gooブログ<大分北部~東部海岸をめぐるカヤッククルーズ>

古から南蛮貿易で海外文化を齎した大分の海(瀬戸内の豊前海~別府湾~豊後水道~日向灘)をカヤッククルーズで紹介します。

>H27.4 豊後水道・水ノ子島灯台クルーズ

2015-04-28 12:41:29 | カヤッククルーズ






 H27年4月27日、今年最初のクルーズは豊後水道中央部に浮かぶ”水ノ子島灯台”とした。昨年(H26年)は、天候に恵まれず(晴れてはいても風と波のため)三度も無駄足を運んだ目標であった。
3月中旬まで降雪があり、桜の開花が少し遅れいつもの年よりクールな春かと思っていたが、ここ数日の好天気は初夏の日差しを感じさせるものがあり、昨日、一昨日の連続した初夏日和を見逃して・・・今度こそ!・・・と積年の期待と確信を以って臨んだ。

 出発は朝8:10、福泊漁港から出艇し釜戸漁港経由、左手に蒲戸崎、右手は遥か先に鶴御崎・大島を望みつつの好スタートであった(風はないし、波もない)。いつもであれば到達点を目標とするが、今回はその目標が見えないため蒲戸崎と大島の沖合真ん中あたりをめがけて進む。(本来ならば磁石を見ながら・・・であるべきところ、勝手知りたる・・・にて一部手抜き。)左右の目標物(蒲戸崎、大島)が後ろに下がって前面180度の視界から見えなくなった頃、正面に薄っすらと目標物(灯台)が見えるようになったきた。

11:25灯台際に到着。堂々とした灯台である。灯台は豊後水道のど真ん中に浮かぶ島(岩礁)の上に(角石を積み上げて)構築されているが、コンクリート造りの建物も付設されている。

<水ノ子島灯台の諸元>
 ・1900年(明治33年)着工から4年の難工事を経て1903年(明治36年)完成。
  ・内側:レンガ積み、外側:徳山産の花崗岩で装石積みしたもので内部は8層の造り。
  ・離島の灯台としては日本一の高さを誇る。(塔の高さ:39m)
 ・1945年(昭和20年)太平洋戦争末期、米軍機による攻撃で第1等レンズが破壊された。
 ・1950年(昭和25年)戦災復旧工事により復旧。
 ・1986年(昭和61年)完全自動化。自動化までの間、灯台守が常駐していた。1957年(昭和32年)映画:「喜びも悲しみも幾歳月」の舞台となった。

11:45(干潮時間が10:30として)満ち潮が灯台の左右の瀬を白波を立てて越えるようになっている。島(岩礁)を周回して鶴御崎・大島を目指す。距離は蒲戸崎から水ノ子島と同じ20kmと見込むが、1時間漕いでも島影はくっきりとしない。潮の満ち込みに合わせるように南風と波が立つようになる。
残す距離は12~13km(大島まで)と同じく10km強(大島から釜戸先まで)、併せて25km弱はこれからの風の強まりを予想するとかなりきつい行程となりそうであった。
急遽、方向を蒲戸崎に変えて残りの行程を短縮させた。その行程の半ばまでは追い風に波乗り状態でかなり効率的に進むことができたが、釜戸崎目前の(2~3km)であろうか斜め風と波が強まり艇の速度は歩く速さにしか維持できなくなった。
このきつさは、龍神~姫島、佐田岬の帰路と比べて・・・単に体力の消耗だけではない、風が波がこれまでよりきつい・・・。釜戸崎沿いは横風と横波のなか、もがきのパドリングであったが出発点の福泊漁港の手前(沖側)釜戸漁港に漸く到着した。巨大な防波堤で防御された漁港内は(外海と違い)水を打ったように静かで・・・入港からしばらくは艇上に躰を伏せる程であった。天国と地獄の差はこのことをいうのか・・・。

港内の岸壁上を見上げると、いつも通り”たてあみ”を繕う漁師さん(河野さん、吉田さん)が笑い顔で知らない振りをして声をかけてきた。「あれ、今日は何処へ行ってきたんか?」、「水ノ子しかないやろう、知っとるくせに・・・」、「よう帰ってきたのう」、「簡単に死ぬわけにはいかんわー」・・・の言葉のやり取りでまた元気を取り戻した。


<蒲戸崎展望台からのパノラマ写真>

>>保戸島遠景


>>津久見・四浦半島の間元、四浦方面の遠景


>>佐伯市上浦 福泊方面の遠景


>>佐伯湾大入島、佐伯港方面の遠景


>>佐伯湾 沖松浦・八島方面の遠景


>>佐伯湾 有明浦・羽出浦方面の遠景


>>佐伯湾 広浦・丹賀浦方面の遠景


>>鶴御崎・大島方面の遠景


>>豊後水道中央に浮かぶ”水ノ子島灯台”と宇和島の遠景



<クルーズ写真>
>>経由した釜戸漁港


>>釜戸崎の景観(Ⅰ)最勝海浦


>>釜戸崎の景観(Ⅱ)釜戸崎


>>向かう海上には何も見えない


>>1時間が経過する頃、正面に水ノ子島が微かに見えるようになった


>>


>>


>>灯台の二本線は”水ノ子”


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>>これが”水ノ子島灯台”直近の姿


>>水ノ子島を周回して帰路にかかる


>>(陸路での)帰路、振り返り見る釜戸