本を、長編作品をあれこれ探してみた。自宅に今あるのは小説では、
『大聖堂』『チャングム』『未亡人の一年』『怒りの葡萄』『夜は
やさし』『ブリキの太鼓』『かみそりの刃』『吉里吉里人』『人間
の条件』などが、たぶん未読だ。書棚の文庫本を適当に探してみた。
ノンフィクションでは『ミシェル城館の人』『本居宣長』『レイテ
戦記』』『空海の風景』『アンジェラの灰』『アスピリン・エイジ』
『大統領の陰謀~大統領の日々』などの文庫本が見つかった。
ロシアやSF作品の専用の書棚の前には、こわれたパソコンや鳥かご
などを置いているので、探さなかった。フィクション、ノンフィク
ション、またジャンルなども問わず、長編作品それ自体は、他にも、
もっとたくさんあるが、探すのが面倒に。すべて上下巻、上中下巻、
あるいは全5冊などの、長編作品ばかりを探してみた。日に数時間、
読書にひたることで、現実から逃げていたい私。あわよくば、いや、
できれば読書を楽しみたい。長編作品の世界に埋もれていたい。
昨夜から読みはじめた『ルール』という戦争小説は、たぶん二時間
ほどで読み終えるだろう。次になにを選ぶか。それが問題。やはり
昨日買った古書の文庫、SF3部作『川の書』『星の書』『存在の書』
がいいだろうか。つづいて『吉里吉里人』はどうだろう。この作者
の作品はまだ読んだことがないし。ひととおり小説の長編作品の味
を堪能したら、次はノンフィクションへ。気がつけば、春になって、
私は活動を開始する。なにをするのかはわからないが。
肯定的にとらえれば、読書という精神活動は、自分とは、別に存在
するものへの探求でもある。つまりそれは静かな冒険でもあるはず。
日常生活それ自体が冒険だ、などと発言するメディアなどもあるが、
そうだとしても、なかなか実感はできない。やはり読書での冒険が、
私にとっては最高のもの。精神の冒険であっても、人はある意味で
豊かにもなれる。味わいが加味されることも。本を手にしよう。