2016年1月12日。
今回の旅で最初に訪れた国、それはオマーン。
アラビア半島の東側に位置するこの国は、中東諸国の中でも特に安全な国として有名なんですよね。
けっこう多くの日本人が、「中東」という響きだけでその事情を判断してしまう。
「中東=テロ、危険、危ないイスラム教の国」
といった感じの人が多いだろう。
いやいやいや、とんでもない!
そのような国々も確かにあるし、確かにここ数年はきな臭い事態が発生しているけれど、
中東の全てが「危険f」という認識は、僕はちょっとまずいんじゃないかと思う。
オマーンでは、夜でも子どもが何の問題もなく遊んでいる。
そんなオマーンを今回訪れて一番感じたこと。
それは「オマーン人って誰なんだ?」ということ。
どういうことか?
それは、オマーンに住んではいるが、インド人やパキスタン人が相当多い
ということ。
いやいや、相当多くどころか、お店をやっている人はほとんどインド人ばかりだし、
ちょっとメシを食いに行こうと思ったら、インド料理屋がたくんある。
おかげで安くて美味しいインドカレーやビリヤニを食べることができて、
それはそれで大満足なんだけどね。
ちなみに南インドから来ている人が多く、かなり肌の黒いインド人が多かった。
では、彼らはなぜ遥々オマーンまで来ているのか?
答えは簡単、出稼ぎだ。
こういったことはオマーンだけの話ではない。
UAE(アラブ首長国連邦)やカタールといった、石油がたくさん採れる中東の産油国では、
街中で働いている人はほとんどが外国人労働者なのだ。
そのほとんどが、インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュなどのアジア人。
みんな一生懸命現場などで働き、当の現地人は管理職として、特に苦しい労働をすることはない。
僕は別にそれが良いとか悪いとこ言いたいわけではないけれど、
そんな構造に、何とも言えない感覚が走る。
「み~んな祖国から出稼ぎに来ているんだよな・・・」
そんな中で出会った、インド人のアザッドくん。
フェイスブックでも繋がったのだけれど、メッセージの数がハンパない!
理由は簡単、とにかく日本に来たいというのだ。
その理由も簡単。日本なら、もっとたくさん稼げるから。
バスを待っているときにiPhoneを売りにやってきたパキスタン人のムハンマドくん。
彼も同様に、「俺を日本に連れて行ってくれ!」のオンパレード。
彼に、オマーンでのお給料を聞いてみた。
すると、1か月頑張って働いて、約100オマーンリアル(約3万円)だという。
オマーンの物価を考えると、それはちょっと安すぎだろう?と思ったのだが、
とにかく彼はそう言っていた。
僕は彼に返した。
「それしか稼げないんだ・・・。日本なら、間違いなくその10倍は稼げるよ。」
その瞬間、彼の目の輝きが変わった。
「マサキ、なんとか俺を日本に連れて行ってくれ。頼む!」
別にオマーン人が悪いわけではないし、石油で潤っている国を批判する気もない。
だけど、現地のオマーン人はスケートリンクや遊園地まで室内にあるショッピングモールで買い物を楽しんでいるのに、
外国人労働者は、僅かな金額のために身を削って働いている。
資本主義ってなんだろう。
経済ってなんだろう。
富の分配ってなんだろう。
幸せってなんだろう。
たくさんのインド人やパキスタン人にオマーンで接して、
僕は改めて「世界の仕組み」について考えさせられた。
僕は日本という国で生まれ育った。
その日本という国は、彼らにとって間違いなく憧れの存在である。
今日本では、移民の受け入れ問題などで大きく揺れている。
私たち日本人は、今後どのような対策を取るべきなんだろう。
そして、この世界の構造をどうとらえるべきなんだろう。
思い返してみれば、僕がこのオマーンで話をした人は、
ほとんどがインド人だ。
僕はこの事実を、どうとらえたらよいのだろう。
そんな自問に関係なく、オマーンの人々は今日もモスクで祈り続けている。
藤本正樹(ふじもん先生)
ふじもん先生ホームページ
http://fujimosensei.com/
著書『中学教師が行く、無計画世界紀行』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00YO9OL3K/ref=cm_sw_r_tw_dp_9x5Bvb0HR324E
今回の旅で最初に訪れた国、それはオマーン。
アラビア半島の東側に位置するこの国は、中東諸国の中でも特に安全な国として有名なんですよね。
けっこう多くの日本人が、「中東」という響きだけでその事情を判断してしまう。
「中東=テロ、危険、危ないイスラム教の国」
といった感じの人が多いだろう。
いやいやいや、とんでもない!
