか?(逆に安心・笑)、今ひとつ評判の良くないダ・ヴィンチ・コードはどうなのよと劇場に。結論としては悪くない。原作を読んだときの自分内映像と重なって、ものすごいスピードで再読したような体験だった。ストーリーがわかっていても楽しめるのは、ロケ等の絵が良くできていたからだと思う。そこは職人的なロンハワードの仕事が評価されるところではないか。

監督が独自の解釈や味付けで、原作とは違うニュアンスの映画になってしまう事もあるが、今作では本を読み進んでいた時と同じ気分で進行していったのは楽しかった。本に出てくる絵や場所を巡るツアーが人気になったというが、それを仮想体験できる良さもある。

キャスティングもハマっていて問題なし(原作に思い入れが強い人にはどうかと思うが)。ウンチクを台詞で説明する割合も的確、端折る部分も適当だったと思った。ただ時間的制約もあったりして原作の面白い部分がかなりカットされているのは、映像メインの映画的制約においては致し方ないか。

原作本を読んでいなくても、映画だけ見て面白くなければ映画として失敗作だ、と何かの映画記事で読んだが、それでいうと本作品は良い映画とは言えないかもしれない。しかしテンポの良い巻き込まれたたみ掛けサスペンス映画で、読んでない人にも一応満足させる破綻のないつくりになっているし、ヒット本の映画化としては成功だろう。

最後に一言「ダビンチには、ほとんど触れんのじゃね」