シンプルで地味だが堅実な作り．そんな印象のカメラである．かなり有名
なレンズを搭載しているので、その写りには期待が持てそう．コニカ初の
プログラムEEのレンジファインダー式カメラ．複数の機種がシリーズ化
された初代機「EE-Matic」～この個体はセレン電池による露出計も機能
していて精度も確かなものかもしれない．他の各部にもとくに問題はなさ
そうな感じ．完動品に近い状態のもの．ファインダー内もクリアで二重像
を合致させるピント合わせも楽しめる．フィルム感度設定はISO200まで
しか対応していない．オート撮影時、うす暗い室内ではロックがかかって
シャッターは切れないかもしれない．そんな余計なお世話の仕組みも採用．
これは古いカメラにはよくある仕様ゆえ仕方がない．AEカメラへの参入
に後れをとったらしいコニカが満を期して発売したもので．ピント合わせ
の後に Auto設定を外してガイドナンバーや絞りの目盛りに合わせレバー
を調整すると、手動フラッシュマチックorマニュアルでの撮影ができる．
Konica EE-Matic
●レンズ：Hexanon 40mm/F2.8 絞り：2.8～22
●シャッター速度：1/30～1/250秒 ●電池：セレン光電池
●サイズ：125×79×63mm ●重量：約550g
●当時価格：10800円 ●発売：1963年
使用期限まじかの，Agfaの ISO100/36枚撮りカラーネガフィルムを使用．
ほとんどのカットをオートで撮影．その堅牢なイメージのカメラゆえ操作
には安心感が．撮影の基本操作や感覚を楽しめる．36枚撮りという多めの
撮影枚数も気にはならない．撮影の終盤には，変則的なマニュアル操作も．
ストロボ使用時の操作法を流用して．シャッター速度は1/30秒に固定され、
絞りは2.8から22まで任意に選べる．以下のようなメモ．忘れていたが．
30:1/30.2.8 寝室 31:1/30.2.8 仕事部屋 32:1/30.4 仕事部屋
33:1/30.2.8 小鳥たちの部屋 34:1/30.16 公園、そして愛犬が
35:1/30.11 ベランダの植物 36:1/30.5.6 人形
試写の結果はやはりいいものだった．私は満足である．こんな良いカメラ
を安価に入手することができて、現在でも撮影が可能だということはなん
と奇跡的なことだろうか．レンズのわずかな劣化で逆光ぎみの被写体では
写りが淡く切ないものに．光が乱舞してしまう．これは仕方のないことで，
とにかく以後はオートのみで安楽に撮影が出来る．それもいいものだから．
