キャノンのレンジファインダーカメラ「Canonet」の初代後期型。フィルム
感度の設定は400まで出来るのでそれがわかる。ファインダー内部には絞り
の数値の指針が表示される。昨年のことだったろうか。3カ所の小さなマイ
ナスネジを開け、トップカバーを取り外した。汚れていたファインダーの中
を掃除するために。きれいになったので組み立て直したら何故かシャッター
が切れなくなってしまった。壊したのかもしれない。あきらめず再度トップ
カバーを開けて内部をよく確認してみた。シャッターとその受け止め部分に、
それぞれ突起があり,噛み合わさってなんらかの制御をしているようなのだ。
なかば調整できたが、完全には不具合を直せなかった。シャッターは切れる
ようにはなったが,フィルムの感度設定レバーを400にすると1/125秒以に、
100に設定すると1/60秒以下のみが切れる。おかしなことになった。最高速
の1/500秒と1/250秒が使えない事態に。仕方がないのでマニュアル撮影で
試写を。あんがいよく撮れていた。それから一年がたったころ。オートでの
露出は使えないが、マニュアルなら撮影が可能かもしれないという同型機の
ジャンク扱い品を安価に買った。しかし届いた個体はマニュアルでの撮影は
可能だが,フィルムを巻き上げると何故か同時に次のシャッターが切れると
いう不具合が。最初に持っていたCanonetは、接眼部のガラスの端が割れて
もいたので,今回買った同型機は撮影できそうもないし部品取り専用にする
ことに。トップカバーをはずす。接眼部のガラスまわりは溶接されたごとく
強く接着されていた。トップカバーごと交換しよう。どうにか使えるほうの
個体もまた分解を。そして組み立て直す。すると何故か不思議と、以前から
持っていたほうの個体がきゅうにほぼ完全な動作が出来るようになったのだ。
高速側のシャッターも切れるようになった。絞りの開き具合にも問題がない。
オート撮影のモードではファインダー内の絞りの指針が被写体の明暗に合わ
せて変化もしている。精度は不明だがセレン電池も生きている。オート露出
だけでの撮影も可能かもしれない。さっそくフィルムを装填して試写なのだ。