blueな日々

( Art で逢いましょう)

やってくるもの~Some Came Running

2006年09月28日 | 2006~奇妙な

E92p

18時間、経過した。今、木曜日。朝。
私は昨日の午後から、宇宙を飛んでいた~あるいは砂漠を
さまよっていた~内面世界に引きこもっていた。釈明?を。
疲労困憊している。これは生き残るための逃避ではあるが。

午前2時過ぎに電話が鳴った。出なかった。5時前にまた。
彼の容態が悪化している。救急車で総合病院へ。彼の知人
からの連絡だった。私は病院へ電話した。救急病棟の医師
は手が離せない。病状の詳細は折り返しに。という看護師。

コーヒーを作り、ベランダに出て外気にあたり、私は覚醒
をうながしていた。自分のヒポコンドリー?と睡眠不足が、
ひどく心身にこたえていた。年にも勝てないな。長い時間、
待っていた~実際は30分ほどのものだろうが。

目ざめはじめようとする、視界の中の世界~薄暗い街なみ。
まだ私はうつ状態から抜け出ていない。私も本当に、空に
浮かぶことができれば素敵だろう。昨日見た昆虫のような、
あの黒いヘリコプタがうらやましかった。などと。

若い声の医師から電話がかかってきた。ひととおりの検査
をした。特に異常は見当たらない。意識はまだ戻らないが。
様子を見て、必要なら、さらに精密検査を行なう。しかし、
たぶん心配いらない。一時的なものに思える。そんな話…。
よろしく頼み、礼をいった。胸のつかえが消えた?ような。
医師は、また連絡しますという。あるいは彼から直接に。

昨日の午後からの記憶がない。そんなことを書きたい気分
だった。18時間前の急激な私のうつ状態は、今朝のことを
予知していたからかもしれない~ミステリアス?な気持ち
にもなりたい。やがて私たちはシリアスな状況に直面する
恐れがある。さまざまな不確定な要素を前にしているから。

『走り来る人々』を、また思い出していた。こういう状況
には似合いの物語~社会から微妙に浮きあがってしまった
人々の姿を、せつなくやさしく描いている。その映画では、
結局、ヒロインは死んで~殺されてしまうが、それなりに、
彼女なりに生きたのだと思えば救われもするのだ。独りに
なった主人公~中年の作家は、小説に書くことで。

彼もそうだろうか?私はどうなのか? どちらも、世界を
安易?に考え生きてきた。負の報酬を今、充分すぎるほど
受けとっているのかもしれない。因果はめぐるものだから。

映画(原作~ジェームズ・ジョーンズ)とは、無惨なほど
に違いをみせる現実である。私たちの救いはどこに?

8時。また連絡が。彼の意識が戻りはじめた。声を発した。
目が開いた。この機会に全身の検査を受けるかもしれない。
そんな彼の知人だ。一晩中、付き添っていてくれたらしい。
彼のことは、とりあえずは、続報を待つことにする。

もし私がアル中だったら今頃、やってくる得体の知れない
何物かに恐怖しているところだろう。足元から這いあがる
無数のセミの幼虫の群れかもしれない。頭上で、空を埋め
つくす黒いヘリの集合~爆音かもしれない。しかしそれが
叫び声をあげる、死んだ子供たちや、私に批判的な君の姿
だったら、私はもっと怖い。きっと生きていられない。

こんな記事は、誰にも読んでほしくない。


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