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囲碁漂流の記

週末にリアル対局を愉しむアマ有段者が、さまざまな話題を提供します。初二段・上級向け即効上達法あり、懐古趣味の諸事雑観あり

赤いバラの贈り物<下>

2020年02月07日 | ●○●○雑観の森

 

【“善人”の心にトゲを刺す!「本編」 ~ 人に七癖、我が身に八癖 ~ 自分のことは棚に上げ  ~ 「入段」させるには早過ぎたヒトたちの巻

 

■最後の砦だった複雑系ゲームの王様「囲碁」において、

AI(人工知能)が人類最強クラスを超えて、まもなく4年になる。

プロ棋士の多くは、AIを「先生」と呼んで参考にする始末。

AI流を全く無視し、昭和の伝統的布石を愛用する少数派もいるにはいる。

成績は? 後者だってそこそこ打てているのだから、これまた不思議だ。

 

■わたしは、AI流布石のいくつかを愛用している。

が、最強AIソフトやネット碁の対局は好まない。

通勤電車「15分」で9路盤対戦ソフトを数回楽しむ程度である。

やはり顔の見える人間相手のリアル対局でないと、味気ない、面白くない。

 

         ◇

 

■本拠地同好会のA有段者。人生の大先輩、気さくな方。

2年ほど前、対局棋譜を採り感想付きで清書し、お渡ししてから、

親しくさせていただいている。

棋力は右肩上がりで、もう一つ上の段でもおかしくないほど。

棋力はともかく、極めてよろしくないクセがあります。 

碁石をコンコンと碁笥にぶつけて考えるのです。

対局相手から一言あってしかるべきですが、この会ではそれがほぼありません。

コンコンが出ると、わたしだけ?は指差し・ダメ出しします。

何度か繰り返すと、彼は次第に不機嫌になる。

逆ギレする前に、わたしは黙る。

一週間後、何事もなかったかのように、すっきりした顔で「また、教えてな~」。

そして、また悪いクセが……。  やかましい。

「コンコン碁は、よしましょね」

 

 

■これはAさんだけではありません。

B高段者は、碁笥の中に手を入れて石をかき混ぜます。

ガチャガチャ、ガチャガチャ、ガチャガチャ。

こちらの考慮時間中でも、ガチャガチャやっている。

まだ、そう親しくもないので、黙っています。

でも、だんだんイラっとしてきます。

長年やらかしてきたためか、こういう方は時々います。

「ガチャガチャ碁は、よしましょね」 

 

 

■多趣味活動家のC有段者。

挽回不能と悟れば「負けました」とか「ありません」というべきでありましょう。

が、形勢絶望となると、決まって彼は唐突に「感想」を語り出します。

お付き合いで返事をし、しばらく会話が続く。

そして「はい、ありがとうございます」と言って、いきなり石を崩します。

ジャラー、ジャラー、ジャラー、ジャラー。

わたしは、相手が負けを認めたことが、ようやく分かります。

まずいですな、これは。一番まずいかもしれません。

「ジャラジャラ碁は、よしましょね」

 

 

■D有段者。真面目で、日々、新聞碁を並べている。

形も筋もいい。 ただし部分的には……。

ヒトの良さが出るのか、弱点は「正直すぎる碁」である。

わたしがツケを打ったら、必ずハネる。

ヒドイ目に何度か遭って、今度はツケを打ったらヒイて守る。

要するに、全体も見ず、部分的ヨミもなく、「形だけ」で打とうとしている。

こちらのヨミ筋にハマるタイプで、わたしは負ける気が全くしないのです。

相手のヨミを外して、初めて勝負ですよ。

五段以上と打つと当然、悲惨な展開になる。

これまた「ご機嫌ナナメ」に。

上手相手に「(あなた)ポンポンと早く打ち過ぎ!」

プンプン怒って噛み付くことがあります。

自分の悪手連発を「相手の着手の早さ」のせいにしちゃいけません。

「プンプン碁は、よしましょね」

 

 

「負けたなあ」を連発しながら打ち続けるE有段者。

それなら投了しましょう。「負けました」といいましょ。

「……なあ」は何ですか。打ち続けたいなら、黙って打つべきです。

「相手の間違いを期待している」と思われても仕方ありません。

相手の時間を奪うのは罪深いことです。残り少ないのですから。

潔く負けを認めて、もう一度お手合わせを願うべきでしょう。

「ムダグチ碁は、よしましょね」

 

         ◇

 

「諫言」は難しいものです。

こういった皆さんは自他ともに認める<善人>でありましょう。

普段は「すまし顔」なのに、勝負絡みとなると「つい熱くなり、悪いクセが出る」。

カワイイといえばカワイイ。

ただし反則ではないので

イエローカードといっておきましょう。

 

レッドカードは、

肝心な局面で交点に石を置かない▽打ち直し・待った▽対局中の評論▽横から口出し。

「あなたの反則を見逃す代わりに、私の反則も見逃しておくれ」でしょうか。

お里が知れます。

自分にも相手にも寛容な? 地域の同好会だけにしておきましょう。

碁会所や大会なら、追い出されます。

 

■1年以上前に目撃したことです。

F有段者から「一局やろうよ」と手招きされたG有段者(一段格下)。

Gさん、黙って小さく首を横に振って返事をしません。

見ていたわたしは、唖然。そして吹き出しました。

二人の間には、過去に「何かがあった」のでしょう。

Fさんの「何気ない何か」に、Gさんは我慢ならなかった。

「何気ない何か」とは、これまで書いてきた様な事でしょう。

いくつか思い当たります。

 

自分はよくても、相手には不快な行為があります。

 

書いているわたしも、だんだん自信がなくなってきました。

皆さん、人生の荒波をかいくぐってきた強者ばかりです。

よ~く相手を見ています。怖いです。

 

自分も 相手も 楽しめるように 打ちましょう。

 

では、ごきげんよう。あす、お逢いいたしましょう。さようなら。

 

 

「相手が過ちを犯した時は、誠意をもって忠告するがよい

見て見ぬふりをするようでは、友人の資格などない

だが、忠告は『一度だけ』にするのがよい

しつこくすると、今度は自分がいやな思いをするものだ

それが『君子の交わり』というものである」

 

「よき友と末永く付き合う秘訣は何か?」と弟子の子貢から問われ、

孔子様は、こう説いたものである

 



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