今年の自身への誕生日のプレゼントとして購入.オークションでやや高めの
値段ではあったが.整備済みで今でも状態の良い個体.かなりコンパクトに
作られているが、金属製のボディゆえほどよい重量感があり、私好みの古き
懐かしい時代の精密な機器.そんな印象だ.操作性も適度に手間がかかって、
例えばピント調節と構図決めは別の小型ファインダーで行う.初期のLeica
と同じ仕組み.それに設計者や会社の経歴など、写りも期待できそうな予感.
感度200/24枚撮りのカラーネガフィルムを使用.
1.1/25秒 F/3.2 寝室~約20枚撮影
Bolsey B
●レンズ:Wallensak 44mm/F3.2
●距離計:レンジファインダー 上下像合致式 二眼式
●焦点調節:直進ヘリコイド ●ファインダー:逆ガリレイ式
●シャッター:3枚羽根のエバーセット式
●シャッター速度:T、B、1/10~1/200秒
●フィルムカウンター:手動セット順算式
●二重撮影防止機構:なし
●フィルター径」22mm ネジコミまたは 24mm カブセ
●シンクロ接点:取り付け式 ●セルフタイマー:なし
●サイズ:107×71×60mm 約410g ●発売:1947年
*ボルシー=Bolseyは1947年にジャック・ボゴポルスキーが設立した
アメリカのカメラメーカー.「Bolsey Corporation Of America」
アルパのアメリカ代理店も務めたらしい.1956年にウィットナー社
に売却され廃業.…Bolsey Bは、フィルム巻き上げの前に巻き上げ
ノブをいったん上に引き上げてから操作する必要があり、フィルム
巻き上げとシャッターチャージが完了され、巻き上げノブが静止を.
シャッターを切らなくてもノブを上に引き上げればまた巻き上げら
れるのでフィルムの無駄遣いをする可能性も.スプロケット回転で
シャッターチャージをするためフィルム装填しないとシャッターが
切れず故障と勘違いされることも.フィルム巻き戻しにはロックが
なく巻き戻しノブをまわせば巻き戻せる.ボディーの両肩横のネジ
を緩めると5mmほど出た状態で固定.これがストラップ金具に?
*ジャック・ボゴポルスキー(1896-1962)は、ウクライナ生まれの
カメラ設計者.シネマトグラフ・ボルという35mmフィルムを使用
する映画カメラを設計.その後アルパやボレックスの設計で有名に.
アメリカに移住後はニューヨークでボルシー社を設立.8mm映画
カメラのBolsey 8、コンパクトカメラのBolsey B、Bolsey Cなど
を設計.Bolseyシリーズはそんな彼の手になるコンパクト中級機.
発売された1950年ころには、このような小さく丸みを帯びたカメラ
が多く作られていた.ボディはかなり小さいが、このシリーズには
すべてのモデルで距離連動計が搭載.ファインダーは撮影レンズの
真上にあるためパララックスが生じるのは上下の差に限られている.
…注意しなければならないのは、リバーサルフィルムを使用する時.
このモデルの圧板は銀色なので、反射してしまわないように圧板を
黒く塗ってから使用を.またフィルムの巻き上げ時には、まずノブ
を持ち上げて、ロック解除してから、1コマ分が巻き上げられると、
自動的にふたたびロックがかかるという、自動巻き止め式である.
(Wikipediaその他のネット上から仕様などを転載してリライト)