blueな日々

( Art で逢いましょう)

Bridge Over Troubled Water

2006年11月28日 | 音楽と私

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歌は旅をする。そして歌は時に、ある歴史を知る人
から、新たな歴史を作る人々への、架け橋にもなる。
番組のナビゲイターが、そういっていた。穏やかに
心を開いて、私も番組を見ようとした。私の青春と
ともにポール・サイモンの歌はあった。また聴こう。

昨夜、NHK総合で『プレミアム10~世紀を刻んだ歌
~明日に架ける橋・賛美歌になった愛の歌』を見た。

………
1970年に発表された『明日に架ける橋』は世界中で
1100万枚以上ものセールスを記録した、サイモンと
ガーファンクルの作品。当時のアメリカはベトナム
戦争と公民権運動による混迷の只中で、ゴスペルに
ヒントを得て作られたこの歌は、荘厳な調べと鮮烈
な歌詞によって現状を糾弾するメッセージソングと
して爆発的なヒットを記録。その後、多くの歌手に
よってカバーされたが、中でも黒人女性歌手アレサ・
フランクリンの歌は、人種隔離政策がつづいていた
70年代後半の南アフリカで、独自の発展を遂げた。

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僕が身体を横たえる。荒れた海に架かる橋のように。
Like a bridge over troubled water.
I will lay me down.
~という歌詞に共感した黒人居住区の人々が教会の
賛美歌として口ずさむようになる。作曲者のポール・
サイモンは、南アフリカに渡ってコンサートを開き
展開する反アパルトヘイト運動の力となった。また
9.11同時多発テロの際には、ポール・サイモン自ら
が犠牲者追悼のために歌ったことが引き金となって、
再び全米で大ヒットに。歌は世界を駆けめぐり戦争
や人種差別への抗議の象徴となり、教会での賛美歌
にまでなった。「明日に架ける橋」の物語を女優の
緒川たまきが解き明かしていく。
      (NHKオンラインより転載・編集)
………
ナビゲイターはアメリカから南アフリカへ。彼女が
好きなカメラを手に。旅をして変容する歌のように。
私もこれまで知りえなかった現実の断面を目にする。
だが、I will lay me downという心にはなれない自分
を発見するのだ。その行為は私には見つからない。

心を揺さぶられるほどの歌を作って、そして歌うの
が人間なら、耳をふさいで聴こうとしないのも人間。
私は変にさめた認識で、この番組を見ていた。行き
着くところは、いつも人の心の中の色彩を失いつつ
ある世界。あきらめるのはまだはやいが、うんざり
もするのだ~自分は関係ないなどとの逃げもあって。

ポール・サイモンの歌は、私はいつの間にか歌詞を
おぼえているので、彼の歌声にあわせて、口ずさむ
ことができる。音痴でなければ大きな声で歌いたい。


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余談:緒川たまきさんは、魅力的な女性ではあるが、
どこか倦怠感がただよい取り澄ました感覚もあって、
微妙に世間と離れて生きる女性である~そんな印象
を受ける人である。だからだろうか私の中では気に
なる個性のひとり~面白い女性である。私のNには、
彼女のように、カメラを持って街に出ては?なんて
誘うのだが~機械式のカメラを渡してもいるし。


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