愛犬が私にまとわりつく。
いっしょに遊ぶ、仲のいい犬もいないし、人は私以外、
ほとんど知らない。人が孤独な生活を生きているので、
ともに暮らす犬までがそうなってしまった。
月曜日(祭日)は、疲れがたまりはじめていたので
午後は何もせずに、借りていた映画を見た。2本。
(レンタルでは、見ないまま返すことも多いのだ)
………
『モンパルナスの灯』1958年フランス映画
モジリアニ(Amedeo Modigliani:1984~1920)の画業と
生涯を描く。貧困。病苦。36歳の若さで死んだモジリアニ。
アヌーク・エイメが奥さん(ジャンヌ)の役を演じていた。
リノ・バンチュラも出ていた。記憶になかった。ふたりとも
好きな俳優だ。画商については最初に見た10代、幼い正義感
で怒り狂った私だったが、今回は、不思議に奇妙に感じた。
画商は、モジリアニの才能を見極めていたのに何故、支援を
しなかったのか? そのほうが結局は、自分の利益になりは
しないか?(私はまだ甘いのだろうか…)
あれが、より冷徹な「現実」なんだろうか?
友人のズボロウスキーも画商? 私が不思議に感じた
のは別の画商のこと。映画でバンチュラが演じたほう。
映画は無造作に作られている。監督の感覚なのだろうか?
ジャック・ベッケル作品は他に何本か見ているが、すべて、
まったく憶えていない…。情けない記憶…。
以前に見た時のラストは、身ごもった奥さんが踊り場から
身を投げるシーンだったと、かすかに記憶していたが…。
モジリアニを演じたジェラール・フィリップ(いい個性)
もまた、映画公開の翌年に、モジ…と同じ36歳で死んだ。
ふたり、非常に惜しい人間(私にとっては)。もっと長く
生きて欲しかった。もっと作品を残して欲しかった。
………
『その男ゾルバ』1964年アメリカ映画
青年期の記憶に残る、私には奇妙な味の映画だった。
今回はやや満足。アンソニー・クインのあのアクの強さが
まったく嫌みではなかった。しかし、やはりどこかおかし
な映画。原作を読まなければ、ギリシャ(小島の)風俗?
風習?などは理解できないかもしれない。読めば分かる、
というわけでもないが…。ふたりの女性の死。村の男たち
の愚かさや理不尽な集団行動。挿入される不条理な展開。
ヨーロッパの映画ではたまにこんな男たちが描かれている。
それにしても(私は)イレーネ・パパスがいつ見ても怖い。
………
これは『その男ゾルバ』と同じ原作者=ニコス・カザンザキス
の著作を元に作られた映画。私のお気に入りの人々が出ている。
『最後の誘惑』1988年アメリカ映画
監督:マーティン・スコセッシ(それほど好きなわけではない)
音楽:ピーター・ガブリエル(知らなかった…)
出演:ウィレム・デフォー、ハーヴェイ・カイテル、
デヴィッド・ボウイ(彼は記憶に残っていない…)