原作をリアルタイムで読んでいたり。
映画は中々ものでした。潜水艦ものに外れ無し。
そういえば、過去にアニメ化もされていたのでした。
原作再現率は高めと思いました。
原作連載当時から30年経っているので、最新鋭原潜の中は随分とグラスブリッジ化していますが雰囲気満点。
原作の「シーバット」はシーウルフ級のイメージでしたが、映画版はバージニア級強化型でしょうか。
なお、戦闘シーンは原作より(ちょっとだけ)大人しくなっています。海江田艦長の悪辣な(褒め言葉です)戦闘指揮は原作並み、何を考えているかわからない不気味さは大幅増量。
「たつなみ」副長の速水三佐、連載当時から女性説が出たくらい中性的な優男に描かれていましたから、女性化しても違和感ゼロでした。水川あさみさんの演技もソフトで沈着な、原作の速水副長をしっかり踏まえていたと思います。
近年潜水艦にも女性隊員の乗艦が始まったことを反映して、「たつなみ」でも水測員等に女性が充てられています。
「やまなみ」→「シーバット」の方は「やまなみ」の女性隊員対応が設備的に間に合っていなかったのか男性隊員のみ。
原作「やまなみ」「たつなみ」は時期的にゆうしお型かはるしお型潜水艦でしょうか。映画版は多分そうりゅう型かたいげい型かと(舵がX型)
映画では原作5巻の最初の方くらいまでしか話が進んでいませんから、本作だけだと何だこりゃ?と感じる方がいて当然とは思います。
単なる予想ですが、銀幕ではなくネット配信かもしれないけれども絶対に続編があるよなあ……映画オリキャラの女性キャスター(上戸彩さん)なんか、上戸さんをあてた割に何で出てきたかわからないレベルのチョイ役ですし、竹上総理(原作だと中盤以降大覚醒して米大統領や安保理常任理事国首脳と互角に対峙します)はオタオタしているだけですし。
ただ、原作だとこの後ソ連太平洋艦隊との対決が待っているのですが、現在の太平洋艦隊は30年前と比べかなり弱体化(キエフ級軽空母もキーロフ級巡戦もない)しているので役不足感が。
かといって人民解放海軍の艦隊をボコボコにする展開にするとして、映画として作れるのか?という疑問が(個人的には是非「山東」「遼寧」「福建」や093型攻撃原潜複数が撃破されるシーンを見たいところです。原作ではソ連太平洋艦隊水上部隊が大損害を受けていました)。
米ソはその辺おおらかですが(今回も特に米国当局や米大企業からツッコミがあったという話はなし)、北京政権や大陸系華人社会はどうもその辺お尻の○が小さめなんですよね……
お値段以上に楽しめました。