ののたん!ののたん!

でも合コンはした事ないんれすよ

弟は元気に蝉をとって

2005-07-29 01:18:24 | Weblog
今日道端で蝉が死んでた。
地上での短い使命を終えて、彼は路上に横たわってた。
きっとさっきまではミンミン、ミンミンと鳴いていたんだろう。
うるさい程の蝉の鳴き声は嫌いじゃない。
それは生命力に溢れた夏の陽炎だ。
夏の間にほんの少しだけ姿を見せる幻のようだ。

その幻の終わりがそこにあった。
頭上の木では、そんなの知らん顔で沢山の蝉が相も変わらず鳴いている。
蝉の鳴き声は求愛の声らしい。
路上に横たわる彼は、満足して逝けたのだろうか。
精一杯愛を叫んで、笑って逝けたのだろうか。
ほんの少しの時間のために何年も土の中で過ごして、
その声は誰かに届いたんだろうか。

俺が愛を叫んでも、ののたんに届く可能性があるとすればコンサートの間くらいだろう。
繰り返す毎日の中のほんの2時間程度。
その刹那に真夏の太陽の様なののたんの笑顔を浴びて、ミンミンと鳴く。
たとえ届かないとしても、声の限りに鳴いていく。
いつか路上に横たわる日がくるまで。