カメラ店で期待を込めて、不安なかばに、現像が済んだ
フィルムとインデックスシートを受け取る。…うれしい
驚きが。小さなサムネイル形式の、そのプリントを見た
だけだったが,素晴らしい写りをしているような。
自宅に戻って,パソコンにスキャンを。濃厚な味の色彩
がそこにあった。思わず感心してしまうほど,いい写り
の写真たち。最初の2カットだけがストロボでの撮影だ。
うまく同調をしていたようだ。どぎつい光ではなかった。
必要なときは、ストロボも悪くない、などとも感じた。
1メートルでの最接近でも,遠景でも,逆光でも,室内
の暗がりの中でも,戯れのセルフタイマーを使った撮影
でも,それらのどれもが、古いフィルムを使ったための,
やや微妙な色あいではあるが,みごとな味を出している。
たぶん経年劣化による、ピント合わせの困難さをがまん
できれば,これからも、いい写真が撮影できるカメラだ。
ファインダー内部の、薄くて見えにくい二重像の調整は,
修理専門のカメラ店に依頼するしかないだろう。一万円
ほどの費用が必要に。…光漏れも、まだなさそうなので,
モルトの張り替えも先延ばしにできそうだ。このままの
状態で,私はまだしばらく使ってみよう、と思うのだ。
いいカメラを手にできるうれしさ。あるいは安価な値段
で買えたよろこびも。じつに素晴らしいカメラとの日々
ではないか。やはり私は、レンジファインダーの名機を
収集したいと、あらためて願うのである。なかば仮死の
状態で,長い年月、使われなくなっていた個体を,私が
救い出すことができた。そんな達成感?に似た感情も。