そのような国々も確かにあるし、確かにここ数年はきな臭い事態が発生しているけれど、
中東の全てが「危険f」という認識は、僕はちょっとまずいんじゃないかと思う。
オマーンでは、夜でも子どもが何の問題もなく遊んでいる。
そんなオマーンを今回訪れて一番感じたこと。
それは「オマーン人って誰なんだ?」ということ。
どういうことか?
それは、オマーンに住んではいるが、インド人やパキスタン人が相当多い
ということ。
いやいや、相当多くどころか、お店をやっている人はほとんどインド人ばかりだし、
ちょっとメシを食いに行こうと思ったら、インド料理屋がたくんある。
おかげで安くて美味しいインドカレーやビリヤニを食べることができて、
それはそれで大満足なんだけどね。
ちなみに南インドから来ている人が多く、かなり肌の黒いインド人が多かった。
では、彼らはなぜ遥々オマーンまで来ているのか?
答えは簡単、出稼ぎだ。
こういったことはオマーンだけの話ではない。
UAE(アラブ首長国連邦)やカタールといった、石油がたくさん採れる中東の産油国では、
街中で働いている人はほとんどが外国人労働者なのだ。
そのほとんどが、インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュなどのアジア人。
みんな一生懸命現場などで働き、当の現地人は管理職として、特に苦しい労働をすることはない。
僕は別にそれが良いとか悪いとこ言いたいわけではないけれど、
そんな構造に、何とも言えない感覚が走る。
「み~んな祖国から出稼ぎに来ているんだよな・・・」
そんな中で出会った、インド人のアザッドくん。
フェイスブックでも繋がったのだけれど、メッセージの数がハンパない!
理由は簡単、とにかく日本に来たいというのだ。
その理由も簡単。日本なら、もっとたくさん稼げるから。
バスを待っているときにiPhoneを売りにやってきたパキスタン人のムハンマドくん。
彼も同様に、「俺を日本に連れて行ってくれ!」のオンパレード。
彼に、オマーンでのお給料を聞いてみた。
すると、1か月頑張って働いて、約100オマーンリアル(約3万円)だという。
オマーンの物価を考えると、それはちょっと安すぎだろう?と思ったのだが、
とにかく彼はそう言っていた。
僕は彼に返した。
「それしか稼げないんだ・・・。日本なら、間違いなくその10倍は稼げるよ。」
その瞬間、彼の目の輝きが変わった。
「マサキ、なんとか俺を日本に連れて行ってくれ。頼む!」
別にオマーン人が悪いわけではないし、石油で潤っている国を批判する気もない。
だけど、現地のオマーン人はスケートリンクや遊園地まで室内にあるショッピングモールで買い物を楽しんでいるのに、
外国人労働者は、僅かな金額のために身を削って働いている。
資本主義ってなんだろう。
経済ってなんだろう。
富の分配ってなんだろう。
幸せってなんだろう。
たくさんのインド人やパキスタン人にオマーンで接して、
僕は改めて「世界の仕組み」について考えさせられた。
僕は日本という国で生まれ育った。
その日本という国は、彼らにとって間違いなく憧れの存在である。
今日本では、移民の受け入れ問題などで大きく揺れている。
私たち日本人は、今後どのような対策を取るべきなんだろう。
そして、この世界の構造をどうとらえるべきなんだろう。
思い返してみれば、僕がこのオマーンで話をした人は、
ほとんどがインド人だ。
僕はこの事実を、どうとらえたらよいのだろう。
そんな自問に関係なく、オマーンの人々は今日もモスクで祈り続けている。
藤本正樹(ふじもん先生)
ふじもん先生ホームページ
http://fujimosensei.com/
著書『中学教師が行く、無計画世界紀行』
http://www.amazon.co.jp/dp/B00YO9OL3K/ref=cm_sw_r_tw_dp_9x5Bvb0HR324E
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