ふじもん先生ブログ「世界のリアルをお届けします」

株式会社グローカルアース代表のふじもんが、世界のリアルと日々の活動をお届けします。

「2016~2017プチ旅」 オマーン人って誰なんだろう。

2017-01-12 18:20:36 | 日記
2016年1月12日。


今回の旅で最初に訪れた国、それはオマーン



アラビア半島の東側に位置するこの国は、中東諸国の中でも特に安全な国として有名なんですよね。



けっこう多くの日本人が、「中東」という響きだけでその事情を判断してしまう。

「中東=テロ、危険、危ないイスラム教の国」

といった感じの人が多いだろう。


いやいやいや、とんでもない!

そのような国々も確かにあるし、確かにここ数年はきな臭い事態が発生しているけれど、

中東の全てが「危険f」という認識は、僕はちょっとまずいんじゃないかと思う。





オマーンでは、夜でも子どもが何の問題もなく遊んでいる。


そんなオマーンを今回訪れて一番感じたこと。


それは「オマーン人って誰なんだ?」ということ。


どういうことか?


それは、オマーンに住んではいるが、インド人やパキスタン人が相当多い

ということ。

いやいや、相当多くどころか、お店をやっている人はほとんどインド人ばかりだし、


ちょっとメシを食いに行こうと思ったら、インド料理屋がたくんある。


おかげで安くて美味しいインドカレーやビリヤニを食べることができて、

それはそれで大満足なんだけどね。




ちなみに南インドから来ている人が多く、かなり肌の黒いインド人が多かった。


では、彼らはなぜ遥々オマーンまで来ているのか?

答えは簡単、出稼ぎだ。


こういったことはオマーンだけの話ではない。

UAE(アラブ首長国連邦)やカタールといった、石油がたくさん採れる中東の産油国では、

街中で働いている人はほとんどが外国人労働者なのだ。


そのほとんどが、インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュなどのアジア人。

みんな一生懸命現場などで働き、当の現地人は管理職として、特に苦しい労働をすることはない。


僕は別にそれが良いとか悪いとこ言いたいわけではないけれど、

そんな構造に、何とも言えない感覚が走る。


「み~んな祖国から出稼ぎに来ているんだよな・・・」


そんな中で出会った、インド人のアザッドくん。


フェイスブックでも繋がったのだけれど、メッセージの数がハンパない!

理由は簡単、とにかく日本に来たいというのだ。


その理由も簡単。日本なら、もっとたくさん稼げるから。


バスを待っているときにiPhoneを売りにやってきたパキスタン人のムハンマドくん。


彼も同様に、「俺を日本に連れて行ってくれ!」のオンパレード。


彼に、オマーンでのお給料を聞いてみた。

すると、1か月頑張って働いて、約100オマーンリアル(約3万円)だという。

オマーンの物価を考えると、それはちょっと安すぎだろう?と思ったのだが、

とにかく彼はそう言っていた。


僕は彼に返した。

「それしか稼げないんだ・・・。日本なら、間違いなくその10倍は稼げるよ。」

その瞬間、彼の目の輝きが変わった。


「マサキ、なんとか俺を日本に連れて行ってくれ。頼む!」


別にオマーン人が悪いわけではないし、石油で潤っている国を批判する気もない。

だけど、現地のオマーン人はスケートリンクや遊園地まで室内にあるショッピングモールで買い物を楽しんでいるのに、








外国人労働者は、僅かな金額のために身を削って働いている。




資本主義ってなんだろう。

経済ってなんだろう。

富の分配ってなんだろう。


幸せってなんだろう。


たくさんのインド人やパキスタン人にオマーンで接して、

僕は改めて「世界の仕組み」について考えさせられた。


僕は日本という国で生まれ育った。

その日本という国は、彼らにとって間違いなく憧れの存在である。


今日本では、移民の受け入れ問題などで大きく揺れている。

私たち日本人は、今後どのような対策を取るべきなんだろう。

そして、この世界の構造をどうとらえるべきなんだろう。


思い返してみれば、僕がこのオマーンで話をした人は、

ほとんどがインド人だ。


僕はこの事実を、どうとらえたらよいのだろう。


そんな自問に関係なく、オマーンの人々は今日もモスクで祈り続けている。



藤本正樹(ふじもん先生)


ふじもん先生ホームページ
http://fujimosensei.com/

著書『中学教師が行く、無計画世界紀行』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00YO9OL3K/ref=cm_sw_r_tw_dp_9x5Bvb0HR324E
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