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誰も知らない認知症;脳のはたらき(知的機能)からみた老人性認知症の予防と介護

老人性認知症の確実な予防方法と認知症高齢者の適切な介護方法をシリーズで解説します。

44 こころの知能指数

2018-11-12 12:15:08 | 日記

(お知らせ1;必見のブログです!是非とも閲覧して下さい)
 このブログ「誰も知らない認知症」の読者の方々には「29 高槻さんのブログ」〔2018/08/15〕以降、エイジングライフ研究所副所長の高槻絹子さんのブログ「脳機能からみた認知症」( https://blog.goo.ne.jp/ageinglife )をこれまでに何度もご紹介してきましたが、最近のブログ『「チコちゃんに叱られる」にエイジングライフ研究所のグラフ登場』〔2018/11/8〕を是非とも閲覧していただくようお勧めします。

(お知らせ2;緊急企画です)
 このブログ「誰も知らない認知症」には最近毎週1回のペースで投稿(更新)していますが、上記の「高槻さんのブログ」に刺激された緊急企画として、11月中旬から下旬に予定していた3つのテーマのブログ
 ・42 再び「知的機能」(重要)
 ・43 前頭葉と「心」「意」「気」
 ・44 こころの知能指数
を3回(11月9日、10日、12日)連続で投稿することにしました。


 今回のブログでは、読者の方々に「知的機能のネットワーク」や「前頭葉が担う心的機能」に関する理解をさらに深めていただくために、「こころの知能指数」(EQ)について解説したいと思います。

 一般に「頭が良い」(知能が高い)という言葉は主に左脳が担う認知機能(理性)を反映する「知能指数」(IQ;Intelligence Quotient)が高いという意味で用いられているようです。数学者や物理学者は「頭が良い人」とよく言われますが、右脳が担う認知機能(感性)が優れた画家やスポーツ選手が「頭が良い人」と言われることはあまり耳にしたことがありません。しかし「あたまの知能指数」とも表現できる知能指数とは異なった視点から「こころの知能指数」(EQ;Emotional intelligence Quotient)という言葉が社会科学などの領域で注目されてきました。

 EQは「情動知能」とも呼ばれ「自分の感情を適切にコントロールして、自分の持っている能力を最大限に発揮するための社会的知性」と表現されることもあります。EQを理解するための参考書籍としては、ダニエル・ゴールマンの著書を訳した「EQ こころの知能指数」(土屋京子;翻訳、講談社+α文庫)などが基本になると思いますが、このブログでは臨床心理学者の内山喜久雄博士の「EQ、その潜在力の伸ばし方」(講談社)をお勧めしたいと思います。



 このブログの「知的機能の分類と担当領域、特性」で示した前頭葉が担う「心内知能」や「対人知能」は、「EQ」を構成する中心的な要素として位置付けられ、心内知能は「自分自身を動機づける」「自分自身の情動を知る」「自分の感情を抑制する」知能であり、対人知能は「他人の感情を認識する」「人間関係をうまく処理する」知能であると説明されています。そして、内山博士は「EQ」を評価するために「楽観性」や「共感的理解」などの10項目の「EQファクター」を紹介しています。このように「EQ」は優しさや思いやりが欠如しがちな「IQ重視の社会」(競争原理の社会)の弊害に対処していくための知的機能として重要視されるようになりました。





 一方、「IQ」が「考える知性」と表現されるのに対し、「EQ」は「感じる知性」と表現されています。人間は他の動物とは比較にならないほどの豊かな知性を発達させた「感じ考える」動物に進化してきました。「EQ」は「IQ」と対立する考え方ではなく、前頭葉を中心とした知的機能のネットワーク、特に前頭葉が担う心的機能を理解するために有用な考え方であると考えられます。
 このブログの読者の方々に「EQ」(こころの知能指数)がどのような知能であるのかを実感していただくために、内山博士の著書「EQ、その潜在力の伸ばし方」の末尾に掲載されている「EQを測る」方法を紹介させていただきます。ご自分の「EQ]を実際に測定していただければ「EQ」(こころの知能指数)を具体的に理解していただけると思います。なお、「EQ]は「IQ」のような数値ではなく「EQプロフィール」として示されます。

