決してこのような事態を是とする訳ではないのですが。
小生から見ると、往年・第二次世界大戦前の日系移民と被ります。
差別であるか否かと問われればもちろん差別なのですが、あえて言えば根本にあるのはアジア系以外のアメリカ社会が侵略者とみなした集団への防衛機制でしょう。
アメリカ側の報道や情報からすると、北京政権は古の大日本帝国同様に周辺諸国への侵略的意図が明白で、かつ中国系移民は民族集団として出身国の活動に協力しているように見えますから。
日系人が強制収容された理由の一つは、「日本に協力してアメリカで破壊活動を行う恐れが高い」からですしね(繰り返しますが、あくまで当時のFDR政権の意図です)。・・・・・・実際には日本のために活動した日系人は皆無ではないにしてもほぼ存在せず、それに数百倍する日系人が米軍に志願したのですが。
日系一世が息子の一人を日本で教育を受けさせるべく日本へ帰国させた結果、兄弟で戦い合う羽目になった日系人も複数いたようです。
ただ、日系人は二世で日本語を半ば忘れ、三世ともなればメンタリティがもはや現地の人々とほぼ同様に。
(日系人部隊として有名になった第442連隊には、日本語が不得手だったり話せなかった日系人が配属されたそうです。ヨーロッパ戦線なら、周囲に日系どころかアジア系はほぼ存在しませんでしたから誤認の問題は皆無)
現在の日系アメリカ人は中国系コリア系日系という括りではなく、アジア系括りで政治活動するようになっているという話も。
(故に、日系人はいわゆる歴史認識問題において日本側を批判することが多いとか)
それに対して、中国系がそこまでアメリカ人意識を持っているかというと若干の疑問があります。
少なくとも、中国系一世や留学生は北京政権に忠誠を誓っている節があります。
それこそ、もし米中開戦したら中国系アメリカ人が米軍の募集事務所前に行列を作って入隊を志願し、率先して北京政権の野望と戦う(アメリカ視点)くらいの行動を取らないと、アメリカ社会の構成員とは認められないことでしょう。
日系軍人については第442連隊関係で相当ページ数が増えていますが、近年でもエリック・シンセキ陸軍参謀総長やハリー・ハリス太平洋軍司令官など要職に日系人がついていたりします。
この比率の偏りは、軍人というよりは武人に対する伝統的な意識の差かも知れませんが。
BLM運動以降、人種間の対立が明らかに先鋭したアメリカ社会ですが、これを鎮める方法は恐らく平和的手段だと然程多くなく。
また、文脈や背景を無視して問題を単体で取り出しますと、アフリカ系→アジア系差別もかなり強烈だとか。
恐らく、ちょっとしたはずみでまたこのような事態は多発することでしょう。