偽ものライカのZorki-1。いつもはフィルムの装填の方法を
忘れがちな私だったが,今回は無理なくスムーズにできた。
ネットで買った期限切れの感度100/12枚撮りのフィルムを。
空のシャッターを切って,巻き取りに問題ないことを確認。
軍艦部の右側にある、フィルムのカウンターを0にセット。
裏側の,左端にあるのが、ピント合わせ用のファインダー。
その右隣が構図用。レンズを引き出して右にすこしまわす。
レンズが固定される。軍艦部にあるつまみでシャッターの
スピードを、レンズ表面のレバーで絞りを、それぞれ好み
の数値にセットする。露出が決まる。被写体に向かう。
露出が適正なら,じつにいい写真が撮れるカメラ。レンズ
が素晴らしいのだろう。半世紀近く前の月はじめ,ロシア
のカメラ工場の工員さんたちが,流れ作業で、生真面目に
組み立てた個体。いい具合に出来あがったカメラとレンズ。
かの地では,月のなかば以降、工員さんたちは不真面目に
なってしまう。酒に酔って働くので,ひどい手抜きの製品
しか出来あがらないのだ。共産主義の、でたらめな側面で
もあるのだ。作られるもののでき不出来がはなはだしい。
そんな中で、偶然に,いい状態のカメラを私は手に入れた。
たまに撮影しなくては、いろんな人に申し訳がない、なん
て気分になってしまう。偽ものなりに、よく写ってくれる
カメラだから、もっと手にしたいのだ。もっと撮影を。