 「EQ」を測るための最初の手順は、60項目の設問からなる「EQテスト」(10項目の「EQファクター」に対して各々2項目の「下位項目」が設定され、20項目の「下位項目」に対して各々3項目の設問が設定されています)に「設問に対する自己評価」を入力(記入)することです。設問への回答は、〔0〕まったく違う、〔1〕少し違う、〔2〕どちらとも言えない、〔3〕そういう傾向がある、〔4〕ほとんどそうである の〔0〕~〔4〕の数字を入力(記入)します(回答の表現は一部改変しています)。



 実際に「自分のEQを測ってみよう」と思われる読者の方々は、以下に示す(60項目の設問からなる)「EQテスト」などの参考図表をプリントアウトして必要事項に記入(入力)し、それらの集計作業を進めていただければご自分の「EQプロフィール」をご覧いただけると思います。しかし、プリントアウトや集計が面倒な方は下記のファイルの入手をお勧めします。

   ※「EQプロフィール」を測るファイル( Microsoft Excel )の入手方法
     このブログの連絡先( fuchi@hakuaikai.jp )宛に「EQプロフィール測定用の
     ファイル希望」と「メール」でご連絡ください。特定医療法人博愛会、社会福祉法人
     博愛会の関係者の方々は「法人内LAN](老健施設長)でご連絡ください。


【記入例1】



【記入例2】



【集計例】


【EQプロフィールの例】


 ご自分の「EQプロフィール」をご覧になってどのような感想をお持ちになられたでしょうか?「こんなはずではない」と憤慨された方がおられるかもしれません。
 ちなみに内山博士の著書「EQ、その潜在力の伸ばし方」では、臨床心理学の領域における「EQを高めるための有効な訓練法」として、社会スキル訓練法、合理情動行動療法、レジェリンシー法などの治療の手法が紹介されています。

【参照】 ・02 知的機能(1)〔2018/05/01〕
     ・03 知的機能(2)〔2018/05/07〕
     ・04 知的機能(3)〔2018/05/09〕
     ・05 知的機能(4)〔2018/05/15〕
     ・39 かなひろいテスト不合格(1)〔2018/10/24〕
     ・40 かなひろいテスト不合格(2)〔2018/10/31〕
     ・41『脳は「1つの脳」(重要)』〔2018/11/07〕
     ・43 前頭葉と「心」「意」「気」〔2018/11/10〕


(44 訂正とお知らせ)・・・ 削除しました 2019/01/25

(訂正させていただきます)
 前回のブログ〔2018/11/12〕では「44 こころの知能指数」とすべき表題を「43 こころの知能指数」と表記してしまいました。謹んで訂正しお詫び申し上げます。実は、以前のブログ「27 かなひろいテストの集計方法」〔2018/08/01〕でも計算ミスをしています(お気付きの方もおられると思います)。他にも???
 尤もらしい言い訳を書き述べますと、このブログ「誰も知らない認知症」は勤務時間外である昼休みの時間に食事しながら投稿しています。したがって、時間に余裕がない時などは十分にチェックしないまま「エイヤッ」と投稿ボタンをクリックしてしまうのです。もちろん、年々前頭葉機能が低下しつつあるので「歳のせい」(ボケの始まり?)であることも決して否定はいたしません。

(お知らせ;必見のブログです!是非とも閲覧して下さい)
 このブログ「誰も知らない認知症」では「高槻さんのブログ;脳機能からみた認知症」をこれまでに何度もご紹介しています(特に最近は)。今回は『前途多難な「大恋愛~僕を忘れる君と」』〔2018/11/11〕を是非とも閲覧していただくよう、お勧めしたいと思います。



 今回ご紹介する「高槻さんのブログ」では「アルツハイマー病」という病気(病名)に関する深刻な誤解が分かりやすく記述されています。ただし、このブログで「エイジングライフ研究所」が「アルツハイマー型老年認知症」と表現している病名(病気)は、ブログ「誰も知らない認知症」の読者の方々には「老化廃用型認知症」と同様の病気であると理解していただきたいと思います〔 病名に 振り回される 認知症 〕。

〔参照〕 ・06 老化廃用型認知症(1)〔2018/05/16〕
     ・29 高槻さんのブログ〔2018/08/15〕
     ・31 アミロイドβの蓄積 〔2018/08/29〕
     ・32 海馬の萎縮 〔2018/09/05〕



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