blueな日々

( Art で逢いましょう)

非凡さはどこに

2006年11月12日 | 読書メモ

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Wikipediaより~松本清張は、江戸川乱歩や横溝正史
などとならぶ、昭和を中心に活躍した日本の代表的な
推理小説家である。その作品は、今日でも映像化され、
人気を集めている。余談~江戸川乱歩の作品は読んだ
ことがない。読みたいとも思わない。横溝正史の作品
には中学から高校時代、おおいに楽しませてもらった。

………
『点と線』古書を購入(文庫本)
著者:松本清張 出版:新潮社 発行:1971.05

出版社の内容紹介:九州の海岸で、官庁の課長補佐と
料理屋の女中の死体が見つかった。目撃者も現われて、
事件はそのまま心中として処理される、しかし疑惑を
抱いた刑事が捜査に乗り出した。たどり着いた容疑者
には鉄壁のアリバイが…。汚職事件にからんだ複雑な
背景と、時刻表を駆使した、リアルな状況設定により、
推理小説界に「社会派ミステリー」の新風を吹き込み、
空前の推理小説ブームを巻き起こした傑作。

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………
この作品に限れば、期待はずれだった。発表は半世紀
も前のことである。幼き者の作文のような簡潔さとは
別物の素っ気ない文体。警察~刑事たちの呑気な描写、
えん罪の恐れさえ感じさせる見込み捜査、現実感覚の
ないトリック?など。この作品のどこが社会派なのか、
傑作なのか、理解に苦しむ私であった。

アリバイ崩しがメインの推理小説である。しかし列車
や飛行機などの時刻表を説明しただけの、実際は何の
新奇さも興奮も感嘆もない犯罪~犯行である。犯人の
不必要なアリバイ作り、実に不可解な~現実味のない
目撃者の演出行為など、ただアイデアを機械的に文章
にしただけの印象。ひどくがっかりした作品。

とはいえ私にとっては、まだ気になる作家のひとりで
あることにはかわりがない。未読の彼の代表的な作品
を読んでみたいと思っている。たとえば芥川賞を受賞
した『或る「小倉日記」伝』、推理では『ゼロの焦点』
『砂の器』『わるいやつら』『鬼畜』などを。

思い出したこと~彼の『昭和史発掘』『日本の黒い霧』
といったノンフィクション作品は、読んだことがある。


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